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簡単に覚え書き 映画メモ ひっそりと書いてます   美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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I'M NOT THERE   アイム・ノット・ゼア ’07 アメリカ 

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鬼才 トッド・へインズの最新作

かなりクセありの独特のタッチを持った人だけど その達者な構成力
音楽・映像・構図・ファッション・インテリア・衣装まで 細部へのこだわり
華やかだけど 万人を寄せ付けない部分も多いけど 
独自の路線を歩む 美と芸の職人という印象だ

この人もゲイ ゲイの監督は皆細部にわたって細やかで
その美意識・こだわりが物凄く高いような気がする・・・
そしてちょっとハスに構えたシニカルな視線が面白い

ベルベット・ゴールドマイン はグラマラスでキラキラとしていてほろ苦い 大好きな映画!
エデンより彼方に もかなりクセある話で レトロ総天然色が印象的だった

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新作は 6人の俳優がボブ・ディランを演じるという 奇想天外な伝記もの
詳しくは:Yahoo!映画

ボブ・ディランの全盛期は知らないし 興味を持ったこともほとんどない
知ってる曲といえば Guns N' Rosesが カバーしてた
”Knockin' on Heaven's Door”位だ

今回の目的は トッド・へインズ作
ケイト・ブランシェット ベン・ウィショー クリスチャン・ベイル他
が出てるから・・・見たかったので 6人でボブ・ディラン?!
今イチ想像がつかなかったんだけど・・・

6人の俳優が 皆ボブ・ディランと名乗ってるんだろうと
思ってたら 皆それぞれ 名前が違うのにビックリ!!!
いる場所も時代も 果ては人種も年齢も性別も違う
果ては歌なんて唄ってなくて 俳優や放浪してる人までいるのだ

とにかく名前も 人間も違っていて 各人のパートがパズルのように
組み合わさって シャッフルされ 最終的にどこかでつながりつつ 
次々と目の前に現れるので 戸惑いつつ見てしまう
一種哲学のようで難解 頭の中が???となりつつ 
劇中のストーリーは ボブ・ディランの曲と共に
比較的ゆっくりと進むので 若干退屈さを感じつつ
好みのパートとそうでないパートに別れてくる感じ

ボブ・ディランに詳しい人 その時代を生きた人 音楽に詳しい人 
アメリカン・カルチャーの中で育った人には ピンと来る内容かも
しれないけど どれも体験してない大部分の日本人には 
どうもフィットしない題材のような気がする・・・
独特の世界なので ついていくのに根気がかなり必要

だけど 段々そのわかるようでわからない不可解な世界が
音楽と映像 その巧みな構成とキャスト陣の充実の演技で
段々と疑問や雑念を持たず ただスクリーンに集中するようになる
何だかわからないけど 映画に引っ張られていく感じ?

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ベン・ウィショーはナビゲーター的役
モノクロの世界で トータル登場時間は短いけど やはり独特の印象を残す
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放浪するマーカス・カール・フランクリン
子供なのに ユーモアを漂わせる達者な演技が凄く上手かった

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ヒース・レジャー そして彼の妻役のシャルロット・ゲンズブール

なかなか共感できる部分のない映画の中で 個人的には一番ぐっと来たパート
ヒース・レジャーは実は縁がなくて 今回初めて演技を見たけど凄く良かった 
なーんとなく知る限りの彼の結婚生活を思わせるような
やるせなさを漂わせ フレンチ妻シャルロットとの出会い・蜜月・衝突

このパートは クセあり映画の中から抜け出て 
いい意味で別の映画を見てるような気分で このパートは凄くよかったなぁ 
若くして亡くなってしまったヒースに合掌・・・ 
シャルロットの細い体 優しげな声 やわらかい言葉の発し方は
凄く魅力的だった アメリカ人にはない独特の雰囲気がいいなぁ

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クリスチャン・ベイル ベスト口パクパフォーマンスは彼!
妻役のジュリアン・ムーアのインタビューも交え 今イチ存在は
謎だった彼の役 だけどこの教会でのパフォーマンスはお見事だった

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ケイト・ブランシェット 
ほとんどノーメイク(多分) そして細いスーツに身を包み
紅一点 男を演じた彼女 その見た目の線の細さに負けないように
ずぶとめを装う男演技 無理がやっぱりあるかな?とチラチラ思いつつ
やっぱり こんな役は普通の女優では出来ないよな~と思いつつ見た
昔のGF役でチラっと出た ミッシェル・ウィリアムズもエキセントリックで可愛かった

リチャード・ギアは 田舎のおっさんがよく似合っていたけど
その他の若手ほど 演技は達者ではないというか自然体

というわけで この映画がストライクゾーンにスッポリとハマる人は
凄く少ないと思うけど(欧米では知らないけど) 
そんな世界を掘り下げて こんな奇想天外な映画を作った 
トッド・へインズは凄いよな~と思う

そして こんな訳わからん 監督の脳内満足度高い作品で
きっちりと地に足を着け 監督の望む世界をしっかりと演じた役者たちも凄い

この内容に興味が持てるか?持てないか? 好きか?嫌いか?
映画の内容どうこうというより こんな映画を作ってしまうこと
こんな大胆な設定で こんな風に構成し キャストに演技させる 
物凄く高度なテクニックとセンスが必要だと思う

キャスト陣の充実した演技とともに 内容に共感ができなくても 
ちんぷんかんぷん気味でも しっかりと観客を引っ張る力
何だかわからんけど ラストまで見せきってしまう
トッド・へインズの人並み外れたその構築力とセンス 
そういう意味では凄い映画 いや監督かもしれない

今日の映画:75点
 
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Commented by kiki at 2008-05-01 07:55 x
acineさん、ワタシも見てきたけど、ちょっとシンドかったわ。(笑)
部分的にハっとするようなシーンも幾つかあって映像的には面白いな
と感じました。見ている最中はワケワカラヌで、引っ張りまわされる
という印象なのだけど、見終わるとその着想とか、どのパートを誰に演じ
させるか等、非常に計算され尽くしているのね、と思えてくる作品。
ケイトはやっぱり圧倒的だったなぁ、と。 カッコよかったざんすね。
Commented by acine at 2008-05-01 21:01
◇kikiさん おぉ~!kikiさんも見られましたね。確かにシンドかった。
私の場合一つ開けた席に、凄い汗臭い落ち着きのないオッサンが座ったので、
匂いはするわ、ゴソゴソするわ・・・で集中できない上、この難解さ・・・でしょ~?!
そのオッサンが途中退場(ほっとしたわ!)してから、やっと集中できるように
なって、なんとかラストまで・・・という感じでした。
そうそう、kikiさんが書いてる通り、見てる間は???なんだけど、
終わってみれば、その計算の絶妙さに呆然・・・としました。訳わからんけど、
これは凄いわ・・・って(笑)。
ケイト・・・カッコよかったけど、個人的には、今回はヒースとシャルロットのパート
がいい意味でクセなくて、凄く好きだったなぁ。
Commented by kazupon at 2008-05-03 22:51 x
acineさん
遅くなりました!へーknockin on a heavens dorrってガンズも
やってるのかぁ。ものすごいカバー多い曲ですねぇ。
確かにわかりにくい映画ではありますが、今までなかったタイプの
ミュージシャン映画だったので気に入りました。
そっかーヒースこれが初めてなんですね。初期の「ロックユー」
とか「ブロークバックマウンテン」とか「ロードオブドッグタウン」とか
どれも全然違うタイプの役をやれるいい俳優でした。この映画でも
かなり良かったですよね。ケイトはうますぎて最近驚かなくなって
きてるので(笑)
Commented by acine at 2008-05-05 00:33
◇kazuponさん 気にしないでくださいね~! TBもありがとうございます。
そーなんですよ。その昔、バンダナしたアクセル・ローズも歌っておりました。
私も予想とは全然違う映画で、前半かなり面食らっていたんだけど、
見慣れて来たらあの不思議な展開も心地いいし、終わってみたら、
うわーこの構成って凄いかも!?とその驚き。好き!といえる映画じゃないけど、
この個性的な構成には、高評価です。
ヒース、そーなんですよ。私、どうも巾狭いので、まだ見ぬ人とか、初見の人って
一杯いるんですよね~(笑)。恥ずかしながら・・・。
派手さはないけど、このヒースとシャルロットのエピソードは凄くよかったなぁ。
確かに、ケイトは何をやっても、恐ろしく上手いし、大好きだけど、
この映画に関しては、私もさほど強い印象ではなかったんですよ~。
それって、役者側としては、得なのか?損なのか?って感じですよね~。
by acine | 2008-04-27 20:14 | Estados Unidos 米映画 | Comments(4)