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簡単に覚え書き 映画メモ 美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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LA SCONOSCIUTA    題名のない子守唄 ’06 イタリア

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凄い映画を見た・・・!の一言

ミステリアスで残酷なのに テンションが物凄く高い 
その一瞬一瞬が 常にクライマックス状態で
常にドキドキする展開で とにかく強烈  
久しぶりに見終わって 茫然自失な映画だった

とにかく冒頭から スクリーンに釘付け!
こんなタイプの映画 見たことないかも

北イタリアのトリエステに現れた 自称ウクライナ出身の謎の女 イレーナ
妖しげなフラッシュバックの場面 ミステリアスでスピーディで
力強くドキドキするようなエンニオ・モリコーネの音楽
 
得体の知れない女でありながら 強い決意を秘めたイレーナが
華麗な装飾が施された美しく どこか孤独を感じるような
トリエステの街を彷徨うシーン そして掃除婦から家政婦へ・・・ 
一体 彼女はどうしてそこへ潜り込んだのか?
何故潜りこまねばならなかったのか?

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演じるロシア出身の女優 クセニア・ラパポルト
聡明な瞳はどこかケイト・ブランシェットを連想させ
スラブ系独特の透明感のある美貌とどこか漂う暗さを持っている
彼女の演技や佇まいは 謎の女イレーナそのものだった

段々と謎解きがされていき ははーん そうか!と 気付き始めても
ドキドキ感は全く失われず テンションも全然下がらない
これを延々見続けてたら 高血圧か心臓に負担がかかりそうな
くらいの濃さだ そして同時に存在する芸術性の高さも凄い

人間の残酷さ・悲しさ・哀れさ イタリアに潜む富むヨーロッパの闇
段々と明かされるイレーナの過去
どうやって彼女はイタリアに流れ着いたのかわからないけど
ただのプターナじゃなくて あれがホントだとしたら
ただの日本人は 呆気に取られて見てしまうだろう
それほど彼女達の生活は壮絶で こんなの死んだ方がマシだと思う
私も唖然として見てたけど・・・ 

それなのに 単なるお涙頂戴には全く終わらない
涙は出ない ラストが・・・というキャッチだけど 
正直ラストよりそれまでの過程の濃密さったらない

子供の描き方だって ハリウッドだったら絶対NGだろう
子供を甘やかさない 子供の着地点だって決して安堵できない
そんな子供テア役を演じた子もすごく達者だった
演技も自然で底力があり ハリウッドの子役より 数倍格が上という感じ

独特の力強さ そしてこのドラマティックさに圧倒された
いやいや 凄い映画を見たなぁ・・・と 呆然
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同じように 子供が出てきて 子守唄や母性がモチーフというと
パンズ・ラビリンス もダークで残酷で 素晴らしかったけど
この映画も甲乙つけがたく素晴らしかったと思う
個人的には こっちの方が より強烈だったような気がする 
地獄と天国 どちらが救いがあるのか?という 感じがするけど
この救いようのない強烈さと悲しさ どこかホっとする瞬間もちらり
ラテン映画がとことん描く 人間の陰影・残酷さ
強烈すぎるエモーショナルさや愛情表現
なかなか他の国では真似できないと思う だからラテンものは辞められない

この映画・・・ 
5年前に行ったことのある トリエステの街が舞台ということで
だったら見てみようか・・・ 位のきっかけだったけど 
こんな凄い映画だったとは・・・!と 驚きの色が隠せない私

この映画の監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
海の上のピアニスト マレーナは見てるけど 
この監督は どこか残酷で 夢だけは絶対見させてくれない
前者はよかったけど ちょっと作りこみすぎが鼻につく・・・
後者はこの映画と同じように 暴力シーンもキツいし 
後味悪くて あんまり好きじゃなかった・・・
この映画は そういうシーンがあっても 心底凄い!と思った
この力強いテンションは誰ばれ真似できない しかもこんな題材で

とにかく強烈 エモーショナルすぎて テンション高すぎるのに
凄いとしか言いようがない映画だった
映画なのに 事実は小説より奇なり という感じ 
これは傑作!

今日の映画:84点

11/24追記

”パンズ・ラビリンス”より凄いかも・・・と書いてましたが
その場の衝撃度でいうと この”題名のない子守唄”の方が上
だけど あとでジワジワよりくるのは”パンズ・ラビリンス”の方
何にしろパヒュームと並び 今年のダーク・残酷系ではこの3作肩を並べるでしょう
何にせよ ハリウッドでは絶対作れないタイプの これぞ映画!的ダーク系映画



5年前の夏 この映画の舞台 トリエステに行ったことがある
ヴェネツィアから電車で2時間 アドリア海沿いの街
車で10分も走れば そこはスロヴェニア(旧ユーゴスラヴィア)
イタリアであって イタリアらしくない街らしい・・・

この映画の撮られた冬と違って 私が行ったのは真夏なので
また雰囲気が違うと思うけど こんな東欧の女性を舞台にした
ミステリアスな題材が 確かによく似合う

その時の旅の同行者(イタリア大好き)いわく
他のイタリアの街と雰囲気も 歩いてる人の顔も全然違う・・・らしい
確かに 顔つきがラテンというより どこかスラブ系っぽい顔つきの人も多い
たまたま乗ったタクシーの運転手のお兄ちゃんも 話を聞いてると 
父イタリアと母スロヴェニアのハーフだった (長身で美形!)

その歴史は・・・
イタリア半島の付け根の東端にある フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の州都
ローマ、アクイレイア、ヴェネツィアの支配を経て 14世紀後半から
オーストリアの支配にあった 1719年にマリア・テレジアとジュゼッペ2世の下
オーストリア・ハンガリー帝国の軍港となり その後自由港として発展した
その後第一次大戦後はイタリア領となり 
第二次世界大戦後は英米とユーゴスラヴィアの共同管轄地になり
1954年に現イタリア領となった
 =地球の歩き方 ミラノ ヴェネツィア&湖水地方編= より引用

↑のように イタリアになって まだ50年ちょっと
イタリアらしくない・・・というのもなるほど・・・の歴史
地図で見ても 飛び地のようにトリエステの街だけが 
イタリアから飛び出て ぐっとスロヴェニアやクロアチアの
旧ユーゴ領に入り込んでいる感じだもの

そんな歴史もなるほど・・・と思う 
いろんな国の支配下に置かれて 中欧・東欧の玄関口で
ハプスブルグ家の下 栄えたというのがなるほど・・・とわかる
とても落ち着いて どっしりとした街という印象
かつ重厚で荘厳な建物がズラリ 見方によっては重々しい感じさえするくらい
そんな中 ウィーン的な華麗な装飾や 美しい扉や窓が一杯ある街だった
あと ここはコーヒーで有名なillyの本拠地だとか
 (ホントは行きたかった illyカフェに行き損ねた!)

イタリアに行っても なかなかトリエステは
行くチャンスのない街だと思うので ちらーっと写真をご紹介
 *フイルム時代のコンパクト写真のスキャンなので 今イチで失礼

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カナル・グランデ 大運河
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正教系の教会らしい モザイクや彫刻が美しい
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〃 扉
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美しい装飾の重厚な扉が一杯ある街
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確かデパートだったと思う
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装飾が美しい!
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こんな路地がたまらなく好き
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商業の中心地あたり
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イタリア統一広場付近
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回廊もたまらなく好き
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広場の前はすぐアドリア海
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広場のオープンカフェ
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政庁舎 華麗!
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山と海にはさまれているので 神戸のように坂道も多い街 
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郊外のアドリア海沿いにある ハプスブルグ家のお城 ミラマーレ城
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ふたたびトリエステ中心部 美しい窓まわり
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ひっそりとした路地
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この窓も美しい
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by acine | 2007-11-20 23:17 | Europa  ヨーロッパ映画