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簡単に覚え書き 映画メモ 美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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いやいや これまた骨太のラテン系だ

スペイン映画というより カタルーニャ〈バルセロナが州都)ならではの
独特の地域性やその性質がよく出た映画だと思う
スペインであって スペインでないバルセロナ同様
スペイン映画であって スペイン映画ではない 
ラテンの濃さとマジメさ 独特の立ち位置の映画かもしれない

台詞も 実際 半分がカタラン(カタルーニャ語) 
半分がカステジャーノ(いわゆるスペイン語)という
いかにもカタルーニャらしい 言葉遣いだった
あそこまで自分達の言葉まで抑圧されてたら 
自由になったら カタルーニャ語が第一というのが わかるような気がした
しっかし カタルーニャ語はやっぱり難解だわ さっぱり理解不可能
この前見た イタリア語の方がよっぽど スペイン語と似てる
 *理解可能な範囲に限る・笑*

大・大・大好きな街 バルセロナが舞台ということで 絶対見なくては!な私  
硬派な仕上がりなんだろうなと思ってたけど
ほぼそれは当ってたけど へーぇ!な意外なシーンもあったりしたけど
いやはや不覚にも 何箇所かで涙が出ました
詳しくは:アムネスティ

冒頭の事件 もう一体誰が誰やら どっちが悪者なのか
サッパリわからないのだけど サルバドールは銃弾を打ち込まれ
警察官を殺し 牢屋に入れられ 裁判を待つ身となる

全く過ごしてる時間も 時代も 国も違うし
そういう行動に出なくてよい国や時代に生まれたけど
こういう映画を見てると いざ自分だったらどうするか?
どう生きるだろうか? とついつい考えてしまう
今年は 視点は違えど こういう反体制系・レジスタンス系
政治的巻き込まれ系 凄くいい映画が多かったと思う
麦の穂をゆらす風 パラダイス・ナウ パンズ・ラビリンス
グアンタナモ 僕たちが見た真実 ラストキング・オブ・スコットランド

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主人公サルバドールを演じたのが ダニエル・ブリュール
グッバイ、レーニン!で彼を見てて てっきりドイツ人だと思ってた私(国籍はそうらしい) 
スペイン映画なのに 何で彼が出るんだろう?と 不思議に思っていたら・・・
実はバルセロナ生まれドイツ育ち ドイツ人とスペイン人のハーフだったのね
そして ドイツ語、スペイン語のバイリンガル、英語もフランス語も堪能だとか! 
(映画見てたら カタルーニャ語も堪能そう)
本名: Daniel César Martín Brühl González Domingo  
意外にも スペイン色濃い名前だったのね

この映画での カールおじさんか熊軍団みたいな 濃い濃いいかにも
濃厚なテイストのラテンな男達に 囲まれてると 彼は毛色がやっぱり違う
ボンボンくさいというか 妙な生真面目さとのほほんさ・・・
そういう彼の持ち味が 何故か道を踏み違えてしまった
このサルバドールの役にピッタリだった 
それはバルセロナの持つ街の空気感とも重なる
バルセロナ生まれの彼には持ってこいの役だったんだろう

お肌があんまり綺麗じゃないのが 勿体ないけど 
彼が真摯に人生に向き合えば ニッコリ微笑めば
彼女も姉妹も弁護士も看守も 皆何故か彼のことをほおっておけなくなる

彼が死刑になるまでの原因は 正直全く共感できない
反体制と名のついただけの単なる強盗犯 単なるギャングじゃないか?!
そりゃ捕まって当然よ! と思いたくもなるんだけど
それが原因で 大きな時代の渦に巻き込まれ 
結局 死刑宣告を受けるくだりは 本当に気の毒になってくる

最初はうさんくさく思われていても 段々と周りの人間を引き込む・・・
ダニエルののほほんとしたボンボン的存在感は 
そんな見てる側の矛盾も段々帳消しし 共感させてしまう底力があるから凄い
現実的なドイツ・スペイン版トビー・マグワイアって感じもする
そして どこかユアンも思わせる雰囲気 

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やはり思想で囚われ死刑宣告から恩赦で生き返った父親は
すっかり人が変わってしまい廃人のようで 息子を思いやる余裕がない
そんな父に あなたの息子でよかったと手紙を書くサルバドール
そして活動に熱中するあまり 彼女からも愛想をつかされる 

そんな囚われた身のサルバドールを心配するのは彼の4人の姉妹
この姉妹の弟・兄サルバドールに対する気持ち
そしてサルバドールが女姉妹に対する気持ち これがたまらない
歳の近い姉妹たち そして末っ子の妹に対する思いやり
自分と血のつながったきょうだいが死刑になる?! 想像を絶する世界
控え室でサルバドールと姉妹達が4人で手をつなぎあわせるシーン・・・
私には弟はいないけど 思わず・・・涙! 

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そして 登場が楽しみだった レオナルド・スバラグリア!
ご覧のとおり これまたカールおじさん状態で 刑務所の看守役
パンズ・ラビリンスの大尉のように とことん卑劣なヤツかと思いきや
(そういうのも見てみたい) 姉妹とサルバドールが面会で話す時も
 ”カタランを使うな!カステジャーノを使え!カブロン!” なんて
憎憎しげに言ってたくせに・・・
気がつけば あれ?ストーカー? あれ?一緒にバスケやってる?
○への手紙を読み 果ては すっかり囚人サルバドールに共感してしまって
感情移入してしまうくだりが ちょっと笑えたりして・・・ 
こういう妙な子供っぽさや 単刀直入さもスペインらしくていい(笑) 
何故か和み系のほっとする妙ちきりんなヒール役 スバちゃんでした
*レオナルド・スバラグリア ユートピア

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個人的には楽しみにしてた ネチっこそうなルックスとは裏腹に
スバちゃんが意外に平和な役だったので ちょっと物足りなかった反面
弁護士を演じた トリスタン・ウジョア 彼は今回凄くよかった!
登場してから だいぶたって これってもしかして彼だわ!と気がついたけど
最初はサルバドールに理解できないと言ってたくせに
接するうちに なんとかサルバドールを助けようとする
彼の職業人そして人間としての純粋な気持ち 彼の行動・・・
これは重要な役だったと思う 彼とサルバドールのシーンも泣けた・・・こりゃ名演!
*トリスタン・ウジョア ルシアとsex オープン・ユア・アイズ 

レオノール・ワトリングも出てたけど 余り重要な役ではなかったかな?

70年代が舞台ということで レトロなファッションに車
それにあわせたザラついたフィルム どこか突き放したようなバルセロナの街並み
音楽も凄くよかったし 映像もスタイリッシュでカッコよかった

宣告~執行に至るまでのシーンも まわりではそういう行動を起こすのか?
そして 作業人+執行人登場 その全ての過程にもかなり驚いた
思わず息をする間もない つばを飲み込む終盤だった

原因は何であれ 過程が大事 
ずしっとした骨太さと ぴしっとした真摯さが光る映画だった
骨太ラテン系 繊細で力強い!

今日の映画:82点
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by acine | 2007-11-25 23:03 | España  スペイン映画
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凄い映画を見た・・・!の一言

ミステリアスで残酷なのに テンションが物凄く高い 
その一瞬一瞬が 常にクライマックス状態で
常にドキドキする展開で とにかく強烈  
久しぶりに見終わって 茫然自失な映画だった

とにかく冒頭から スクリーンに釘付け!
こんなタイプの映画 見たことないかも

北イタリアのトリエステに現れた 自称ウクライナ出身の謎の女 イレーナ
妖しげなフラッシュバックの場面 ミステリアスでスピーディで
力強くドキドキするようなエンニオ・モリコーネの音楽
 
得体の知れない女でありながら 強い決意を秘めたイレーナが
華麗な装飾が施された美しく どこか孤独を感じるような
トリエステの街を彷徨うシーン そして掃除婦から家政婦へ・・・ 
一体 彼女はどうしてそこへ潜り込んだのか?
何故潜りこまねばならなかったのか?

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演じるロシア出身の女優 クセニア・ラパポルト
聡明な瞳はどこかケイト・ブランシェットを連想させ
スラブ系独特の透明感のある美貌とどこか漂う暗さを持っている
彼女の演技や佇まいは 謎の女イレーナそのものだった

段々と謎解きがされていき ははーん そうか!と 気付き始めても
ドキドキ感は全く失われず テンションも全然下がらない
これを延々見続けてたら 高血圧か心臓に負担がかかりそうな
くらいの濃さだ そして同時に存在する芸術性の高さも凄い

人間の残酷さ・悲しさ・哀れさ イタリアに潜む富むヨーロッパの闇
段々と明かされるイレーナの過去
どうやって彼女はイタリアに流れ着いたのかわからないけど
ただのプターナじゃなくて あれがホントだとしたら
ただの日本人は 呆気に取られて見てしまうだろう
それほど彼女達の生活は壮絶で こんなの死んだ方がマシだと思う
私も唖然として見てたけど・・・ 

それなのに 単なるお涙頂戴には全く終わらない
涙は出ない ラストが・・・というキャッチだけど 
正直ラストよりそれまでの過程の濃密さったらない

子供の描き方だって ハリウッドだったら絶対NGだろう
子供を甘やかさない 子供の着地点だって決して安堵できない
そんな子供テア役を演じた子もすごく達者だった
演技も自然で底力があり ハリウッドの子役より 数倍格が上という感じ

独特の力強さ そしてこのドラマティックさに圧倒された
いやいや 凄い映画を見たなぁ・・・と 呆然
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同じように 子供が出てきて 子守唄や母性がモチーフというと
パンズ・ラビリンス もダークで残酷で 素晴らしかったけど
この映画も甲乙つけがたく素晴らしかったと思う
個人的には こっちの方が より強烈だったような気がする 
地獄と天国 どちらが救いがあるのか?という 感じがするけど
この救いようのない強烈さと悲しさ どこかホっとする瞬間もちらり
ラテン映画がとことん描く 人間の陰影・残酷さ
強烈すぎるエモーショナルさや愛情表現
なかなか他の国では真似できないと思う だからラテンものは辞められない

この映画・・・ 
5年前に行ったことのある トリエステの街が舞台ということで
だったら見てみようか・・・ 位のきっかけだったけど 
こんな凄い映画だったとは・・・!と 驚きの色が隠せない私

この映画の監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
海の上のピアニスト マレーナは見てるけど 
この監督は どこか残酷で 夢だけは絶対見させてくれない
前者はよかったけど ちょっと作りこみすぎが鼻につく・・・
後者はこの映画と同じように 暴力シーンもキツいし 
後味悪くて あんまり好きじゃなかった・・・
この映画は そういうシーンがあっても 心底凄い!と思った
この力強いテンションは誰ばれ真似できない しかもこんな題材で

とにかく強烈 エモーショナルすぎて テンション高すぎるのに
凄いとしか言いようがない映画だった
映画なのに 事実は小説より奇なり という感じ 
これは傑作!

今日の映画:84点

11/24追記

”パンズ・ラビリンス”より凄いかも・・・と書いてましたが
その場の衝撃度でいうと この”題名のない子守唄”の方が上
だけど あとでジワジワよりくるのは”パンズ・ラビリンス”の方
何にしろパヒュームと並び 今年のダーク・残酷系ではこの3作肩を並べるでしょう
何にせよ ハリウッドでは絶対作れないタイプの これぞ映画!的ダーク系映画

トリエステ 写真館
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by acine | 2007-11-20 23:17 | Europa  ヨーロッパ映画
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ポスターの通り ’06年ベネチア国際映画祭で
金獅子賞(グランプリ)を取った作品

三峡ダム建設で沈み行く街を舞台に そこにやってきた男・女
そこに暮らす人に焦点を当て 現代中国も映し出す文学系映画
ストーリー:eiga.com

一言で言うと・・・渋い そして地味な映画だ
美男美女が出るわけではまったくない
娘に会いたいがために家を出た妻を捜す主人公の中年男は 
いつも上半身は裸かランニング 下半身だってズボンかパンツだ
そして 夢のあるストーリーでも ハラハラドキドキするストーリーでもない
時代や国に翻弄されながらも 地道に生きる人々の姿を淡々と描いた映画

取り壊しの決まった建物を黙々と壊す 日焼けで黒光りする上半身裸の男達
安宿を経営する老人 いなくなった妻と娘を探す男
そして旦那を探す女 チョウ・ユンファ気取りの若い男
兄の借金を返すために 働く主人公の元妻・・・

映し出されるのは そんな普通の人々 
どちらかというと慎ましく生きる 底辺に近い人たちの姿

船でついた早々 商売気のある人間が 主人公の男を取り囲む
何でも ○元!○元!という 商魂逞しさにはちょっと唖然とする
レトロでいて 携帯電話を使いこなす 劇中の人々
昭和初期(って知らないけど)を思わすような バラック的な住みか
大の男がギューギュー詰めになって 麺をすする場面・・・
突然 大人びた流行歌(まさにそういう雰囲気)を歌いだす子供
妙にシュールなシーンも交えつつ 演技というより 
その辺の人々を描いたドキュメントっぽい作りがする
中華圏らしい ご飯をかきこむシーンも一杯

えげつなく 健気に そしてマジメに 人生を恨まず
長江という大自然と向き合い共存する人々の生活・・・
人生も生活も上手くいかなくとも 淡々と地道に生きていく姿が
印象的だった そして豊かな水を蓄える美しい長江の風景も・・・

こうして 人間は生きていく 生きていかねばいけない・・・という事実
もうすぐ沈み行く街 その悠久の時を刻む長江と共に・・・

そして 劇中あちこちで目にした
第三期工事での水位のラインと数字も印象的だった
自分が今住んでるそこがいずれ川の底へ沈むなんて
なかなか想像がつかない世界だ・・・

たまにはこんな静かで 叙情的な時間が流れる映画もいい
地味だけど 不思議と飽きなかった

監督の賈樟柯 ジャ・ジャンクーは まだ30代後半というのが嘘のような
落ち着き払った 名匠のような映画を今回撮ったのには驚いた

彼の前作 世界 を たまたま私は見てるんだけど
この時は まだまだ発展途上だなという感じが否めなかったのに
この短期間で この達者な作りこみぶり・・・えらい成長振りにビックリした

今日の映画:75点

廃墟となったマンションの部屋にジェイ・チョウのポスターが貼ってあったり
TVの画面に挽歌のチョウ・ユンファの姿は 中華圏ファンには楽しかった(笑) 
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by acine | 2007-11-13 17:34 | China 中国映画
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ジェラルド・バトラーの日本未公開作

西暦500年頃の北欧(デンマーク)を舞台にした
英雄ベオウルフのファンタジーアドベンチャー 
彼が主役でなかったら ほとんど興味のないジャンルだ

ただし壮大なのは 景色だけのようで 
登場人物 登場する世界は 意外と狭いちんまりしたファンタジーかも?
ストーリー:amazon

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ここんとこ アイスランドで撮った映画が 妙に続いてる私
  スクリーミング・マスターピース スターダスト
それにしても 地の果て 海の果て 地球創世記のような
この世のものとは思えないような アイスランドの自然には圧倒される・・・
とても原始的で こういう神話的な世界が 現代でも撮れるというのが凄い

映像を見ながら アイスランドにもいつか行ってみたいな~
こんなところを彷徨ってみたいな~とぼぉーっと思う 
実際はあんなところウロつくのは凄く大変そうだけど・・・(笑)
そして 寒いのは嫌だから 季節のいい時に限る!という感じ

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いつもながら体格良くて 威風堂々 
長髪・髭 甲冑に アザラシ?セイウチ?の毛皮をまとった
英雄ベオウルフ役のジェラルド・バトラーは こんなムサい系コスチューム系もよく似合う
普通の男もいいけど さすが王様俳優 王様だの英雄だのが なんとも板につく男
単にムサいだけでなく ハンサムで演技も上手い いつもながら男前だ
長髪をなびかせ崖に立ってるだけ 馬から降りて近寄ってくるだけ・・・で充分絵になる
これが上背なかったり ひょろっとした俳優じゃ こんな重装備サマにならない
上背がある&体格いいというのは ほーんとに得だな とこの人を見てると思う
この映画では 若干腹出てますか~?って感じだけど まぁそれは許そう(笑)

魔女役の赤毛のサラ・ポーリーは上手い!
持ち味のクールな味わいのなかに 人間くささも覗かせ
お互い惹かれていく ベオウルフへのあしらいも 押して引いてクールでよろしい!
誘われ近寄ったら ペチンと平手打ちをくらわされたり(笑)
こういう芯の強い女に弱みを握られてそうなのも 愛嬌な王様俳優G氏

というストーリー無視 雑感のみですが 
地味ながら 堅実な北欧神話・・・という感じでありました 

それにしても あの○い女は何者?!
グレンデルの母? グレンデルの姉妹?
まさか サラの娘じゃないよな?と一瞬ドキっとしました

今日の映画:72点
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by acine | 2007-11-07 13:04 | Inglaterra イギリス映画
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うさんくさいと思って 見逃していた ボウリング・フォー・コロンバイン 
それが 思いのほか面白かったので こちらも鑑賞
見栄えのよさそうな映画優先してたから(笑) 今頃になってしまった

マイケル・ムーアは ここでもあくまでもストレート 
疑問に思ったことは 何故何坊やのように ズンズンと追いかける

スレた大人には すっかり忘れてしまったような 
子供の なぜ?どうして?という心が この太ったアメリカ人には
今でもピュアに宿っているのが うらやましくもあり 呆れたり・・・
でも それが凄くストレートで まずそこに感嘆してしまう 

先進国で唯一国保のない国らしい アメリカの医療の実体には唖然とする

公的保険がないから 個人的に保険会社と契約を結ぶ
無保険者には 余りにも高額すぎる治療は受けれない故
切断した指2本のうちの1本の接合を諦めたり
治療代がかさみ家を売り出すしかない夫婦
契約はしてるものの 契約してる病院へ行けと言われ
高熱を出した娘は息絶え 臓器移植が保険会社から
認められなかったため 命を失った旦那
果ては治療代が払えない患者を道端に置き去りにする病院

そういう酷い目に会うアメリカ国民の姿にもビックリするが
保険会社の歪んだ背景にももっとおぞましいものがある
保険金を出さないように努力した保険会社の審査医には
どんどんよい給料・ポストが与えられる
後に証言していた医者は ”自分が不可とした人で
死んでいった人がいる なのに私は何も罰せられない”
そして 保険金を出さないように 過去の病歴を徹底的に調べる人間たち

根本から間違ってるとしか思えない
甘い汁を吸うだけ吸う奴はのうのうと暮らし
末端の罪のない人々が地獄を味わう

それが耐えられない・・・とその仕事から抜け出し
証言したり インタビューに答える人たち

ここまでの有様でないとはいえ 自分達の立場に置き換えれば
いつ こういう風に制度が破綻してもおかしくない・・・
歪んでいってもおかしくない・・・と思うと 空恐ろしいものがある

川一本アメリカから隔てたカナダ
そしてイギリス フランス キューバの状況を見ていると
かなり美化・誇張してる部分はありそうだけど ずいぶんマトモに思える
あくまでも人間ありきだからだ

こういう状景を見ていると その国の医療事情を知らずに
旅先でうっかり怪我したり病気になると えらいことだ 恐ろしい!

インタビューに答える人たちの穏やかな表情 達観ぶり
街行く人たちの姿を見ても ビックリするようなアメリカ人の
太り方のような太り方をしてる人は余りいない

医療はあくまでも人のため 
医師もあくまでも人のためにあるという 
当たり前のことがそのあたりの国では当然のごとく行われている
医師・患者の立場が当たり前の形で存在している
そして本人達もその状況をよく理解している

それに驚きが隠せないアメリカ人 そしてそれを傍観する日本人
日本だってこの先どう転ぶかわからない・・・

劇中でイギリス人?がコメントしてたけど 
政治?国のあり方?には 2つあって・・・

*国民に 自由・教育・健康を与えない 
 そして怯えさせて 国に服従させる

*もう一つはその反対 その3つを与え 
 国民が国を自由にさせない 国が国民を怖がる

どっちが健全か?というと わかり易すぎる位明らかだ
人間が人間らしく生きることが出来る国・・・
私も来世はそんな国に生まれたい

全世界で見れば 充分恵まれてると思える日本だけど
何もかもが中途半端な国になってしまったような気がする
同じ日本なら もっと日本の美徳 日本人の美徳が
残ってる時代に生まれたかったなぁ・・・と思うこの頃

終盤のグアンタナモへ突撃は あぁ!またやったか!M・ムーア!
うさんくささ満点だけど キューバの人たちの接し方でかなり救われた

グアンタナモ 僕達が見た真実 を見てたので 
国民より囚人の方がよい医療を受けている・・・と言ってたけど
罪のない人が自由を失われているというケースもありそうなので
この彼の吼えぶりが正しいかどうかは???だけど・・・

ここまで堂々と主張して よく話題になってるように
アメリカ国内で 彼の身は大丈夫なんだろうか?と
思わず心配してしまうけど いい意味で とても愛国心の強い人なんだと思う

エンドクレジットを見ていると・・・彼の突撃ドキュメントは
まさに彼のアメリカという国への愛情の裏返しのような気がする
驚きとどよんとしてしまう事実ばかりの中に ほっとする瞬間だった 
それにしても嫌でも考えさされる内容だ

同じく エンドクレジットにて
 
”毎日 フルーツや野菜を食べて 歩こう!” 当ってる 

今日の映画:80点

今思えば このタイトル
病気をKOするか? 病気にKOされるのか?
それとも その他の見えない何かに病気はKOされず
人間がKOされるのか? という感じがする
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by acine | 2007-11-04 22:43 | Estados Unidos 米映画