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by acine

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY  麦の穂をゆらす風 ’06 アイルランド・英・独・伊・西

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続いて またケン・ローチ監督作
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作

ケン・ローチは 過去の映画を見ても 
厳しい現実を堅実に描く人 重く心が痛む映画が多い
そして 主演のキリアン・マーフィーは 
プルートで朝食を が凄くよかったので ぜひ見たかった映画

一言で言うと 心に鉛のくさびを打ちこまれたような
シリアスで心に重く深く 刻み込まれるような映画だった

*以下 ネタバレあり

1920年代のアイルランド
英国による圧政からの独立を求める若者たちが義勇軍を結成
主人公の医者志望のデミアンもある事件をきっかけに・・・
そして まったく普通の若者・男たちが レジスタンスに巻き込まれていく
巻き込まれざるを得ない アイルランドの悲劇的な現実
心に痛く重くのしかかる映像とストーリー

緑が美しく素朴なその大地とは 裏腹の厳しい現実
彼らを全く人間扱いしない 駐留英国軍に対し
ハンチングをかぶり コートやジャケット 普段着で戦う彼ら
愛する国 愛する家族を守るため 
それだけの為に 全く犠牲を厭わない彼ら

英語名を名乗らなかっただけで 惨殺され 
残された家族の家も焼き討ちに合い
訳もなく連行され 拷問で爪をはがされたり
しょうがなく雇い主に協力したばかりに
幼馴染を殺さないといけなくなったり・・・
(このシーン 思わず涙・・・!)
やっと独立したかと思ったら 内戦で
兄弟で対立しないといけなくなってしまったり

いつどこで自分が巻き込まれない世界は
戦後の日本 島国の日本で のほほんと暮らしてる
自分の目から見ても 大変痛ましく 心に重くのしかかる

逆にそこまで 自分の国の独立を夢見て
民族の誇りを持って そこまで信念が持てる 
そして戦う彼らの姿は こんな言い方は
不謹慎と思うけど うらやましくも思えた

命をかけて 真剣に戦ってる彼らの顔を見ていると
立場は違えど 今の日本で そこまで戦ってる男
それを支える女が 果たしているだろうか・・・?!
いないと思う・・・

”自由が来るのはもっと先かもしれない この国は不思議な国だ”
とつぶやいた デミアンの言葉が 印象的だった
そしてあのシーン  涙がもうぶわーっと浮かんでしまった

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY  麦の穂をゆらす風 ’06 アイルランド・英・独・伊・西_e0079992_1922928.jpg
キリアン・マーフィー 派手さはなく 
堅実で一見地味なくらいの演技
だったけど 巻き込まれてしまった
人生を繊細に上手く演じていた
そして 信念を通す 兄テディ役の俳優さんも 
芯が強く繊細なシネード役の女優さんも
とてもよかった


全てのキャストたち シリアスで真剣な面持ちがよい
”明日へのチケット”の赤毛の子も出てました

魂がしっかり込められ 芯がブレない
繊細で骨太の映画らしい映画 圧倒されました
年に1,2本はこんな映画絶対見なくちゃいけない・・・!
こんな映画に当たりたい・・・そんな映画だった

今日の映画:84点
by acine | 2007-01-08 18:18 | Europa  ヨーロッパ映画