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by acine

文雀-SPARROW-  スリ ’08 香港 (DVD)

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ジョニー・トーのスリ映画

どんな映画だろう?と思ってましたが
詳しく:映画の森

出だしのヤムヤム 
今回 とても男前なサイモン・ヤムの住んでいるコジャレた部屋 
赤い椅子 スタンドの灯り そして外の看板
そして 暗い裏通りから表通りへ・・・

まるで ヨーロッパ映画を見てるような雰囲気で
ズバリ! 映像がクリアで すごくコジャレた映画です

音楽も ピアノ曲あり ジャズっぽくあり 中華っぽくあり
あんまり音楽にこだわってなさそうに思える トーさん
今回やってくれるじゃないですか・・・!

香港の中環(セントラル)周辺が舞台なんだけど
レトロやモダンな雰囲気のビル街はまるでNYのようだし
坂道はまるでパリの街並みのような感じ

確かに香港なんだけど どこか香港でないような 
今までに見たことないような ちょっと異空間な香港が楽しめます

これまた 愛のある香港の描き方というのかな~

表向きはカメラマンをしてるらしい 
ダンディ・ヤムヤムの撮る 香港の街の写真もレトロですごくいい
これ見ると モノクロ写真を香港で撮りたくなってしまう

そんな香港の街並みと 音楽と キャストが 
バランス良く そこに存在する トーさん異色の映画系

ものすごくリラックスして見れる映画

題材は確かに スリなんだけど 主人公は あくまでも人間と香港の街

そして 確かにトーさんなりのこだわりや美学は一杯ばらまかれている

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何気ない 人の配置とか そのバックにあるシャンデリアとか
ヒロイン ケリー・リンのエレガント系ドレスにハイヒール姿@中環の街 
階段の映し方とか ビルの屋上とか ジャグジーに入る男たちとか

そんな美学と共存するのが いい意味で コテコテ香港映画の味わい

んなわけないだろう!的 可笑しさ (特にあの人の女装ね・笑)も
今回はあって トー先生の美学と 肩の力の抜けたリラックス感
その共存が心地いい いい意味で香港映画くささも濃いし
なのに センスが凄くいい 映像やライティングや配置が絶妙で

そして メインのスリ場面 

あんなものどうやって口に仕込んでるんだろう?とか
一体 横断歩道渡るのって 何秒かかる?と思いつつも
その技&演出に感嘆 スリというよりバレエなんだよなぁ

優雅です 

コテコテの男たちが雨の中で踊るスリ・バレエ!

一体 何のこっちゃ?ですが 見ればわかるんだよな~

こんな芸当はトーさん映画でしか見れないよね

文雀-SPARROW-  スリ ’08 香港 (DVD)_e0079992_22212791.jpg


今回 ラム・カートンがけっこう美味しい役だったけど
あのワイン競争 私だったら ヤム兄さんとガンガン飲みたいわ~!

キャストも出すぎず 各々 持ち場で確実に仕事してるし
とにかく バランスがいい 異色のコジャレたスリ映画

ヒロインのケリー・リンは 綺麗なのかそうでないのか
よくわからない感じだったけど ワンピースやトレンチにヒール
キリっとクールな彼女の衣装 雑誌でいえば Domaniや
Precious系の小奇麗なスタイルで 品が良くてセンスよかったと思う

この辺もトーさんこだわりの部分なんだろうなぁ
意外と女性の服もイケてるわ・・・トー先生と感心しました

愛すべき小作品 愛すべき香港映画 
愛すべきお気楽プチノワール って感じですね

とっても気楽に見れる そういう点では 
トーさん映画では ターンレフト ターンライトに近いかな?

とはいえ この映画も ものすごく徹底された様式美
トーさん流様式美の中で こういうゾーンもあるのか・・・という感じ
根底にあるセンスで どんな風に展開していっても 
魅せることができるというお手本のような 趣味性高い一品 

今日の映画:80点
by acine | 2010-05-04 22:14 | Hong Kong  香港映画