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簡単に覚え書き 映画メモ 美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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カテゴリ:Europa  ヨーロッパ映画( 20 )

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凄い映画を見た・・・!の一言

ミステリアスで残酷なのに テンションが物凄く高い 
その一瞬一瞬が 常にクライマックス状態で
常にドキドキする展開で とにかく強烈  
久しぶりに見終わって 茫然自失な映画だった

とにかく冒頭から スクリーンに釘付け!
こんなタイプの映画 見たことないかも

北イタリアのトリエステに現れた 自称ウクライナ出身の謎の女 イレーナ
妖しげなフラッシュバックの場面 ミステリアスでスピーディで
力強くドキドキするようなエンニオ・モリコーネの音楽
 
得体の知れない女でありながら 強い決意を秘めたイレーナが
華麗な装飾が施された美しく どこか孤独を感じるような
トリエステの街を彷徨うシーン そして掃除婦から家政婦へ・・・ 
一体 彼女はどうしてそこへ潜り込んだのか?
何故潜りこまねばならなかったのか?

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演じるロシア出身の女優 クセニア・ラパポルト
聡明な瞳はどこかケイト・ブランシェットを連想させ
スラブ系独特の透明感のある美貌とどこか漂う暗さを持っている
彼女の演技や佇まいは 謎の女イレーナそのものだった

段々と謎解きがされていき ははーん そうか!と 気付き始めても
ドキドキ感は全く失われず テンションも全然下がらない
これを延々見続けてたら 高血圧か心臓に負担がかかりそうな
くらいの濃さだ そして同時に存在する芸術性の高さも凄い

人間の残酷さ・悲しさ・哀れさ イタリアに潜む富むヨーロッパの闇
段々と明かされるイレーナの過去
どうやって彼女はイタリアに流れ着いたのかわからないけど
ただのプターナじゃなくて あれがホントだとしたら
ただの日本人は 呆気に取られて見てしまうだろう
それほど彼女達の生活は壮絶で こんなの死んだ方がマシだと思う
私も唖然として見てたけど・・・ 

それなのに 単なるお涙頂戴には全く終わらない
涙は出ない ラストが・・・というキャッチだけど 
正直ラストよりそれまでの過程の濃密さったらない

子供の描き方だって ハリウッドだったら絶対NGだろう
子供を甘やかさない 子供の着地点だって決して安堵できない
そんな子供テア役を演じた子もすごく達者だった
演技も自然で底力があり ハリウッドの子役より 数倍格が上という感じ

独特の力強さ そしてこのドラマティックさに圧倒された
いやいや 凄い映画を見たなぁ・・・と 呆然
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同じように 子供が出てきて 子守唄や母性がモチーフというと
パンズ・ラビリンス もダークで残酷で 素晴らしかったけど
この映画も甲乙つけがたく素晴らしかったと思う
個人的には こっちの方が より強烈だったような気がする 
地獄と天国 どちらが救いがあるのか?という 感じがするけど
この救いようのない強烈さと悲しさ どこかホっとする瞬間もちらり
ラテン映画がとことん描く 人間の陰影・残酷さ
強烈すぎるエモーショナルさや愛情表現
なかなか他の国では真似できないと思う だからラテンものは辞められない

この映画・・・ 
5年前に行ったことのある トリエステの街が舞台ということで
だったら見てみようか・・・ 位のきっかけだったけど 
こんな凄い映画だったとは・・・!と 驚きの色が隠せない私

この映画の監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
海の上のピアニスト マレーナは見てるけど 
この監督は どこか残酷で 夢だけは絶対見させてくれない
前者はよかったけど ちょっと作りこみすぎが鼻につく・・・
後者はこの映画と同じように 暴力シーンもキツいし 
後味悪くて あんまり好きじゃなかった・・・
この映画は そういうシーンがあっても 心底凄い!と思った
この力強いテンションは誰ばれ真似できない しかもこんな題材で

とにかく強烈 エモーショナルすぎて テンション高すぎるのに
凄いとしか言いようがない映画だった
映画なのに 事実は小説より奇なり という感じ 
これは傑作!

今日の映画:84点

11/24追記

”パンズ・ラビリンス”より凄いかも・・・と書いてましたが
その場の衝撃度でいうと この”題名のない子守唄”の方が上
だけど あとでジワジワよりくるのは”パンズ・ラビリンス”の方
何にしろパヒュームと並び 今年のダーク・残酷系ではこの3作肩を並べるでしょう
何にせよ ハリウッドでは絶対作れないタイプの これぞ映画!的ダーク系映画

トリエステ 写真館
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by acine | 2007-11-20 23:17 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(10)
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人口30万人の国 アイスランドの音楽シーンを追うドキュメント

この世のものとは思えぬような空、海、雪、氷・・・
まるで地球創世記のような大自然を抱き
そんな風景を見て育った人たちならではの 
何とも五感に響く 心に染み入る 音楽たちだった

映画内でも 語られるエピソード 

”古代からの息吹や詩が今も受け継がれているらしく
アイスランドの音楽はどこか古い賛美歌にも似ている
アイスランド人は誇り高く 情けないほどロマンティックだ
鋼のような心を持つ人でも たった1行の詩に涙する・・・

ヨーロッパとアメリカの中間に位置し
ヨーロッパでもなく スカンジナヴィアでもなく アメリカでもない
自分達の持つ世界と 様々な音楽をミックスする才能は天才的”

まさにその通り 

厳しく美しい大自然を見て育った人たちの音楽は その大地の通り
オーロラから星屑が舞い降りてくるような神秘ささえ感じる美しさ
氷河や凍てついた大地を轟かすような切り裂くような力強さ 
そして氷のような繊細さ その寒い大地とは裏腹の温かい人間らしさ
古代の息遣いがワイルドに今も残る味わい etc・・・

どのバンド・音楽も 一瞬にしてその空気が変わるような独特な味を持っていた

きっとどの国の人たちも 
こんな風に古代からの息遣い・DNAを持ってるはずなのに
堂々と自然に このアイスランドの人たちのように
素直にダイレクトに表現できてないような気がする

碧くて白い大地に育った人たちならではの 感性・音楽に恐れ入りました
育った土地がこんな風に密接に音楽に結びつくんだなぁ・・・と驚いた
それほど 目に見えない磁力・影響力がアイスランドでは働いてるような気がした
その自然同様 神々しさまで感じるのが凄い

ビヨークも変わった音楽やってる いつもヘンなカッコしてる人という
イメージしかなかったけど 彼女のライブシーンは圧巻だった!
まるで 氷河かオーロラかスターダストか 圧倒的なオーラと繊細さと破壊力
今更だけど 彼女のCD聞いてみよーか LIVEも凄く見てみたくなった私でした

寒い所は苦手だけど こんな感性持てるなら
来世 アイスランドに生まれてみてもいいなぁ・・・とちょっと思ったりして

いやー 凄く良かった! 個人的にとても好みな音楽ドキュメントでした
音楽映画は一杯あるけど 五感に響くという点でポイント高い

今日の映画:80点

アイスランドなんて どこ?
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by acine | 2007-10-24 15:34 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(0)
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イスラエル占領下のヨルダン川西岸に住む
パレスチナ青年二人が自爆攻撃へ向かう48時間を追ったドラマ
詳しくは:公式HP *音出るので注意!

見てる間中 前半:鼻の奥がツーンとする 後半:体が熱くなる
頭では 心落ち着けて見ようと 思っていても 
だんだんと平常心ではいられなくなってくる映画だった

静けさと緊張感 日常と非日常が交差する風景
ある夜 突然 君達が選ばれたよ・・・ と
翌日 イスラエル側に 自爆攻撃に行くことになった親友二人

淡々とかつ緊張感を持ったカメラに写る 
真摯で迷いなく 時に不安もよぎる 二人の瞳 
そして表情や心の動き 何ともやるせない気持ちになってくる

決行するはずがトラブルに巻き込まれ
迷いがないはずだったのに 葛藤に巻き込まれる二人

”世界の人たちは 遠巻きに見てるだけなんだ”

”向こうは確信してるんだ 自分達は被害者だと思ってる
そして 被害者を装った 加害者なんだ
それに対抗するには 自分達も加害者にならざるを得ない”

”向こうは武器を持ってるけど 自分達には体しかない”

”これで世界が変えられるんだ” 

生々しく重い台詞の数々に 見てる私達はなす術もない
彼らの言う まさに遠巻きに見ているだけ・・・なんだから

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土埃が舞い 攻撃の後も生々しい 荒れ果てたパレスチナの街と 
まるでアメリカ西海岸か?と思う 繁栄しているイスラエル側の街並を
見ていると 同じ大地に2つの街が並んで存在してるとはとても思えない

たまたまだが 私には この映画で主人公達が向かう街
テルアビブに住む イスラエル人の友人がいる
へぇ・・・Gはこんな街に住んでいるんだなぁ・・・と思いながらも
このパレスチナ人青年の心情を察すると 複雑な気持ちに・・・

これは映画だけども こういう選択をしないといけない
こういう日常が現実にも その地にはあるんだということに驚く

そして そういう人たちの心の支えは 何の迷いもなく神だということも・・・
不条理ながらも 何も迷いなく 殉教者として 神の前に身を投げ出すことも
ここまで神を信じれる心は凄いと思う 信じざるを得ない状況だからか
だけども 余りにも重くて深すぎる問題で 呆然と見てしまう

ストーリー運び 描き方 映画としてもとても良質
パレスチナ人キャスト陣の演技も 本当に素晴らしかった
無垢な瞳と思いつめた瞳 その表情
ちょっとキーキーさんだった英雄の娘は なーんとイカレた彼女だった

世の中には無名でも ハリウッドドル箱スターより 
リアルで存在感があり 演技が上手い俳優って 無名でも
世界中にはキラ星の如く たくさんいるんだな・・・と思う

宗教と民族というのは 本当に難しい
特に普段の日本の生活では 考えられないことが
彼らの日常には 常に傍にあり共存している
生き方も必然的に決まってくる 決断を迫られる・・・

別世界へ行けるファンタジーもいいけど
こういう世界の現実を 時には垣間見る・知っておくことは必要
行って見ることは難しいから せめて映画の世界ででも・・・

ヘヴィで深いテーマだけど 見てよかったと思う一作
今年はこの系統の映画 いい作品が多い

今日の映画:82点
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by acine | 2007-07-03 20:54 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(0)
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ワールドカップイヤーの去年公開された ゴール! 三部作の第二弾
第一弾が あまりにもわかりやすすぎる展開に唖然・・・だったので
どーしようかなぁ・・・また定番ストーリー全開に決まってる
でも スペインが舞台だし スペイン語もガンガン出るかも・・・と思い鑑賞

イギリスのニューカッスルから スペインのレアル・マドリーに移籍し
UEFAチャンピオンズリーグを舞台に 
サンティアゴの成功物語Ⅱ+私生活バブリー風味 という感じでしょーか

予想はしていたものの あまりにも教科書どおりの筋書きにウンザリしつつも
マドリーの街並み スタジアムや試合の雰囲気には高揚感を覚え 
かつロッカールームの風景なども見れて これはこれで面白い
ある意味これも レアル ザ・ムービー 番外編とも言える
マドリーには1週間ほど行ったことがあるけど 
私は街もチームも 断然バルセロナの方が好み!

FIFA UEFA 公認映画ということで ふんだんに試合のシーン
チャンピオンズリーグのあのテーマ 有名選手&チームが雨あられと使われる
予想に反して サンティくん・・・ マドリーに移籍してからの
ものすごい金満バブリーぶり! 先に移籍してたいかがわしいハリスくんと連れない
豪邸を買うわ 豪華イタ車を買うわ D&Gを着てるわ やりたい放題
まるで メキシコ~アメリカ~イギリス時代の苦労を全く忘れ去った?!

前半はこういうシーンが多くて は?と思う反面 ある意味痛快!!!
瀟洒な家に 美女一杯 やれパーティだの やれレストランだの・・・
そのステレオタイプな私生活はかなーり面白い! まさに原題の副タイトル通り

サッカー啓蒙映画が ここまでバブリーぶりを映していいんだろーか?!
”いいかい?よい子のみんな 有名選手になったら こんな生活ができるんだよ!”
”成功したら こんな生活ができるんだ 僕もサッカー選手になりたい!”
とでも FIFAは思わせたいんだろーか? うーん・・・資本主義社会
貧富の差の激しい国の子には 励みになる・・・?

とはいえ その他の部分は まったく予想通り 
ハリウッド映画も真っ青の 素晴らしき予定調和の世界 
多分こうなるな? 点入っても ふーん・・・と 妙に冷静に見てしまう

サンティ&ちょっと太った斜陽気味のハリスくんが 点を入れまくる!
ちょっと!これだけのメンバーさしおいてて (味方にせよ 敵にせよ)
ドンくさそうに見える アンタたちがそんなに点入れれるわけないじゃなーい!
主人公のゴールシーンに 素直に感動できないのは この映画の致命傷
(私だけか・・・?!)

何事もなく無難にレアルに紛れ込む主人公達
あれだけスターが集ってて あそこまで友好的だろうか?
とってつけたように 突然出現する母親と弟 その衝突と和解 本当に道徳だ
ありがちな遠距離恋愛の障害 しかもGFは後半ほとんど出ないし
ラストなんてほぼ予想通り! これで3点目までサンティかハリスが
入れたら失笑モンだわと思ってたら そーじゃなくてほっとした(笑)
ま これも予定調和映画の王道なんだろうけど・・・
 
演技も及第点だけど 相変わらず サンティ役のクノ・ベッカーに
さほど魅力を見つけることが出来ない しかも同じ役で2作目だし 新鮮味も失せた
ぱっと見 スキンヘッド時代のユアンやロビー・ウィリアムス風に
見えるけど 二人ほどのオーラは残念ながらない とにかく平々凡々
劇中で スペイン美人にイケメン扱いされるけど は?そぉ?!
余りにも ストーリーも無難路線を突っ走るから 
俳優として変化球の出しようもないんだろうけど・・・
気の毒だけど あんまり俳優として芽の出る器ではなさそうな気がする

個人的には 丸っこくなって いかがわしさにプラスして いろんな意味で
情けなさの漂う先輩 ハリスくん=アレッサンドロ・ニヴォラはいい味で 君はおもろいわ!

一番ウケたのが マドリーの監督がオシム監督そっくり!
きっと日本人はみーんなそう思ったに違いない
ルトガー・ハウアーってこんな顔してたのねぇ 

そして感心したのは エセ選手がうまーく本物選手の中・・・
遠征先やらロッカールームやら練習やら試合やらに混ざってること!
よく出来た合成フィルムのように かなり自然なのが凄い
だからこそ 逆に 真剣勝負を繰り広げてる 
本物選手の顔つき・オーラ・プレイと 比べるべくもない 
オーラのカケラも何もない気の毒なお気楽エセ選手二人・・・!

個人的には ベッカムはまったく好みではないが (というか興味がない) 
今回の映画で 初めてベッカムちょっとカッコいいかも?!と思った次第(笑)
何も喋らず 姿とプレイだけ・・・ それが良かったのかとてもサマになっていた
エセ二人と横に並ぶとその差は歴然・・・プロの真剣さはやっぱり違う 

というわけで まるで粗探しに行ったよーですが 
この世界に興味があったり ヒマつぶしには悪くない
次回はドイツW杯編だそうで またご丁寧に筋書き通り 決まりだな!

今日の映画:68点
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by acine | 2007-06-01 15:22 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(0)
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続いて またケン・ローチ監督作
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作

ケン・ローチは 過去の映画を見ても 
厳しい現実を堅実に描く人 重く心が痛む映画が多い
そして 主演のキリアン・マーフィーは 
プルートで朝食を が凄くよかったので ぜひ見たかった映画

一言で言うと 心に鉛のくさびを打ちこまれたような
シリアスで心に重く深く 刻み込まれるような映画だった

*以下 ネタバレあり

1920年代のアイルランド
英国による圧政からの独立を求める若者たちが義勇軍を結成
主人公の医者志望のデミアンもある事件をきっかけに・・・
そして まったく普通の若者・男たちが レジスタンスに巻き込まれていく
巻き込まれざるを得ない アイルランドの悲劇的な現実
心に痛く重くのしかかる映像とストーリー

緑が美しく素朴なその大地とは 裏腹の厳しい現実
彼らを全く人間扱いしない 駐留英国軍に対し
ハンチングをかぶり コートやジャケット 普段着で戦う彼ら
愛する国 愛する家族を守るため 
それだけの為に 全く犠牲を厭わない彼ら

英語名を名乗らなかっただけで 惨殺され 
残された家族の家も焼き討ちに合い
訳もなく連行され 拷問で爪をはがされたり
しょうがなく雇い主に協力したばかりに
幼馴染を殺さないといけなくなったり・・・
(このシーン 思わず涙・・・!)
やっと独立したかと思ったら 内戦で
兄弟で対立しないといけなくなってしまったり

いつどこで自分が巻き込まれない世界は
戦後の日本 島国の日本で のほほんと暮らしてる
自分の目から見ても 大変痛ましく 心に重くのしかかる

逆にそこまで 自分の国の独立を夢見て
民族の誇りを持って そこまで信念が持てる 
そして戦う彼らの姿は こんな言い方は
不謹慎と思うけど うらやましくも思えた

命をかけて 真剣に戦ってる彼らの顔を見ていると
立場は違えど 今の日本で そこまで戦ってる男
それを支える女が 果たしているだろうか・・・?!
いないと思う・・・

”自由が来るのはもっと先かもしれない この国は不思議な国だ”
とつぶやいた デミアンの言葉が 印象的だった
そしてあのシーン  涙がもうぶわーっと浮かんでしまった

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キリアン・マーフィー 派手さはなく 
堅実で一見地味なくらいの演技
だったけど 巻き込まれてしまった
人生を繊細に上手く演じていた
そして 信念を通す 兄テディ役の俳優さんも 
芯が強く繊細なシネード役の女優さんも
とてもよかった


全てのキャストたち シリアスで真剣な面持ちがよい
”明日へのチケット”の赤毛の子も出てました

魂がしっかり込められ 芯がブレない
繊細で骨太の映画らしい映画 圧倒されました
年に1,2本はこんな映画絶対見なくちゃいけない・・・!
こんな映画に当たりたい・・・そんな映画だった

今日の映画:84点
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by acine | 2007-01-08 18:18 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(2)
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エルマンノ・オルミ(イタリア)、アッバス・キアロスタミ(イラン)、
ケン・ローチ(イギリス)による カンヌ映画祭パルムドール受賞監督3人による
ローマへ向かう特急列車を舞台にした オムニバス人間ドラマ

*少しネタバレあり

1話目:エルマンノ・オルミ作品
オーストリアへ出張し 孫の誕生日の為にローマへ戻る
イタリア人大学教授とオーストリアの企業の女性秘書との物語

食堂車を舞台に 彼女とのささやかな触れ合いを思い出し
夢の中なら自由だと・・・彼女と食事をしたり
まるで老いらくの恋への憧れを 映像化したような落ち着いた物語
暖かい牛乳のシーンは救われたような気分
秘書役は久しぶりに見た ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ
(カーラ・ブルーニの姉) ちょいと馬面なんだよなぁ・・・

某スパイ映画でも思ったけど あそこまで洗練されてないとしても
シャンペン パスタ 粋な会話 ヨーロッパらしい雰囲気がプンプン
あと ヨーロッパはやはり階級社会ということ 
大学教授やその他イタリア人、軍人、リッチそうなインド人は
当然のように食堂車にいるけど 難民は通路 
しかも子供のミルクも 不機嫌な軍人にこぼされてしまう・・・
そんな床のミルクを掃除するのも有色人種というのが印象的だった

2話目:アッバス・キアロスタミ作品
傲慢な中年女性と 息子くらいの年代の若者のイタリア人の話

このオバさんが もう本当に嫌な女でウンザリした~!
あの体型とあのふてぶてしさ・・・あんな女には絶対なりたくない!
それだけ演技が素晴らしいんだろうけど 電車に乗って
こんなオバさんが 予約した席に居座ってたりしたらと思うと・・・ウンザリ!
嫌気がさした フィリッポくんの気持ちもわかるよ 兵役してた方がよかったよね
この中で男二人が話してた会話
”女は若くっても 年をとってても 難しい・・・” ”同感だね”
これ・・・確かに合っている(笑)

3話目:ケン・ローチ作品
A.S.ローマと チャンピオンズ・リーグを戦う セルティックを応援する為
はるばるスコットランドからやってきた スーパーマーケット店員仲間の3人
1話目に出た アルバニア人家族(難民)も絡んでくる

2話目もヒステリックなオバさんで ちょっとテンション上がってきたが
3話目は イキのいいサポーター少年達ということで 
よりテンションが上がってきて これは予想通り面白かった
ただチケットのくだり・・・アンタたち優しすぎるね~
私だったら事情はあれ 自分が悪くないのに ふりかかるのはご免
悪いことした責任は断固取ってもらうね・・・!
だけど 終わりよければ 全て良しでよかったね(笑)という感じ

ただ 感心したのは 彼らの悩む姿 (ちょっとステレオタイプなのかもだけど)
難民について 真剣に話をする姿
これは 島国&戦後育ちの人間には そこまで思慮深くなれないだろう
地続きで EU圏内を目指す難民問題が身近だからこそ
若い彼らの間でも こんなくだりが成立するのかもしれない
うち二人は 同じケン・ローチのSWEET SIXTEENにも出てたらしい
(この映画・・・タイトルとは裏腹に心が痛む映画だった)

ローマ駅で 8万人いるサポーターで誰も逮捕者が出てない
セルティックサポーターにその仕打ちか?!
VIPともいえる 僕達にとる態度かー?!
ローマのサポーターとエールを交換するシーンなど
ヨーロッパサッカー世界らしさがよく出てて微笑ましかった

ちょっと甘めな日本タイトルより もっと現実味がある雰囲気
最後にテンション上がって よかったかなという感じ
個人的には やっぱり3話目支持

今日の映画:76点

こんな映画見てるとヨーロッパへ行きたくなるなぁ・・・
そしていろんな言語が飛び交う 電車の旅もしたいなぁ・・・
最後に行ったヨーロッパは もう3年半も前になる・・・(悲) 

その時の電車の旅・・・
この映画と同じイタリア ヴェネツィア⇔トリエステ間を往復したけど
帰りにトリエステ駅で 飲み物やポテトチップスを買ってたら
ギリギリになって うっかり切符を刻印するのを忘れ
(あっちの駅は改札口はなく イタリアでは自分達で刻印する)
確か10ユーロ位 罰金くらってしまった私たち あーあ!でした
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by acine | 2007-01-08 17:43 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(4)
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公開当時 劇場で見ようかな・・・とチラっと思ってた作品
忙しくて見れずじまい・・・でした
その後もレンタル屋でどうしようかなーと思いつつ
チラ見でいつもそのままになっておりましした

が ダニエル・クレイグがこれにも出ていたと知り やっと借りました
名だたる多くの名匠・巨匠による 
10分間という時間をテーマにした 短編オムニバス作品
人生のメビウス編とイデアの森編がある
ダニエルが出てるのは イデアの森の方
Addicted To The Stars 星に魅せられて  監督はマイケル・ラドフォード
この監督作はイル・ポスティーノBモンキーを見てるけど
どっちかというと まぁ好きな作風に入るかなという程度

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この感想書くとどうしても ネタバレになってしまうけれど

ダニエル演じる宇宙飛行士が地球に帰還するシーンから始まる
近未来のはずなのに 街はネオンは一杯あるのに
人影がない・・・ 妙にうら寂しい孤独感を感じる世界
しかも 出迎えてくれた女性はロボット?!
そして彼は誰かに会いに行く・・・その人の最後の台詞が切ない
そして 彼はまた星に魅せられる・・・というお話

カラーなのに なぜかモノクロームの印象が強いお話
ダニエルは いつもながらクールで落ち着いた演技
今から4年前の作なので 今よりは若い
冒頭の じわーっと目を開けていくシーン
暗闇に印象的なあの青い目が またここでも効果的に使われている
そして こんな落ち着いた話にも関わらず シャワーシーンあり
ここでも この監督もダニエルの魅力
いやダニエル好きのニーズをわかってる?!

10分にも満たない小作品 
時間があれば 他の短編も見る予定 取り急ぎダニエル作のみUP
ミニシアター系好き&興味ある人で 
少しでもいいからダニエルの演技が見たいという人は見てもよいかも

個人的に気になるのは とても感動した映画
太陽の雫ではレイフ・ファインズの演技と共に唸らされた 
イシュトヴァーン・サボー監督のもあったので これは見ようと思っている

オムニバス映画つながり:愛の神、エロス
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by acine | 2006-12-13 01:45 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(0)
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ニール・ジョーダン監督の映画は
マイケル・コリンズ ことの終わりに続き 3作目
*前者はジョナサン・リース・マイヤーズ目当て 
 後者はレイフ・ファインズ目当て J・ムーアも好きなので

綺麗で妖しげなポスターを見た時から 
これは面白そう! そんな香りが漂う・・・うぅ見たい・・・!と思っていた映画
いやいや これは大変面白かったです! 愛すべき映画!
ちなみにプルートとは冥王星のこと

砂糖菓子で包まれていながら 現実は甘くないよ
でも信じていれば 純粋さを失わなければ いいこともあるんだよ・・・
アイルランドとロンドンを舞台にした 
大人のための毒気をはらんだ 何とも可愛いおとぎ話

アイルランドという土地柄 
政治的や宗教的な視点・観点も独特なので
イギリス映画とは また一味違ったテイスト
ニール・ジョーダンって シリアスで暗めなテイストかと思ってたら
こんな映画も撮れるんだー!と驚きでした

キャストも皆 すごく良かったけど・・・
リーアム・ニーソンも初めていいと思ったけれど・・・

この映画の最大の魅力は彼女! いや彼!
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キリアン・マーフィー演じる パトリックならぬキトゥン
この写真のシーンは もう最高に綺麗!
女心があまりにも可愛すぎるキトゥンに 全編完璧になり切ってます彼!

彼女が喜べば自分も嬉しい 彼女が悲しむと自分も悲しくなる
ポジティブで純粋な彼女の一挙一動に 笑ったり悲しんだり
目がほーんと離せないんですもん
 
e0079992_20471323.jpg常にこんな風に綺麗ではなくて 
時折 ローリー寺西に見えないこともないんだけど(笑)
段々と 私もだけど 見てる人みーんな
彼女のことが もう可愛くて
愛おしくて しょうがなくなってくるはず
あげれるものなら 彼に主演女優賞あげたい!


e0079992_20481151.jpg愛する男に裏切られ ショービズ世界でも痛い目に会い
アイリッシュというだけで 爆弾犯に疑われ 修羅場も潜り抜け・・・
それでも彼女の目的 ママに会いたい!という気持ちは変わらず
けなげで純粋で なんとも可愛いすぎる! 
覗き小屋でのシーンや ブリティッシュテレコムレディのシーンは
涙腺が緩みそうになる


いい映画にはいい音楽がつきもの! 
そして キトゥンの衣装や髪型やメイクがもういちいち可愛い
70年代の音楽と衣装と雰囲気が レトロながらキラキラと輝いている
なかなか垣間見れないアイルランドとイギリスの関係とか
タイトルのついたチャプターごとに進んでいく展開は
ものすごくテンポいいし 全編に渡りとにかく見所満載!

そして後味が物凄くいい!
グラムで妖しげな ベルベット・ゴールドマイン
砂漠のドラッグクィーン プリシラ などが好きな人には ぜひおすすめ!
↑ この2作どちらも大好きな映画!サントラも!
あと飛行機の中で見たので ウロ覚えなんだけど
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ が好きな人もOK!のような気がする

今日の映画 82点

今年はイギリス方面の映画 個人的には大豊作!
こういう粋でセンスのいい映画たち 最高! 

素顔は
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by acine | 2006-09-30 22:29 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(8)
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イタリアが舞台の映画は 常によく見るけど
 (イタリアが舞台なのに何故か英語とか←一番嫌いなパターン)
純粋イタリア映画自体は”息子の部屋”以来 大変久しぶり
 (ただこの映画は あまりにもスローテンポすぎて 私はNG)

*ネタバレあり

イタリア北部ブレシアの 
裕福で愛に溢れた家庭に育った 13歳の少年サンドロ
父親と父親の友人とギリシャへクルーズに
出かけた時に あやまって船から転落する・・・

一晩 真っ暗な海を彷徨い (この海のシーンが印象的)
九死に一生を得て 船に助けられる
が その船は何とイタリアへ向かう 密航船だった
悪徳密航業者に イタリア人と知られないように
助けてくれたルーマニア人の兄妹 ラドゥとアリーナ

密航者の中に混じり 何とかイタリアへ帰り着いたサンドロ
密航者のその兄妹に 何かしてあげることはないか?
両親に必死に働きかけるサンドロ
密航船でイタリアに戻り 数日間密航者達と過ごしたことで
それまでぬくぬくとした中で育った彼の中で何かが変わり
世界も違って見えるようになってくる・・・
イタリアでのラドゥ兄弟 ナイーブなサンドロ 
そんな彼らの姿を描く とってもマジメな作品

サンドロと両親が住むの立派な家
密航者の収容された施設 そういう人たちが占拠して住む廃墟

小さいとはいえ 個室まであるボート
どこでどう人が振り落とされてもわからないような
黒山の人だかりが載った密航船

収容されても 雑魚寝するしかない密航者
イタリア人なので 収容所の中の個室のベッドで眠り
両親も速攻で迎えに来てもらえるサンドロ

そういう境遇や待遇が あからさまにはっきり違う情景を見せられると
普通に生活していると 密航者との接点なんて
まずないだろう自分たちも 考えさされるし
自分もサンドロと同じ立場だったら 何が出来る?と思ってしまう
そして どこまでその人たちのことを信用できるか? 

密航者を連行する際に イタリアの警察官が
”何の言葉が出来る? イタリア語? 英語? 
フランス語? スペイン語?” と声をかけたり・・・
収容施設で 多分彼らも収容者らしい人3,4人が
職員のイタリア語を その場でいろんな言葉で伝える
このあたりの風景も いろんな国から こういう密航者が
豊かなヨーロッパの国を目指してくるのだろうなと思わせる

豊かな国を目指して 越境し 船で密航し
国を出ざるを得ない人たちも この地球上には多くいるという事実
生まれついた場所・境遇で人生がこうも変わるのかと思うと
自分の考えてる悩みなど 取るに足らないこのなのだと思う

そして イタリア人って何て愛情表現が大らか
(というか 日本人感覚で言うと大げさ)なのが
うらやましくなる こういう風に表現できるってうらやましい
あんな愛情表現で育てられた子供は 愛情も表現も豊かになるはず

e0079992_19107.jpgキャストは演技経験のない3人らしいけど
サンドロ役の子の まっすぐな目と何かを悟ったような後半
ラドゥ兄弟のやはり目 とりわけ妹役のアリーナ役の子の
キリッとして何かを語ってるような目元が印象的だった

ラストシーン サンドロはすっかり変わってしまったかのように
見えるアリーナと再会し ミラノの道端に座ってる姿に涙腺が緩んだ
マジメで冷静な視点 ヨーロッパらしい映画でした

今日の映画 76点
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by acine | 2006-09-19 19:01 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(0)
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あまり前情報なしで見たけれど
オスカー・ワイルド作の戯曲が原作だそうだ
なので 古典的でクラシックな雰囲気が一杯
まるで小説を読んでいるような映画だった
とってもまじめで誠実な作り

舞台を1930年代の南イタリアのアマルフィ
(ここ数年ずっと行ってみたい憧れの街!)に移し
NYからやってきたアメリカ人をテーマに描くので
ヨーロッパ映画風な中にも アメリカンなテイストが漂う

個人的に 英語圏でもないのに なぜか皆英語を喋る映画は嫌い
だけどこの映画はあまり鼻につかない
謎の女役のヘレン・ハントはアメリカ的だけど
新妻役のスカーレット・ヨハンソンがアメリカ人ながら
ヨーロッパ的な雰囲気を持ってるからかもしれない

スカーレット・ヨハンソン 気にはなっていたけど初見
決して美人ではないと思うけど 存在感はある
特徴のある顔つきは 無垢にも見え色っぽくもあり
純粋で 傷つきやすさを持った役はぴったり 
個性的な顔と同様 あのムチムチした体つきも
彼女の演技の一つかもしれない 何故かすごく説得力がある

対して ヘレン・ハントも本当に上手い
彼女の顔は カミラ夫人みたいで好きではないけれど
前半謎の女 後半の彼女 いろんな表情を見せて年の功
本当に演技が達者 前半・後半で彼女の印象がガラっと変わる
はちきれそうなスカーレットの体に比べ
中年ならではの油ののった大人の体
今回の映画は この二人の体つきもポイント 

意外に早く明かされた謎 そのあたりから俄然見がいが出てくる
前半では皆いわくありげで 腹にイチモツもってそうだけど
後半では誰も悪い人がいないことがわかる

理想の女ってそういうことだったんだと知る
ラストシーンは ちょっとじーんときた
理想の女という日本題はこの映画に関しては
あまり合ってない気もするし 予定調和なんだろうけど
最後にじーんとくる映画らしい映画

アマルフィの街並み お屋敷 小物 衣装 ヘアスタイル アクセサリー
イタリアらしいセピア色がかかったような色合いも すごくクラシックで綺麗だった
主人公がアメリカ人じゃなくて イギリス人という設定だったらもっとよかったかな

今日の映画  81点

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by acine | 2005-12-20 23:04 | Europa  ヨーロッパ映画 | Comments(0)