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by acine

PARANOID PARK パラノイドパーク ’07 アメリカ・フランス

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ガス・ヴァン・サント監督作

ということで ロード・ムーヴィー風 
そして フンイキものというのは充分予想できる 
彼の映画が すごく好きということはないけど
ロード・ムーヴィーは好きなので 彼の作品は気になるという感じ

”マラ・ノーチェ”も 見逃してしまったので 
どうしよう? 予告もなかなか良さそうだったし 
何せカメラはクリストファー・ドイルだしな~ で決まり!

クリストファー・ドイルの映し出す世界が大好きな私は
彼が撮ってると知っただけで 見る価値あり!と
頭が勝手にOKを出してしまうのだ(笑)

今回はポートランドに住むスケーターの少年が
不意の事件に巻き込まれ・・・という 
少しサスペンスフルながら デリケートで
映像 音楽で 彼の心境や周りの空気感を映し出すという
いかにも ガス・ヴァン・サントらしい設定
詳しく:ハニカム

しかも 主人公は 子供でもない 大人でもない
中途半端で 移ろいやすい でも意外と落ち着いた
見た目は まるで女の子みたいな少年だ
この設定が また彼らしい 個人的には女の子っぽいけど 
さほど 美少年とは思わなかったけど・・・ 

主人公の彼にしろ 周りのクラスメイトやスケーター仲間にしろ
ほとんどポートランドのその辺の一般人を使ってるので
演じてる風はほとんどなく あくまでも自然体なのが
この映画のフンイキにはピッタリだった

そして やっぱりクリストファー・ドイルのカメラは素晴らしい!
その光の使い方 スケート場(パラノイドパーク)での
スケーターの動き ふとスローになる人物のアップ

まるで夢の中の出来事のような 冒頭のスケーターたちの
シーンから ぐっと引き込まれ いい映画の予感がした

そして 主人公を追うカメラは その時々の彼の心や
そのまわりにまとう空気感までしっかり映し出していて
台詞も少ない映画にも関わらず これまた選りすぐったんだろう
気の効いた音楽と共に凄く雄弁だった

そして やっぱり彼のカメラは そこがアメリカのポートランドで
あっても 主人公がいたいけな少年であっても 何故か
王家衛の世界を デジャブーで見てるような部分が所々に出現

PARANOID PARK パラノイドパーク ’07 アメリカ・フランス_e0079992_22553620.jpg


学校の薄暗い廊下を主人公が歩くシーンは ”天使の涙”で 
カレンとミシェルが地下鉄の通路ですれ違うシーンだったり (↑の写真ね)
頭を抱える主人公は ”ブエノスアイレス”のレスリーかトニーが悩んでいるようでもあるし
車の中のシーンは あちこちの映画で見た やはり車の中のシーンのようだし・・・

映画に集中しつつも そんなデジャブーに
彼のカメラはやっぱりいいよな~とこちらも酔える時間だった

そして 嬉しいハプニング!
ご本人も主人公の叔父トミー役として2回ほどチラっと出てくること!
全然知らなかったので これは儲けもの!

ストーリーは フンイキものだけど 今回は決して退屈ではなかった
妙にリアルなのは その事件のシーン いやー怖かった!
その原因となるようなことは 誰だってしそうなことで全く悪意はない・・・ 
だけど 偶然の産物 魔がさしたというか 悪夢のような一瞬・・・

あれを実際見たら トラウマになるか 悪でうなされそうな気が
するけど フンイキもので終わってしまったエンディング・・・

主人公の少年は どういう形であれ 救われる日が来るのか?
それとも 延々と悶々とするのか・・・?
どうなったのか 知りたいような 知りたくないような・・・
そんな曖昧なエンディングも ガス・ヴァン・サントっぽいな~

今日の映画:78点
by acine | 2008-07-31 22:53 | Estados Unidos 米映画