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簡単に覚え書き 映画メモ 美しすぎだろ リリーちゃん


by acine
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タグ:ロード・ムーヴィー ( 50 ) タグの人気記事

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ポスターの通り ’06年ベネチア国際映画祭で
金獅子賞(グランプリ)を取った作品

三峡ダム建設で沈み行く街を舞台に そこにやってきた男・女
そこに暮らす人に焦点を当て 現代中国も映し出す文学系映画
ストーリー:eiga.com

一言で言うと・・・渋い そして地味な映画だ
美男美女が出るわけではまったくない
娘に会いたいがために家を出た妻を捜す主人公の中年男は 
いつも上半身は裸かランニング 下半身だってズボンかパンツだ
そして 夢のあるストーリーでも ハラハラドキドキするストーリーでもない
時代や国に翻弄されながらも 地道に生きる人々の姿を淡々と描いた映画

取り壊しの決まった建物を黙々と壊す 日焼けで黒光りする上半身裸の男達
安宿を経営する老人 いなくなった妻と娘を探す男
そして旦那を探す女 チョウ・ユンファ気取りの若い男
兄の借金を返すために 働く主人公の元妻・・・

映し出されるのは そんな普通の人々 
どちらかというと慎ましく生きる 底辺に近い人たちの姿

船でついた早々 商売気のある人間が 主人公の男を取り囲む
何でも ○元!○元!という 商魂逞しさにはちょっと唖然とする
レトロでいて 携帯電話を使いこなす 劇中の人々
昭和初期(って知らないけど)を思わすような バラック的な住みか
大の男がギューギュー詰めになって 麺をすする場面・・・
突然 大人びた流行歌(まさにそういう雰囲気)を歌いだす子供
妙にシュールなシーンも交えつつ 演技というより 
その辺の人々を描いたドキュメントっぽい作りがする
中華圏らしい ご飯をかきこむシーンも一杯

えげつなく 健気に そしてマジメに 人生を恨まず
長江という大自然と向き合い共存する人々の生活・・・
人生も生活も上手くいかなくとも 淡々と地道に生きていく姿が
印象的だった そして豊かな水を蓄える美しい長江の風景も・・・

こうして 人間は生きていく 生きていかねばいけない・・・という事実
もうすぐ沈み行く街 その悠久の時を刻む長江と共に・・・

そして 劇中あちこちで目にした
第三期工事での水位のラインと数字も印象的だった
自分が今住んでるそこがいずれ川の底へ沈むなんて
なかなか想像がつかない世界だ・・・

たまにはこんな静かで 叙情的な時間が流れる映画もいい
地味だけど 不思議と飽きなかった

監督の賈樟柯 ジャ・ジャンクーは まだ30代後半というのが嘘のような
落ち着き払った 名匠のような映画を今回撮ったのには驚いた

彼の前作 世界 を たまたま私は見てるんだけど
この時は まだまだ発展途上だなという感じが否めなかったのに
この短期間で この達者な作りこみぶり・・・えらい成長振りにビックリした

今日の映画:75点

廃墟となったマンションの部屋にジェイ・チョウのポスターが貼ってあったり
TVの画面に挽歌のチョウ・ユンファの姿は 中華圏ファンには楽しかった(笑) 
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by acine | 2007-11-13 17:34 | China 中国映画
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’04 カンヌ映画祭で マギー・チャンが最優秀女優賞を取った映画
そんな映画があったな~と思いつつ 日本未公開のままだったっけ?!

何を隠そう 私はマギー・チャンが大好き! 
私の中では 東のマギー 西のケイト 女優版横綱だ 
ラブソングで 彼女のことが大好きになり
HEROで トニー同様 彼女の凄さを再認識
姐御マギーに比べたら ツィイーなんて単なる小娘だ 
マギーには どこまでもついていくわ!と思った

監督は この映画の撮影中に彼女と離婚した オリヴィエ・アサイヤス
彼女と知り合った仏映画”イルマ・ヴェップ”も公開当時見た・・・

その映画の記憶・・・
黒いピチピチのビニールスーツ姿のマギーと
街同様 フランス女優の乾燥気味の肌の質感と比べて
アジアの湿気をまとった マギーの保湿力のある美しい肌感が印象的だった
モノクロの映画だったと思うけど 肌の質感の違いをよく覚えている・・・

(面白くなさそうな)ニック・ノルティが共演? 
(ぶっ飛んだ)ベアトリス・ダルも出る? 
ミュージシャンの夫がいて 薬物中毒だって~?!
どうなのよ?と首をかしげるキャスティング&設定・・・ ストーリー:コチラ

製作国に名を連ねる通り カナダ、イギリス、フランス、(最後アメリカ)が舞台
なので マギーも英語、フランス語、広東語を駆使しての演技

香港の女優だけど イギリス育ち 元旦那はフランス人ということで
見た目は 思いっきり中華的なルックスをしてる彼女だけど
そのコスモポリタンな背景 年を経てもスッキリとスマートな体型
女優としても ワールドクラスの演技力を持つ故
西洋が舞台でも違和感なく よい意味での無国籍感を醸し出す

前にも書いたけど 東洋の女優の肌質感はとても瑞々しく
綺麗なので 正直 あんまり薬物中毒に見えなかったり・・・
ミュージシャンの妻役ということもあって 物凄く爆発した髪型だったり
するんだけど それは彼女の演技の何の邪魔にもなってない
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正直 マギーの演技は地味目かもしれない 
彼女としてはこの位は余裕 平均的なアベレージだと思うけど 
設定からすると 何も別にこの役を東洋人の彼女がやらなくてもいい
普通だと西洋人がやった方が違和感ないはず・・・だけど
その役をあえてマギーが演じることで こういう異国で
孤独な女が生きているという 独特の色合いや
リアルさを出すという点では マギーを起用して正解 
別れたとはいえ 元旦那の視点は的確にマギーを映し出す

それはさておき・・・
正直 どうなのよ?と思ってた ニック・ノルティ
まさか旦那じゃないよな?と思いきや 義理父で一安心したものの
登場シーンから このオッサン大丈夫?!ってな印象だったのに
彼の役が朴訥と淡々としながらも 彼の役・演技は凄く良かった 

旦那を失い 子供とも一緒に住めない 
友達にも恵まれてるのか そうでないのかわからない
 (ダルは意外にも 普通のいい友達だった・笑)
なかなかドラッグからも抜け出せない・・・
殺伐としかねないマギーの生活や 子供とも会えるように
嫁をよく思わない妻に内緒で 嫁のマギーに
さりげなく手を さっと差し延べる 行き過ぎず
程よいそのさじ加減が絶妙な義理父を好演

なかなか上手くいかない カナダ~フランスでのマギーの生活
そして カナダ~イギリスでの義理父一家の生活
父を殺したのは 母だと思ってる 小さいながらも利発でシビアな子供
だけども 自分の母親には間違いない 
反発しながらも 一緒にマギーとアメリカへ行こうとする・・・

そのあたりが ヨーロッパ的視点で 淡々と自然に描かれていた
派手なお涙頂戴や 感動ものでは全くないけど
こういう静かな人間再生・人間浄化の映画もいいなと思った 

なんともうら寂しいカナダの風景 
人は多く賑やかで華やかで 生き生きとしてホッとするパリの風景
でも 孤独な人間はどこにいようと孤独 
そんなに自分を簡単に変えれるもんでもない・・・
そんな人間と 街の持つ空気感が印象的だった 

今日の映画:76点
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by acine | 2007-08-28 15:23 | Francia フランス映画
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西洋と東洋の間に位置するトルコ
いろんな文化が混ざり合い混沌とするイスタンブールを舞台に
今のトルコ音楽を追ったドキュメント 監督はトルコ系ドイツ人
 
ドイツ人ミュージシャンがナビをするというのは
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 風味
キューバのハバナを舞台にしたこの映画もサントラも大好き
 
こういう音楽系 しかもエスノ系 そしてロードムーヴィー
個人的には外すわけにはいかないジャンル!
しかも トルコ・モロッコ・メキシコは 個人的にも
いつか行ってみたい 憧れのエキゾチックな国ベスト3なのだ
土着的で 奥が深そうで 物凄く面白そうだけど 危なそうなのが玉にキズ  
でも いつかは行きたい・・・!と夢見ている国たち 

うーん これはワールド系好きには たまらない世界かも
派手さはないけど イスタンブールの街の風景や ミュージシャンの佇まい
今風の音も取り入れつつ 地理的に近いヨーロッパからの影響
だけども彼らが身近に感じるというアジア そしてアメリカへの憧れ
アラブ風、インド風、 アジア風、ジプシー風、ヨーロッパ風、アメリカ風 
さまざまな材料が 様々な組み合わせで料理されてる音
耳新しい(全く意味がわからない)トルコ語の響き・・・とても新鮮だった

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どのミュージシャン&曲も印象的だったけど 予告編 *音出るので注意!
個人的に一番おぉーっ!と思ったのは Ceza
トルコ版ラップ 圧巻! エスニックな香りも漂って 
まるでお経みたいで 洗脳力が凄い Ceza - Holocaust  *音出るので注意!

あと演歌の香りがしないでもなく その歌詞に思わず笑えたけど
楽器の音色がなんともエキゾチックな 往年のおっさんスター
(その存在は まるでインドのスターのようだ)も◎
路上で演奏を続けるバンドの 舗道の石にだって記憶はある・・・
という なんともロマンティックで詩的な歌詞もよかったし
あとトルコの古い音楽に魅せられるカナダ人女性の歌もよかったし
クルド語の挽歌を歌うトルコ人女性 往年の女性スターの波間を漂うような歌も・・・

ヨーロッパ風でもあり モスクも一杯
建物だけでなく 文化や歴史が 幾層にも折り重なった 
独特のイスタンブールの街並みの美しさと猥雑さをバックに
曲も魅力的だけど その歌詞やミュージシャンの会話を見ていると
ヨーロッパとアジアの間に位置し 長い歴史と文化 さまざまな民族が
行き交う場所に生まれ育った人間ならではの世界観がある

我が物顔のように 自分達が一番!ではないけど
こんな場所から こんな風に世界を見ているんだという視点 
明確なメッセージや誇りが感じられる そのバランス感覚はよさそうだ
様々な民族が行き交った場所だけに 登場する顔立ちも様々なのも興味深い
そういう土壌や歴史が 音楽や生き方にも全て反映されてる感じ

映画内の人々は 限られたごく一部の人たちなので
それが全てのトルコ人を代弁してるわけじゃないけれど
こういうシーンを見ていると・・・ 

単一民族で 島国で育った人間には 到底身につかない
世界感やら価値観やら考え方がまた生まれるんだろうなぁと思う 
いつか こういう民族が行き交う場所に生まれてみたいなぁ・・・
こういうものに惹かれるというのは いつかの前世で
自分はそういう場所にいたのかもなぁ・・・?なんて思ったりして

なんとなくナビ役のドイツ人の存在が 中途半端なような気もしたけど
普段 なかなか味わえないトルコの音楽シーンや
街の風景が垣間見れ 心地よい時間だった

今日の映画:79点
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by acine | 2007-08-07 10:54 | Alemania ドイツ映画 
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ロンドンのイーストエンドのワーキング・クラスの家に生まれ
60年代にデビューした スモール・フェイセズ~フェイセズ~ソロに転向した
ブリティッシュロック界の影のヒーロー ロニー・レインのドキュメント

ロニー・レイン 名前聞いたことあったっけ?!
さすがに活躍していた頃は全く知らない・・・
だけど そのバンド名やら フェイセズにいたらしいロッド
(スチュアート これも知ったのはソロ時代)も出るらしいし 
こういう 当時の裏ネタや背景を見るのは面白い
音楽ドキュメンタリー好きなので 見ておこうかなということで・・・

売れてる時代も お金に執着せず 音楽好きで自然体
ただただ音楽と 自然な生活に魅せられた 
ロニーの人のよさそうな顔つきと 人懐っこい目が印象的だった 
陽が当ってるような そうでないような 彼の音楽人生を辿るドキュメント

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スモール・フェイセズ ↑
若くて可愛い面々だが やってる音は全然古臭くなくて 今聞いても凄く新鮮
スティーヴ・マリオット(名前だけは知っていた)って こんな人だったんだ
そしてこんなvo だったのね~  そして主人公のロニーはベーシスト
登り調子で とにかく若くて楽しそうな姿と 音の達者さが印象的だった

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フェイセズ ↑
脱退したS・マリオットの代わりにロッドとロン・ウッドが加入
華やかでブルージーでソウルフルなロッドのvoに ロックテイストも濃い感じ
こっちのバンドでは アメリカツアーも行い その楽しそうな雰囲気も
フィルムに納められ 段々とロッドばかりに注目が集り 
バンドのバランスが崩れていく・・・ ありがちなバンドの宿命的光景も

それでも 根っからの音楽好きは変わらない
そして 彼は その時々の妻の影響も大きく受ける・・・
トレーラーを買い 田舎の家を買い 仲間と原っぱでセッション
大きなテントでの巡業 アメリカに渡り 自然と共に暮らし
母と同じ病気になり 自然に受け止め 大地へと戻る・・・
彼の言葉 ”人生は短編映画みたいなものだ” と言うとおり

前半の若い頃の映像は 生き生きと楽しく
中盤~後半は ロニーの人生同様 落ち着いた感じ
音楽映画にしては 静かでほのぼのとしてピースフルな感じ
このあたり BBCが協力をしてるらしく 堅実で地に足がついた作り

音楽ドキュメントらしく 終始流れてる音楽が 知らない曲でもとても心地いい
フェイセズ関係のも凄くいいけど ソロになり 自然体雰囲気そのままの
彼の温かい歌声がなんとも心地よくて 思わずところどころで
居眠りしてしまったくらい (疲れ気味のレイトだった・笑)

あと60、70年代のファッションや髪型も カラフルで楽しい!
センス悪い一歩手前なのに 何故かカッコよかったり
インドの教祖?に傾倒したり ドラッグ 原っぱで皆でいたり・・・
本能のままに かつ自然に生きてて 楽しそうな時代だ
音楽もファッションも生活スタイルも 実体験できてたら楽しそうだ
特にこの時代のイギリスは面白そうだと思う

地味めのドキュメントだけど 心地いい時間だった

今日の映画:73点

※映画とは無関係の ファッション関係のTBが
  入りまくるので この記事のみTB禁止にしてます
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by acine | 2007-07-30 11:50 | Inglaterra イギリス映画
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サン・ジャック? 聞きなれないな~と思っていたら フランス語だから
スペイン語では かの有名な ”El camino de Santiago” のこと
スペインの北西部にある カトリックの三大聖地のひとつ
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道
この映画で描かれるのは フランス~スペイン ピレネー山脈越えのルート

スペイン好きの私は 何冊かサンティアゴ巡礼の本を読んだことがある 
歩きは無理としても いつか旅したい・・・と夢見る地方なのだ 
ただ 私は巡礼もいいけど もう少し海側のルートで 街歩きと美味しい旅がいい!
スペインの北部は美食で有名 美味しいものだらけらしい・・・のだ(笑)
あとはロマネスクの教会見たり ゴシックの教会の回廊をフラフラしたい・・・

な~んとなく 穏やかな巡礼の旅だろう・・・と思っていたら
ところがどっこい タダじゃ転ばない・・・おフランス映画!!!
やってくれます 思いっきり予想を覆してくれることよ(笑)
冒頭から えっらくテンション高く 大人気ないおフランス人中年兄弟の登場 
喋くりまくるわ! うるさいわ! 見てる方は まずは呆気に取られてしまう 

会社の社長で 経済的には豊かだが アル中の妻を抱える こうるさい長男
ガンコものの高校教師で 融通が効かず 現実主義で可愛げない デブの次女
無職でアル中 妻から見捨てられ 誰や彼やに酒代をせびる 情けない次男
急死した母親の財産を相続するために 母親の遺言どおり
嫌々 3人で巡礼の旅に出ることになる・・・

情けないけど 仙人のようで なかなか面白い次男はいいとして
こうるさい長男&ガンコな長女には 出発前からウンザリ 
そのうち 集合場所の駅には これまた 濃い旅の道連れが集ってくる・・・・
ギャル2人 何故かメッカを目指すと思ってやってきたムスリムの少年2人
謎めいたスキンヘッドの女性 そして 頼りがいのあるガイドのギィ

大人気ない兄妹がいい年して 取っ組み合いのケンカを始めて
この旅は一体どうなるんだろう?!と 先行き不安になるけど
このテンション高く毒舌一杯 自由気まま その一行の行動に
呆気にとられ 苦笑しつつ 笑ってるうちに こっちもすっかり
このテンション&リズム 珍道中に巻き込まれるのだ

大自然の中 とにかく歩く・歩く・歩くだけ
たまに食事 そして休憩 夕方には宿泊所 その繰り返し

道中 文句を言いつつ 恨み言を言いつつ・・・
お互いをうとましく思ってる兄弟 カップルが出来かけたり
お互い腹の探り合いったり 宗教は違えど ムスリムの少年達との触れ合い
時には親しく 時には個人主義 距離の取り方や 年代や背景が違えど
人間として付き合う そんな関係は 日本人とは違ってて面白い

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各々が あれこれの邪念・雑念を持って出発した旅だけど
いらない荷物を捨て 苦しい中歩き続け 励ましながら歩いていく間に
あんなにテンション高く 濃かったメンバーも 段々シンプルになってくる
邪念・雑念が取り払われ どんな人間も だんだんと純粋になってくる
そして ぎこちなくも 段々と近くなる関係 遠くなる関係 人間模様いろいろ
恋も芽生え 恋も破れ そして 同じ釜のメシを食った仲間としての団結感も 

こうるさいメンバーだな・・・と 思ってた彼ら
時には岩場で休憩し 川に足をつけて 大自然を眺めていると
こっちも一緒に苦労を共にしてるような気分になるのが不思議
うっとおしいな~と思ってた一行にも すっかり親しみが湧いてくる
時折はさまれる夢の情景(?)も シュールで面白かった

美男美女はいない 有名俳優を使ってないのも 新鮮でリアルでいい
(フランス映画に詳しい方には おなじみな人たちなのかもだけど)
こんなフランス人一行 巡礼の道にいるかもな~と思わせるのもいい
単に街から街へというより 人間関係・その心の変化にウエイトを置いた映画

もう少し美しい景色や街並みも楽しみたかったような気もするけど
こんな本能丸出しの巡礼の旅も 正直でいいじゃないか・・・と思う
ただし・・・自分が行くなら もう少し静かに旅したい
あのテンションじゃ 絶対疲れる・・・!(笑)

おフランス巡礼映画 予想とは全然違ったけど
この強烈なテンション&リズム 嫌気がさしつつも 面白くて
後味も清々しいという 意外な転調もよかった

今日の映画:77点
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by acine | 2007-07-23 22:24 | Francia フランス映画
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ブラジルの青い空と 家族の瞳 そして音楽 
決して恵まれていないだろう環境の中でも
生き生きとした眼と素朴さが 印象的なブラジルの人たち
ラテンの人たちの濃くて情熱溢れる 家族愛と音楽愛が溢れた1本

ブラジルの国民的人気デュオらしい
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの半生をモデルにしたストーリー
音楽監修:カエターノ・ヴェローゾと 実はすごく豪華!

小作人の父親は 息子達をミュージシャンに育てたい!という
熱意の余り あの手この手で 音楽好きになるよう仕向け
子供や奥さんや 家族全体を巻き込んでいく・・・

その姿は 家族として見れば いい迷惑でもあり
かつ無鉄砲でおかしい 息子をミュージシャンに!と
楽器に生卵に・・・と 信じてやまない信念も微笑ましい
いかにもラテン的で 情熱的で家族を愛する父親
そして 次々と子供を産みながら 家族を支える母親
二人の子供を見つめる暖かい眼が 何とも印象的だった

そんな強引な父親に 引き気味だった息子たちも
長男はアコーデオン 次男はギターを 買ってもらい
父親の熱意が伝わってきたのか 徐々に音楽に興味を示しだす
家族を助けるには 僕達もやらなくては・・・!
そして自分達も音楽に魅せられていくというくだりが
わかりやすく直球型で のし上がりストーリーの王道 

この息子達を演じた 子役2人がとっても可愛くて
まっすぐな瞳 生き生きと かつナイーブな演技が凄く良かった 
そして歌(本当に歌ってるのかは?)も凄くいい
親から離され 怪しげなエージェントに連れられての興行は
絶対怪しいよ!このオッサン!ロクなことないよ!と思いつつ
思わず この子達の行く末にちょっとハラハラしつつ見てしまう

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貧しいながらも 緑溢れる大地 どことも違う
南米ならではの 青く広がる空が 何とも印象的 
親子の演奏風景 車に乗って移動する彼ら・・・
音楽映画でもあり ロードムーヴィーでもある
そして 人生のロードムーヴィーでも・・・

途中 悲しい出来事が起こったり 音楽でも挫折を味わい
何事も上手く行くわけじゃない まさに人生山あり谷あり
だけども ラストでは 両親と共にステージで歌う 息子達の姿
他人が見たら 呆れる父親かしれないけど 信念は見事実った
幸せな親に 幸せな子供達 紆余曲折があってもこんな風に
信じあえる家族は うらやましいと思う 

父フランシスコだけではなく 母エレナの功績も大きい
個人的には ”フランシスコとエレナの2人の息子”
というタイトルが 正しいと思うけど
父と息子という方が 絵になるんだろうなぁ・・・

子供時代→大人時代→本物 という登場具合
どうも大人になるにつれ 濃すぎて ん?という感じだったので
可愛い子供時代の2人に軍配! 可愛い二人だった

それにしても エンディングまで延々流れ続ける 
ブラジル音楽の心地よさは なんと気持ちいいものか・・・
その暖かさ 清々しさ 艶やかさが 優しげな響きの
ポルトガル語の語感とあいまって とても魅力的
スペイン語圏の音楽とはまた違う 柔らかさがあると思う

いろんな人種が集ったり 行き交う場所には 
いい音楽が生まれるんだろうな・・・と思う

音楽成り上がりストーリーの王道 直球型で大変わかりやすいけど
こういうラテン的要素が一杯なのも また目線が違って 素直に楽しめる

今日の映画:78点
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by acine | 2007-07-10 13:04 | Sudamerica  南米映画
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スパニッシュ・アパートメントの続編という位置づけのこの映画
前作は 私も大好きな街 バルセロナが舞台で
ハチャメチャで かつ後味のいい なかなか面白い映画だった 
続編はレンタルしようか?しようか?と思いつつ
なかなか見るチャンスなくて 今回やっと見れた!

あれから5年たち ロマン・デュリス演じる グザヴィエが
こんどはロシアでロシアン・ガールズに右往左往させられる映画?
と思っていたが テーマは前作そのまんま 少しは大人になったものの 
”優柔不断男グザヴィエの恋愛&自分探し やっぱり右往左往物語”という感じ
若くして自分の道決まってたら そりゃ立派だけど 30歳なんてしょせんそんなもん
今の時代まだペーペー 道が決まってない人間も一杯いて当然だ
ストーリー:コチラ

冒頭から 内容のあることから どうでもいいことまで
ブツブツと語りまくる 喋り捲る グザヴィエ始め 登場人物たち
やっぱりだわ おフランス映画くささは満点!

だけども くどい一歩手前で抑えて ウィットのすごく効いた展開
登場人物を程よく描いて 各キャラも程よく立っているので
かったるい時間帯もなく マイウェイが身上のおフランス映画にしては
バランス感覚 さじ加減が抜群にいい = すごく面白い!

前回は バルセロナ80% パリ20%
バルセロナの旧市街のアパート かなり密室劇に近かったのに対し
今回は パリ50% サンクト・ペテルブルグ30% ロンドン20%と
より舞台がバラエティ豊か 今日はパパーっとドーバーを電車で渡って
ロンドンで仕事 そして今日はパリにいる そしてこんどはロシア! 

スピーディに場面や街の景色がクルクル変わるのが
前回より変化があるので面白い 
サンクト・ペテルブルグとか見るチャンスなかなかないし・・・
前回同様 島国と違い ヨーロッパの国の関係や移動具合は
見ててとっても面白い そのグローバリズムぶりがうらやましい

とっちゃん坊や的 ロマン・デュリス 
前作も映画はよかったけど 彼は今イチ魅力に欠けたが
間で見た 愛より強い旅 での貯金もあるせいか 今回はなかなか魅力的だった

今思えば前作・・・25歳の割には 若いのか年寄りだったのか謎! 
若年寄くさい顔で 若気の至り・・・仲間達とはしゃぎまくり
パリのGFとバルセロナの人妻の間を行ったり来たり・・・
その優柔不断ぶりも納得いかない部分もあったのは確か
オドレイもジュディットも どうも個人的にはNG
今回の取り巻く女達の方がぐっと魅力的で可愛い

しかし・・・年を経ても このグザヴィエの優柔不断男ぶりは全開!
その辺はバルセロナ時代から ほとんど成長なくて笑える
傍から一部始終を見てるので あぁこの子にしておけばいいのに~!
せっかく上手くいってるのに 何でこの子と~!?
私がウェンディの友達だったら こんなヤツ辞めとけ~!と
告げ口してやるのに~という感じ(笑)

決して美男でもなく普通っぽい でも性格は悪くない
自分に正直 悪く言えば・・・自分に甘い よって優柔不断
まわりの女達は そんな彼を 妙にほっとけない
知らぬ間に 彼に関わっていってしまうのがおかしい
普通で優柔不断なのにどこか魅力的 
何故か 女友達のようにも付き合える男
そんな男をごく自然に演じてて ロマン・デュリスいい感じ
派手さはないし 男前でもないが 地に足のついたいい演技をする人だ

バルセロナ時代の友人達も あのウエンディ姉弟とか
次々登場するんだけど 内容やキャラ・・・うろ覚え
もう一回スパニッシュ・アパートメント近々見よう!

でも 映画自体は今回の方が上! 
バランスがよくて 程よく落ち着いてて テンポよく凄く面白かった!

今日の映画:80点
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by acine | 2007-06-16 10:13 | Francia フランス映画
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いやー 本当に面白いです! このシリーズ
その後も欠かさず録画 DVDも買ってもいいかな?と思う位

旅が進むにつれ ユアンは髪も髭もボーボーでまるで熊状態 ↑
逆にチャーリーは 何となく精悍になっていく

観光気分もあった 西欧~中欧編の後は かなりの過酷さ
時間も割いてる カザフスタン~モンゴル~ロシア編が圧巻
バイクで大陸を横断してみよう!と思いつき スポンサーやスタッフも万全
だけども ここまで過酷な旅になろうとは 皆思わなかったに違いない

素晴らしい大自然や人の優しさとは裏腹に 厳しい道が延々続く・・・
疲れ果て つい愚痴も出る でもそんな旅ができる自分達の
幸せも感じる・・・ 喜怒哀楽がよりクッキリと出たこの周辺が面白い

見たこともない これから見ることもないだろう
カザフスタン~モンゴル~ロシア編の大自然や人々との出会いが印象的 
モンゴルの人・・・日本人と本当によく似てるんだわ
そして 本当にパオで生活をしているのね~

舗装してない道 ぬかるみだらけ 泥だらけになったり
川を何度も何度も越えないと進めない道・・・ 全く気の毒な位
大型バイクならではの大変さ 長旅ならではの荷物の量が仇となる
街もない 人ともすれ違わない 頼みごとをしようと思い
車を停めたいけど 何時間待っても車は通らない・・・

泊まるホテルもないので テント&無人の小汚い掘っ立て小屋に泊まったり
サポート隊がいるとはいえ 自分でバイクを修理したり 
みんなでスコップ持って道を作ったり 補修したり・・・
まるで人気俳優とは思えない 自給自足のバイク旅
こういう 普通の人っぽく 逞しい旅が ユアンにはよく似合う

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大自然の中の 道なき道を進む二人
バイクは壊れ 自分達も怪我をし サポート車は大破し
破れかぶれにもなれず 地道に進むしかない・・・

落ち込んだり 喜んだり 疲れ果てたり ユアンとチャーリーコンビが絶妙
励ましあい 冗談を言い合い・・・ なんともいいコンビだ
明るいけど 細やかで繊細なところもあるユアンと
楽観的で 大らかなチャーリーが お互いを補いあってて
サッパリとした 麗しき男の友情が 何ともいい感じ

こんな大変だった ユーラシア大陸極東編のあとの
アメリカ大陸は 同じく雄大な自然があっても 道もよくモーテルもある
バイカーも一杯 こんな風景は ものすごく快適に見えて
現代文明 普段の生活も思い出してしまうだろう空間なのが 今イチ
だけど 過酷な旅の終盤には こんな気楽さもご褒美なんだろう

もう少しでNY到着だけども 個人的にはユーラシア大陸極東編がポイント高い
これぞ旅!よくやってるよ 二人とも!と  褒めてあげたいバイクの旅
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by acine | 2007-05-23 22:07 | documental ドキュメント
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ユアンがバイクで旅に出る という話は知ってたけど
今回初めて wowowにて 鑑賞中

何気なく録画し始めたら・・・ これがなかなか面白い! いや かなり面白い!
ロンドン~ニューヨークまで ユアン版 ユーラシア&アメリカ大陸横断の旅

親友と バイクで大陸横断というと 
ガエルがチェ・ゲバラを演じた 南米大陸バイクの旅
モーターサイクル・ダイアリーズっぽくもあり まさに実録ロードムーヴィー
ユアン達のバイクは高級バイクだけど!

基地となるオフィス開設 (ユアンは整理整頓好き!) 
バイク(BMW)やサポート車(三菱)を提供してもらう 
スポンサー探しや バイクに乗れるカメラマン探しから始まり
バイク・医療・護身術 行く先々での文化や言葉など
様々なレクチャーを受け 眼鏡をかけてヘルメットは
かぶれないので ユアンは近視のレーザー手術までする!
ユアンの故郷 スコットランドまで テント持参で予行演習しに行ったり
かなりオフレコ的風景まで潔く写し盛りだくさん この準備段階も面白い!
実は物凄く大掛かりなすごい旅なのに かなり驚いてしまう

素のユアンは 天真爛漫で 映画からも伺える性格のよさ
まったくの自然体で 気さくでとても可愛い
まるでその辺のニイちゃんだ 親友のチャーリーといると
まるで大きな子供が二人! 二人のキャラもよくなかなかいいコンビ
バイクでの旅に期待と不安に胸ふくらませる様子が楽しい  

今 3話見終わったところで イギリスを出発し 今ロシアに入国したところ
ウクライナでは もしやマフィア?の家に泊めてもらって
大歓迎受けたり 炭鉱に連れて行かれて地下まで潜ったり
有名人とはいえ なかなか国境を越えれなかったりしたり
思わぬ展開になるのが見もの これから ロシア、カザフスタン、
モンゴル、シベリアと 段々過酷になっていくはず・・・

有名俳優のバイク旅ということで 企画からして 資金十分
サポート体制十分だろうけど かなり過酷なのは間違いない
彼の行く先々の 風景 出来事 アクシデント etc・・・ これからがとても楽しみ!
ユアン好き ロードムーヴィー好き 旅好きには これはたまんない世界かも

こういう風景を見ると バイクでなくていいから 
違う世界を見に 違う空気を吸いに 旅に出たくなる・・・
自分が男に生まれていたら 絶対こんな旅がしてみたいと思う

なんと 彼らは今度は アフリカ横断の旅 
Long Way Down へ もうすぐ出発するらしい
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by acine | 2007-05-16 20:02 | documental ドキュメント
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個性豊かな監督&キャストのコラボがすごく充実
これは映画好きには たまんない一品間違いなし!
そして 旅好き パリ好き ヨーロッパ好きにもたまらないだろう

いろんな人間 いろんな人種 いろんな文化
いろんな人生 いろんな生活が行き交う
美男美女も そうでない男女も 老いも若きも 
ワインのように枯れた男と女にも 当てはまらない人にも 
パリの街のあちこち そこにいる人に一瞬スポットが当る
誰もがそうなれるか・・・のように

とても魅力的な短編たちの宝庫! 
さまざまなパリの街の断片や風景も本当に魅力的
味わい深いヨーロッパらしさ 異文化も溢れ 音楽もとてもよかった

短いからこそ 監督もキャストも より各人の腕の見せ所
美味しいところがギュっとつまって このテンポは心地いい

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個人的ベスト3

14区 
デンバーの郵便配達人が語る フランス語でのパリの旅の清々しさと充実感
異国で感じる楽しさと寂しさ そして旅先で気付くこと・・・
今度はここに生まれたい・・・わかるよ! あちこちで彼女に同感してしまう
恋に恋する少女のように その地に恋焦がれる気持ち その地に立つ喜び
感動を分かち合いたい 遠く自国を離れ 感じる一抹の寂しさ
異邦人ならではの旅先での気恥ずかしさ でもこうして自分は生きている・・・
あちこちで胸が一杯になってしまう一編 

12区 バスティーユ
”恋をする旦那”のふりをすることで 死期の迫った妻に再び恋をする・・・
泣かせるじゃあないか! I・コイシェの語り口の巧みさ&上手さが光る
地味ながら 思わず涙がじわ~ 淡々とした語り口がエモーショナル
トーク・トゥ・ハーコンビ・・・またしても! カマラくん見ると楽しいわ!

6区 カルチェラタン
ベン・ギャザラとジーナ・ローランズの 悪態つきながらも魅力的で
人間愛溢れる夫婦がいい感じ さりげなくドパルデューがウエイター

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これも好み&面白かった

10区 フォブール・サン・ドニ 
キャスト二人も瑞々しくてよかったけど トム・ティクバワールド炸裂が見もの
”ラン・ローラ・ラン”的 ドキっとする見せ方にワクワク

5区 セーヌ河岸
大好きな映画”ベッカムに恋して”のG・チャーダの 恋の予感ものがたり
キラキラとした彼らの笑顔と さりげない異文化交流&理解のくだりが印象的

7区 エッフェル塔
パントマイムがなんとも愉快 人間車のシーンは本当にユーモラス

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その他 気になったもの

4区 マレ地区
ガス・ヴァン・サントワールド 街中でもなぜかロード・ムーヴィー風
喋りまくるギャスパーくん すごく可愛いけど 何故にそこまで彼に固執する?!
というか 単に監督が ギャスパーくん好きなんだな(笑)

1区 チュイルリー
可哀想すぎるスティーヴ・ブシェミを 思わず笑ってしまう 狭い場所でよく撮った!

8区 マドレーヌ界隈
ハッキリクッキリした顔のI・ウッドは夜の闇にもクッキリ映える
血はいかにもニセモノっぽかったけど 彼女も凄く綺麗で 
今イチよくわからない設定だったけど・・・妙に見入ってしまった

13区 ショワジー門
アイニーさんは何者だったのか???だったし コンセプト???だったけど
アイニーだったか?ジュテームだったか 言葉がビルをこだまするシーン最高
階段を見上げるシーンなど C・ドイルらしい個性的な映像には満足

ワースト:20区 ペール・ラシェーズ墓地 
どうでもいいことを延々討論する英国人カップルの話
辛気臭いったらありゃしない! やっぱりE・モーティマー苦手だわ

全体的にはとても満足! 愛すべきオムニバス短編映画!

今日の映画:83点

個人的 パリ・ジュテーム
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by acine | 2007-05-05 00:16 | Francia フランス映画