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簡単に覚え書き 映画メモ 美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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TranSylvania   トランシルヴァニア ’06 フランス

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土着!音楽!ロードムーヴィー!
そのすべてが大爆発 本能の人 トニー・ガトリフ監督作

前作の 愛より強い旅 も その音楽の強烈さ 
パワフルに旅する登場人物のイカれっぷりアッパレな映画だったけど
今回はまた違う意味で 土着色が強い・・・強すぎる
壊れた心 寒そうな風景に どこか悲しげで
ノスタルジックな音楽が鳴り響く・・・

一体 ここはどこの国なのか・・・? 
言葉も人種も国境もよくわからないトランシルヴァニア(ルーマニア)の地を舞台に
今回はさらにその即興性 作りたいように作った作風が爆発
王家衛も真っ青かと思いきや 意外と計算ちゃんとされてるんじゃない?!
という部分も鼻につかないでもない
(いつの間にかアーシアの衣装が変わってるとか)
だけど そんなことはもうどうでもいいや・・・と思いたくなる
爆弾系浮き草的な登場人物のキョーレツさはこれまた凄い

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前作のネエちゃんも イカレっぷり炸裂だったけど
今回はイカレっぷりが はじめから十分期待できる 
アーシア・アルジェントがヒロインなんだから 
こりゃ凄そうだ・・・と思ってたら その通り!

そのなりきりぶりがもうぶっ飛ぶくらい凄い
丸々天然で まるで悪魔か天使か・・・本能のみの女 
その堕落ぶりと正反対の天使のような清らかさも
持ち合わせ こりゃ凄いわ・・・と ただただ感心!

男を追っかけて トランシルヴァニアにやってきた女 ジンガリナ
だけど あっさり突き放され まるで悪魔に取り付かれたかのように
泣き叫び 落ち込み 身重の体で落ちるところまで落ちる・・・
気がつけば あら?ホームレス? 
あれ?いつの間かロマ(ジプシー)の女になっている?!

どこで服を手に入れたのよ? 
あんなに心配してくれてた女友達マリーを ほっぽらかして
アンタ何してんのよ? そんなことするよりフランスか
出身地らしいイタリアへ帰ったほうがいいよ・・・
だけど 取り付かれたかのようにトランシルヴァニアに居ついたジンガリナ
疑問は山のようにあるものの アーシアの存在感が
そんな疑問を 全て帳消しにするパワーを持つ
いやー!凄い! アンタは凄いわ!アーシアちゃん!と素直に感嘆

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とことんやってくれるイカれっぷりも アッパレだけど
この上なく清らかで 天使のような柔らかさと美しさ・・・
そんな相反する部分を持つのが 実は彼女の凄い魅力なんだなぁ 
今回気がついた 単なるイタリアのイカレポンチなネエちゃんでは全くない
今まで見たBモンキー やマリー・アントワネット(こっちは小規模)でも
イカレた役だったけど こんな役ばかりでなく
ちゃんとしたコスチュームものなどで 正統派の役を演じさせても
絶対良さそうだ クセありだけども こんな天性の女優系 私は凄く好きだ

あと感心したのが 冒頭の今風の格好
短いジャケットに膝丈のタイトスカート そしてロングブーツ
そういう普通の格好も さりげなく決まってて すごくお洒落だ
程よい肉付き 長い脚 彼女の体型 すごく好きかも 
アーシアの顔は 私のスペイン語の先生兼友達と似ている
 (彼女は南米の人で ここまでブっ飛んでない・・笑)

そして そんなアーシアに付きまとうのが 
アンタも一体だれよ?!な 風来坊の商売人の男・・・
ビロル・ユーネル トルコの俳優さんらしいが この人が
もうヨレヨレの服着て 何週間もシャワーを浴びてないらしいのに
そんなやさぐれたわびしい姿が 異様にスタイリッシュでカッコいい
ホームレス寸前なのに 何ともカッコいい・・・という不思議な男

しかも 闇商売系で 生活能力なさそうなのに 異様に何でもできる!
電線から電気を引き シャンデリア(何故?だけど)を点ける
車のボンネットの上で 素手でタマネギやトマトをぶっつぶし
かいがいしく料理を作る 栓抜きがなくともビール瓶を開ける
ヒーリングストーンで傷を治す 古ぼけたベンツのワゴンが家代わり
人っ子一人いなさそうな 雪嵐の中でも ちゃんと人を見つける
意外や意外 どんな所でも生きていけそうな 超サバイバルな男
でも 無駄なこともけっこうやっている アンタいくつよ?な子供ぽさも
このキャラクターの色付 意外性大!で面白かった

個人的には ”愛より強い旅”の方が 道のりも興味ある場所だし
音楽も良かったし 全体的なバランスは こっちの方がいい
サントラが猛烈に欲しい!と思ったのも こっちの方だ

でも この映画のアンバランスさも 妙に気になる
パーフェクトなのが すべていいとは限らないという見本かも
ストーリーなんて あってないようなもんだし・・・ね

単なる ロマ気取りはファッション? アーシアの訳のわからない旅
そして 巻きこまれ男・・・ いや自らついて行ったのか?
結局この映画って何だったの?これ?!
疑問が残るけど その強烈さ ラストのアーシアの表情の素晴らしさ
一気に押し捲って終了!

土着の香り 音楽を強烈にかき鳴らし 民族色濃く
そして・・・旅をする この路線をこんな風に本能むき出し 
こんなタイプの映画で右に出るものはいない監督かもしれない
そして その要求にちゃんと応えるキャスト陣もこれまた凄いな・・・と思う
いつも 監督もキャストも入魂・・・だ

今日の映画:78点
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by acine | 2007-12-17 00:31 | Francia フランス映画