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簡単に覚え書き 映画メモ 美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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EL LABERINTO DEL FAUNO/ PAN'S LABYRINTH パンズ・ラビリンス ’06 メキシコ・スペイン・アメリカ

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今年のアカデミー賞の壇上で ダニエル・クレイグを始め 
”パンズ・ラビリンス!” と 連呼されていた話題作

彼の賞での美術賞だの撮影賞だのに騙されてはダメだ
おどろおどろしい美術 ストーリーにピッタリなグリーンがかったような
青みがかったような 月光に照らされたような色合いの撮影も
美しいけれど それは単なる建前にすぎない

ダークファンタジーの衣をまとった この映画の本質はドラマ
それもズキズキと心に突き刺さる なんとも厳しい人間ドラマだ 
見ていて 同じスペインものの蝶の舌
レジスタンス系麦の穂をゆらす風を思い出した

1944年 スペインでのフランコ政権の圧制 その軍人達
彼らに対抗するゲリラたちの厳しい現実 それを取巻く人々
そんな中で生きる少女オフェリアのラビリンスが行き交う物語

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人間のダークサイド 純粋な子供の心 
逆境の中でいかに生きるか そこから逃げ出したい時
どうするか? 逃げ出せない時はどうするのか?

監督・脚本・プロデュースのギジェルモ・デル・トロはメキシコ人
だけど この暗黒時代のスペインの空気感 悲しいまでの美しいグリーン(緑)
降り注ぐ雨 薄暗い月光の中にいるような映像の色
なんとも鮮烈なスペインの持つ陰影 ラテン世界の独特の暗い影を描いていて
ジワジワと そして見る者に強烈なパンチを浴びせる

それは余りにも残酷な仕打ちだったり 
昼間のさんさんと降り注ぐ太陽とは正反対の陰湿なものだったり
救いがあって ホッとすると また地獄へ突き落とす・・・

妙なファンタジーだな いやこれは人間ドラマだ
なんて残酷なんだ オフェリア・・・頑張れ! そんな馬鹿な?
と惑わされてるうちに これはサスペンス映画? ハラハラ・ドキドキ
そして 頭をガツンと殴られ こっちも打ちのめされる

主人公のオフェリア役の バルセロナ生まれのイバナ・バケロちゃん 
とても自然な演技で グリーン系の衣装もとても可愛い
段々と逆境に追い込まれる彼女に 段々とこちらも感情移入
あぁ~!もう誰でもいいから なんとかこのオフェリアちゃんを助けて
あげて~!!!と ハラハラして見てしまい 最後まで目が離せません

そして 皆をいたぶりまくり エラソーで冷酷なカピタン(大尉・義父)
もうコイツが本当に嫌な野郎で かつ妙に小物フェチ!
見ていて こっちも○してやろうか!と段々イライラしてくるのだ
しかもグアポ(美男)でもないくせに 妙にナルシスト いい加減にしろ!
こういう時代は こんな人間の皮を被った○畜が一杯いたんだろう
もしくは そうなるしか生きる道がなかった人間も多かったのか?
このカピタンを演じたセルジ・ロペスの演技も圧巻

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そしてオフェリアちゃんの面倒を何かと見る 手伝いの女性メルセデス
天国の口、終わりの楽園。で 可愛いメヒカーノ二人 ガエルとディエゴを翻弄していた
年上のスペイン女 マリベル・ベルドゥ 目がギョロっとして 骸骨系の顔というか
骨格そのまんまみたいなキツい顔 だけども彼女の行動にはこっちも救われる

ラスト・・・オフェリアは幸せになったんだろうか?
ちゃんと王女に戻れたんだろうか?
それとも あのラビリンスは辛い現実で見た幻想だったのか?
すごく気になるところ・・・ 願わくば幸せになって欲しい・・・

絶望感に浸りながらも そこからいかに抜け出すか?
それでも やっぱり抜け出せないのか?

苦い余韻が残るダークファンタジー 力作には間違いない
正直 粗悪なパクリだった某作品賞より よっぽど高い志で 
キチンとマジメに かつ個性的に作られた映画だと思う
中盤~終盤の不穏さ・恐ろしさ漂う展開は凄い 

今日の映画:80点

この映画・・・私が見た劇場だけ?だったのかもだけど
出だしのナレーターの声からして 凄いボリュームで このまま2時間は
キツいなぁ・・・と心配してたら 慣れてきたけど 
最近あまりない程の音のデカい映画だったような気がする

どうでもいいけど 個人的には メルセデスが羽織ってたグリーンのショールや
不思議の国のアリスのようなオフェリアのエプロンドレス 凄く可愛かったな~と思う

この映画全体的に 女性陣のグリーンの衣装が印象的で
”クイーン”で印象的だったブリティッシュグリーンとは また違う
ワビサビ・土着系 なぜか日本人の心をくすぐるスペインのグリーン
苔の色や抹茶とも通じるような とても惹かれるグリーン色 
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Commented by sabunori at 2007-10-14 18:42
acineさーん、私も観ました!
この作品の中身の濃さを考えたら2時間でキッチリまとめたあたり拍手もんですよね。
全編に渡るダークな色彩、オフェリアの洋服、パンズ・ラビリンスの住人たち・・・
どれも私のストライクゾーンでした。
これは絶対劇場で観る作品ですよね。
Commented at 2007-10-14 20:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by CaeRu_noix at 2007-10-15 00:53
acineさん、こんばんは。
そうなんです。ファンタジーと思いきや、現実の残酷描写の比率が高くてビックリしました。
でも、それゆえにラビリンス世界が魅惑的なものとして際だっていた感じです。
見ごたえありましたー。
Commented by kazupon at 2007-10-15 08:00 x
acineさん

大尉のキャラ作りが面白かったです。
すごいイヤなやつなんだけど、人間味ゼロの残忍性といえばそうでも
ないというか、彼の父親も同じようなタイプなんだったんでしょうね。
映画では描かれてなかったけど、オフェリアの父親は殺されたのかな
なんて思って観ていました。
そういう側面があるからこそファンタジー部分、オフェリアの儚げなかんじが引き立つような構成がすばらしいと思います。
Commented by acine at 2007-10-15 22:38
◇sabunoriさん TBも有難うございまーす!
いやいや、私もこれsabunoriさんお好きそうだな~と思ってたんですよ♪
ほんと、これ以上時間長かったら、濃い&酷すぎてゼイゼイになってたかもしれません。
こういうファンタジーがあるんだ・・・と目からウロコでした。
これは見る人の心をザックリと切り裂きますね。あとからジワジワまた来るし。
私は正直おどろおどろしい系は苦手なんだけど、現実の場面が意外と
多かったので、なんとか無事見ること出来ました。
それにしても現実の方が、恐ろしかったですよね~。まるで恐怖物語。
大尉が○ッ○リやられて、よくやった!とメルセデスを応援したくなりました。
オフェリアの服、どれも凄く可愛かったですよね~!


Commented by acine at 2007-10-15 22:48
◇鍵コメさん お久しぶりです~! えぇ~!そうなんですね?!
残念だけど、お気持ち私もよーくわかるので、止めません・・・。
私もいつまで続けれるか・・・?!だけど、これからも鍵コメさんとご縁が
もてるので、とっても嬉しいです。いつでも遊びに来てくださいね~!
これからもよろしく!

で、鍵コメさんもやっぱり見られましたよね~!
そうそう、月光に照らされたような暗黒の世界は、現実もラビリンスも
どっちも怖かったけど・・・。現実があぁなので、逆におどろおどろしいはずの
ラビリンスの場面になると、ちょっとほっとしたりして。でもあのぶどうのシーンは怖かった!あと、ベッドの下のあのシーンもリアルで・・・!
そして、あの大尉のフェチぶり、残酷さのこだわりは、凄いな~と思いました。
ほんと、メルセデスよくやった!という感じでしたよね。その後の大尉も
懲りない奴で呆れたけど。”デビルズ・・・”って見たことないんだけど、
ちょっと見たいかも・・・・。でも、怖いの苦手なんですよー!
私もカエル・・・アウト!近づいてったオフェリアちゃんは凄い。
Commented by acine at 2007-10-15 22:53
◇かえるさん こんばんは! TBも有難うございます~。
ほんとに、ファンタジーのシーンがあのパーセンテージというのが意外でしたよね。
それにしても、現実世界は怖かった。だからこそ、かえるさんが書かれてるように、
ラビリンスが魅力的だったのかも・・・ですよね。
怖いの苦手な私には、どれもNGで、私だったら、近寄れない世界だったけど(笑)。
それにしても、現実世界で段々と追い込まれていくオフェリアちゃんに、本当に同情しました。
あの大尉は本当に酷い奴だったし・・・。でもいつの時代にもこんなオフェリアのような
少年少女が世界中には一杯いるのかもしれませんねぇ。
そんな子供時代を送らなかった自分は幸せだと思ったりして。
Commented by acine at 2007-10-15 22:58
◇kazuponさん ほーんと、あの大尉はキョーレツでした。
あっと驚くキャラでしたよね。あいつがあんな酷い奴だから、誰しもいたいけな
オフェリアちゃん、毅然と立ち向かうメルセデスに共感できたのかも・・・です。
あと、kazuponさんがレスに書いておられた、女性に共感・・・同感です。
この辺、確信犯かも・・・ですね。
ほんと!ほんと!今思えば、オフェリアの父も殺されてそうな感じですね。当ってそう。
単なる跡継ぎが欲しかっただけでオフェリアの母に近づいたよーな気がしますもんね。アイツ。
ラストは見る人によって、解釈違いそうですね。私には未だに謎だけど、
ラビリンスは存在した・・・と思いたいですね~。
Commented at 2007-10-22 22:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by acine at 2007-10-22 23:01
◇鍵コメさん こんばんは! お帰りなさい~。あっちは暖かかったのかな?
急に日本は寒くなってない? 1ヶ月前までは真夏のようだったのに・・・!
体がどうも追いつきません~。

”色・戒”見たんだ~! そうか・・・疲れるのか・・・。なーんとなく、問題作っぽい
気はしてたんだけど、そうなのね~。
香港人の感想・・・(笑)。でもきっとそうなのね~。力がいりそうですね。そりゃ。
リーホンもマイナスイメージなの?! うーん見るのが怖くなってきたな~(笑)。
しかもAV!ふーん。

そういえば、鍵コメさん、J決まったね。諸事情で、なかなか2月の東京は難しい・・・。
大変悩むところです。

明日から、激務らしいけど、体に気をつけて、頑張ってね~!
Commented by acine at 2007-10-24 16:58
◇鍵コメさん 香港は涼しかったんですね~! 意外。
なんだか鍵コメさんから”色・戒”話聞いて、戦々恐々です(笑)。
見たら、後悔する・・・って(笑&怖)! そうか、AV&バイオレンスシーンの
連続とは~!なんだか見るのが、恐ろしくなってきました。
トニーが凄いことになってるってのは本当だったんですね?(笑)。
リーホン・・・やっぱりアン・リーということで、出たかったんでしょうね。
しかもトニーが共演だし。
”不能的秘密”も見たんだ~。いいなぁ!ジェイのナル炸裂も見たい・・・。
それよか、”黄金甲”はもう公開されないんだろうかしら?
私も、”超割”とか使えば・・・チケだけ買って、考えようか?なーんて
やっぱり思ったり、心は揺れてます。武道館だと、席悪いと全然見えないしね~。
ほんと、大阪に来てくれればいいのにねぇ。
Commented at 2007-10-25 00:11
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by acine at 2007-10-25 19:37
◇鍵コメさん こんばんは! でしょー?! フォーラムならともかく、
武道館で席悪いと最悪っぽいので、(以前見たイギリスのバンドの時
そう思った。その時はけっこうよかったんだけど)交通費かけて、
席悪いとなるとヒサンよね~。ほーんと迷うとこです。
なので、逆に行くなら、某グループみたいに、旅行も兼ねて、香港か
台湾まで、行ってしまった方が絶対楽しい感じするよね~。

ははは!恐ろしい映画・・・なんですね。カリーナ姐さんは大人だから、
OKかもだけど、鍵コメさんだったら、立ち直れない・・・か(笑)。
よっぽど凄いんだろうなぁ・・・と覚悟して見ますわ~。

不能・・・は、よさそーですね。ジェイはロマンチストだから、きっとそんな世界
というのが予想できる感じします。 本当にね~、西にも来て欲しいよね!
by acine | 2007-10-12 22:45 | España  スペイン映画 | Comments(13)