人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Mi cinema log acine.exblog.jp

特典のポストカード付      前売り買った!


by acine

STONED   ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 ’05 イギリス (WOWOW)

STONED   ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 ’05 イギリス (WOWOW)_e0079992_1105876.jpg

60年代 セックス・ドラッグ・ロックンロール 
このポスターそのまんまの世界 いやロックンロールは余りなかったか・・・ 
そして ストーンズから消えたと同時に この世からも消えてしまった男の物語

音楽モンだし 去年 ホントは映画館で見たかった映画
忙しくて行けずじまいで その後ベン・ウィショーも出てたと知り 
やっぱりこれはいつか見よう!と思っていた作品
借りようかと思ってたら 丁度放映があったので・・・ 詳しくは:コチラ

そういう死んだメンバーがいたらしい・・・というのは知ってたけど
当時の状況やストーンズの内情がどうだったかは さすがに知らない
真相を知らなかった分 逆に新鮮に見れたかもしれない

もっと音楽ガンガンかと思ってたら 意外や意外・・・!
とても映画らしい展開で 小粒ながら丁寧な作りの映画だった
静かな中にも 煌びやかで退廃的 羨望と妬み 遊びと浪費
享楽の世界 音楽ビジネスの裏側などが描かれていて
こういう世界でも 決して品を失わず 淡々とクールなのが
これまたイギリス映画らしくてよかった

プールのシーン~デビュー直後の雪のシーン~
GFを妊娠させて彼女の父親に怒鳴られ 家を出て 
ミュージシャンになり・・・そして人気者となり
くまのプーさんを描いた作家が暮らしていた
カントリーサイドの邸宅を買い取り そこに暮らし 
改装するシーンまで 一気になだれ込む・・・ 

STONED   ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 ’05 イギリス (WOWOW)_e0079992_848717.jpg


その風景や邸宅が なんともイギリスらしさがプンプン漂う 
アンティークさの漂う 萱葺き屋根の古風で瀟洒な邸宅
日本のミュージシャンが いくら成功したからと言って
純日本家屋を買い取って 改装して住むだろうか?
しかも くまのプーさんの作者が住んでたという家!
そういう感覚の違いが面白い 先端にいながら伝統的
いかにもカントリーハウスっぽいインテリア 
美しいイングリッシュガーデンに ほどよくモダンなプール・・・
なんともうらやましい家だった この家もいい感じだったけど
旅行先のマラケシュのホテルとかも すごく雰囲気があった
この映画・・・実はインテリア映画でもある

そんな中 キース宅も担当したという 冴えない建築業者の男
フランクがブライアンに手招きされるかのように 時には仲良く
時にはバカにされつつも 段々とブライアンの生活に入り込んでくる

何で こんな奴が こんなに延々フューチャーされるのか?
なんだか不思議な展開だな~?と思いつつ見ていたら
これが段々とミステリー要素 サスペンスチックになっていき
ミュージシャンのブライアン・ジョーンズの失速と重なっていくのだ
まるで 点と線がつながっていくかのように 
ブライアンの人生も幕切れへと向かう・・・

アメリカへ入国出来ない=アメリカをツアーできない スタジオへも来ない
曲も書かない 仕事をせずに 女遊び、旅行、家の改築 etc・・・
果ては 自らが原因で ダイナマイト・バディのGFをキースに奪われる
怠惰に遊び暮らし 浪費ばかりするブライアンは 
なるべくして身を滅ぼし 脱退せざるを得なかったという感じがするが
あの建築業者フランクが 彼の人生に登場した所で
彼の人生も 歯車が狂い始めたとも言える・・・

この映画で描かれていた事がホントだとすると 
怖い話だな~と思うし でも十分ありえそうな話でもある
単にあのフランクだけの問題か それともマネージャーが仕向けたのか?
どこまで本当かはわからないけど こういう脱退劇の裏側には
表沙汰に出来ないような 大人の事情がいろいろあるんだろうな~と 今更思う

音楽映画というより 成功と引き換えにこういう退廃的生活を
送ったばかりに 見えない渦に巻き込まれ 死に至るまでの結果・・・という感じ
予想とは違ったけど 小粒ながらも 意外にも映画らしい映画だったと思う
創作物語だったラストデイズより 真相に近いような気がする
本人がふーっと出てくる ラストシーンも効いていた

STONED   ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 ’05 イギリス (WOWOW)_e0079992_8493054.jpg


淡々となりきっていたブライアン役のレオ・グレゴリーも上手かったし
庶民のフランクetc・・・役者陣の演技も自然でよかった
キース・リチャーズ役だった ベン・ウィショーは出番は少ないけど
小動物系&甘め路線系で なかなか可愛げでした
どっちかというと ブライアン&建築業者&GFに焦点絞ってるので
バンドやメンバーは余り出てこないのが ちょっと勿体ないかな?

今日の映画:78点
by acine | 2007-08-30 00:49 | Inglaterra イギリス映画