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タグ:音楽映画 ( 41 ) タグの人気記事

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冒頭の画像の粗さが気になって
 (画素数の低い写真を 無理に大延ばしにしてる感じ)
こんな映像の粗い映画は見たことないわ・・・とちょっと唖然としたけど
その後はぐっと映画に引き込まれた

もっと音楽とダンスに焦点を絞った映画かと思っていたら
意外にも アルゼンチンの普通の人々を追ったものだった

かつてヨーロッパで踊っていた ダンサーのロベルト71歳
そのペアの20歳のマルセラは ダンサーとして もうすぐフランスへ旅立つ
そして全くタンゴとは関係なく もうすぐ出稼ぎのためスペインへ旅立つ主婦

この3人の姿を タンゴの音色と歌とダンスをはさみながら追っていく
気負いのないドキュメントという感じ

かつて 夢を抱いてヨーロッパからやってきた移民たち
仕事がなくて また祖先の国ヨーロッパを目指す
そんな意味が日本タイトルに現れている

独身を貫く 粋なジイさんロベルト 
酸いも甘いも噛み分けた なんとも伊達男な71歳  
資産を凍結されても しょうがないさ・・・で 
彼の楽観的で前向きで タンゴを愛する生き方は 本当に粋だ
ちょい悪オヤジなんぞ 全然甘っちょろいとさえ思える カッコよさと渋さ

そして そんな彼とペアを組む キリっとしたラテン美人のマルセラ
71歳のロベルトと組むのは 勉強になるし 本当に楽しいわ!と
別れを惜しむバルでのシーンは 年齢差なんて気にせず
単に人間同士 人としての相性の良さを重視する そんな関係がうらやましい

今時の日本のハタチの女の子だったら 
いくら上手いからと言って 71歳のジイさんとペアを組むだろうか? 
そういうラテン的ラフで 人間的な世界がすごく自然でいい

そして子供達と離れて スペインで掃除婦をする母と離れ
母代わりに家を守る 娘達・・・

なんでもない ふつうのアルゼンチンの人々の姿が自然なのだ
国を離れないと 将来はないという厳しい状況の中
タンゴの曲の歌詞が すごくストレートに心に響く
いろんな顔つきをした バンドや歌い手の顔も
アルゼンチンの移民の歴史をそのまんま表わしている

この映画は なぜタンゴがこういう音をしているか・・・?

哀愁や郷愁を帯び 陰影があり ロマンティックであり 
ヨーロッパの香りもするのか? アルゼンチンへ移民してきた人たちの
歴史や生き方がすべて反映されてきたもの・・・ということが
本当によくわかる映画だった

タンゴという 音楽と踊りの源

アルゼンチンへ移民してきた人たちの思いが こういう風に表れている
こんな国だけど 死ぬ時はこのアルゼンチンで死にたい というロベルト
素朴なドキュメントだけど とてもいい映画だった

今日の映画:80点
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by acine | 2007-02-27 11:38 | Alemania ドイツ映画  | Comments(0)
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地中海に浮かぶ スペインのイビサ島が舞台
カリスマDJ兼音楽プロデューサーのフランキー・ワイルド 
神業的プレイで成功し 白い瀟洒な家に住み 酒・ドラッグ・女にまみれる日々
しかし もともと聴覚に障害があったのに 連日の大音響の中での生活で
職業病&致命傷ともいえる聴力を 段々と失っていくことになる・・・

以下・・・ネタばれあり

冒頭・・・この物語は実話である・・・
と始まるので へ~ぇそうなんだ と思って見ていたが・・・
実際は何人かのミュージシャン、DJの実話を組み合わせた ノンフィクションだったらしい
別に実話をリアルに再現しなくても いかにもリアルに見せるフィクションというのもオツ
ノンフィクションの方が 自由に作れていいのかもしれない

この舞台になってるバレアレス諸島付近
マジョルカ、メノルカ、イビサ、フォルメンテーラetc・・・ 
個人的にすごーく行ってみたい・・・夢見る島&エリア
そして 音楽モノだし・・・というのが この映画を見た理由 
あ・・・私はクラブはどうでもよくて 単にフラフラしたいだけ
ちなみに イビサはイギリス人、マジョルカはドイツ人に人気
で 地元スペイン人に人気あるのは メノルカらしい・・・
いつかまたバルセロナに行った時に+どこかの島
(やっぱりマジョルカかな)行きたいな~・・・と今は夢見る(だけ)

肝心のイビサは 本当に海も山も景色も綺麗なんだけど
 (当然ながら 海辺の女の子はトップレスだし・・・)
何せ イカれた生活してるDJが主人公なので そんな描写は二の次・・・!
11年もイビサにいながら まったく英語オンリーで生活してるみたいだし
まるで ロックスターのような生活をしてる主人公 
いい悪いは別として そのイカれっぷりアッパレって感じ
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そして クラブのシーン これは映画館で見ないと 体感できない音
どれもこれもほとんど同じに聞こえるこのテの音楽には
どうも興味持てないんだけど それでもこの体に響く音は凄い! 
自分がもっと若けりゃ こんなとこ凄く行きたいだろうけど
今はさすがにいいですわ この音とテンションに 頭痛くなりそうだ~
それにしても ここでも 一般日本人には持ちあわせないだろう
エネルギーとテンションに感心する・・・ 最近こればっかり(笑)
クラブ以外でのシーンで使われる音楽は悪くない・・・というかけっこうセンスいい

主人公フランキー・ワイルド役のポール・ケイは 素のまんま?と思うほど
恐ろしく自然な演技だった 演技をまったく感じさせない雰囲気
カリスマであり自堕落なDJに なりきってたような気がした・・・
聴覚を失ってから 妻に逃げられ ドラッグ漬けになり 再生に向かう日々
新しい生活に足を踏み入れてからの演技も 深みも出てきてよかった
なんとも○ッチな元妻はともかく 後半のペネロペ役の彼女はなかなか良かった
しかし・・・スペイン女=ペネロペという名前も安易だな~(笑)

彼が聴覚を失ったかわりに 人間としての生活を取り戻していくのと
対照的に いかがわしいフンイキを漂わす 金の亡者になってるマネージャー?
エージェントのオッさんの言動&行動が異常に見えてくるのもおもしろい

”キミは障害者のヒーローになれる” 
何でもかんでも ビジネスチャンスに結びつける 
知らない間に そんなレールに乗せられつつある フランキーの姿も
現代社会の仕組みを 皮肉ってて ちょっと考えさせられる
そんな世界から またフランキーは飛び立つことになるのだが・・・
ラストのあたりの描写はなかなかいい 後味も・・・

だけど かなーりクセある内容なので 
こういう内容の何かに興味がある人じゃないと ちょっとつらいかも・・・
という趣味性高い映画 気になる人はどーぞ という感じ

日本タイトルはちょっとあざとい
素晴らしいかどうかは フランキー自身 そして見た人が判断することで
素晴らしい という言葉を 安易に観客に押し付けちゃいけない
その方が自由な感覚で見れたのに・・・と思う 
押し付けられると へーぇ?そうか?と思ってしまうじゃない?

音がなくなってからの フランキーの世界は
よりシンプルで 精神的には豊かな世界になったと思うけど
途中からそんな世界になるなんて・・・
なかなか想像がつかない ヘビィな世界だと思う

今日の映画:76点

映画中の蹴り!
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by acine | 2007-02-13 01:37 | Inglaterra イギリス映画 | Comments(2)
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米のスタンダップコメディアン デイヴ・シャペルが
企画&MCをした NYはブルックリンの街頭での
シークレットライブ その風景を追うドキュメンタリー

11月末に大阪で予告編で見てから ずっと見たかった1本
独特の世界を持つらしい ミシェル・ゴンドリー監督作(初見)
音楽系映画好きなので 見ないわけにはいかない

冒頭のエンジンの音
自分が住むオハイオで 拡声器を持って喋るデイヴのバックに
たまたまいた 地元大学のマーチングバンドの音がかぶさり
出演者の名前が ポップアップしてくる映像が
とっても音楽ドキュメンタリーらしいワクワク感がいっぱい! つかみはOK!

オハイオでの”NYへ見にこないかい?”と
シャペルがチケットを持ち 一般人を誘うシーンが面白い
”俺は ウィリー・ウォンカより 気前がいいぜ!” (笑)
出演者に興味がある 若い子は”そりゃ もちろん行く!”
そしていつもタバコを買いに行く タバコ屋のオバちゃんも
”ヒップホップはわかんないけど 面白そうだわね 行ってみようかしら?”
道端のオジさんは ”ラップは言葉が聞き取れねぇんだよ”
反応はさまざまだけど おおむね好評

そして NYはブルックリンに特設された会場 
  (住宅街の行き止まりみたいなところ・・・)
会場そばの怪しげな家の 妖しげな住人の夫婦
これがまたヒッピー時代をひきずってるようで 一見ぶっ飛んでるけど
奥さん・・・私はクラシックが好きなの・・・にはビックリする
こんな容貌の知的層がいる・・・外国人は奥深いな・・・
隣の幼稚園の園長先生も協力 (多分楽屋がわり?)

そんな感じの 勧誘活動・練習風景・ライブ
ステージ下や楽屋での風景をミックスしながら映画は進む
オハイオ⇔ブルックリン ステージ上でのライブ⇔楽屋⇔リハーサル風景 
ステージ上でのMC⇔招待した一般人とミュージシャンの会話

このあたりの行ったり来たりのバランスが絶妙なさじ加減
あとでよく考えると ライブのシーンは半分にも満たなかったような
気がするけど デイブのMCや芸達者ぶり 一般人の風景など
リズムや切り替えがいいので 全然気にならかったかも・・・

正直 最近のラップやR&Bには詳しくない・・・
昔はブラック系好きだったけど 最近はどうも離れてるから
どっちかというと リズムも大事だけどメロディ重視派のせい?
なので 知ってるのはエリカ・バドゥ、ローリン・ヒル、フージーズ位
あとは名前を聞いたことある人が少し あとは全く知らない

そんなこと関係なく・・・演奏風景はやっぱり圧巻!
ラップって今風のイメージあるけど 
ものすごく原始的なエネルギー&ウネりを持っていた

機関銃のようなリズムに乗る 歌詞もすごく面白かった
女・ドラッグ・セックスの傍らに 愛と神と人生とブラックとしての誇りが
常に隣合わせ存在し かつ瞬時に入れ替わって 昇華していく感じ 
下世話で かつ物凄く崇高なエネルギー 本能と理想が同居していて
下界と天国と地獄が 紙一重で繋がってる世界という感じ

”俺の帝国のエネルギーを受け取ってみろ~!” と叫んでると思ったら
次には ”おぉ神よ! 神様~!” なんて叫んでるし・・・!  
いやはや・・・日本人には想像つかない 
凄い世界だな~こりゃ と 純粋に素直にとても感心・・・

GINGA愛より強い旅でも 思ったけど
こういう世界に 東洋人はまったくお呼びではない・・・感じがした
今回の映画も 白人はまだ体力的についていけても 
悲しいかな・・・パワー希薄な東洋人には 傍観者にはなれても
なかなか ついていけない世界かもしれないな~って

MCでも冗談で 
”ここには5000人の黒人に 19人の白人に(実際は2、3割位)
おーい!メキシコ人はいるか~?”止まり 東洋人なんてきっと対象外

とてつもない凄いパワーを感じたGINGAはただただ感嘆!
とにかく ぽーっと高揚したまま終わったけど
真似できそうで やっぱり真似できない 
この映画の世界観には見終わったあと なぜか一抹の寂しさを感じた

ブラックパワー・・・偉大なり! 
彼らの誇りとストレートさがうらやましい
あの原始的なパワーは素晴らしい

パワフルさに圧倒される男性陣のラップの間の
一種清涼剤のようで 大地をうねるような 空気の間を揺らぐような
エリカ・バドゥ、ジル・スコット、ローリン・ヒルの
歌や佇まいもこれまた凄くよかった

何にしろ よい意味で こういう原始的なパワー&エネルギーを
持ってる人たちは強い ほとほと感心した
そう思う いち東洋人の私・・・でありました

ラップ好き R&B好き 音楽好き
ブラックカルチャー好き NY好きのどれかに
当てはまる人だったら 見て損はないと思う

今日の映画:78点

音楽ドキュメンタリー:永遠のモータウン ライトニング・イン・ザ・ボトル 
ジョージ・マイケル 素顔の告白 
音楽系映画: 五線譜のラブレター BEYOND the SEA
音楽系創作映画: ラストデイズ
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by acine | 2007-02-04 09:45 | Estados Unidos 米映画 | Comments(4)
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スペインの巨匠 カルロス・サウラ監督作
前作フラメンコと 前々作タンゴは見たことがあり
そのダンスと雰囲気 美しい映像が印象的だった
とにかく恐ろしくアート性の高い映画を撮る人 かつエモーショナル
すでに70歳くらいらしいけど ものすごい集中力と綿密さ
そしてモダンなセンスをふんだんに持っているのが凄い

今回も内容は大変シンプル
スペインの作曲家 イサーク・アルベニスのピアノ曲「イベリア」から
インスパイアされたという ダンスドキュメンタリー
フラメンコだけでなく バレエやモダン系のダンス
曲もフラメンコだけでなく クラシカルだったり ジャズ風だったり
アラブの香りが充満してたり スペイン音楽の多様さがよくわかる 
その演奏に フラメンコ独特の手拍子・踏み鳴らす足・リズムを取る指が
加わるだけで また曲の息遣いが変わってくる 

映画でありながら 舞台やスタジオでの風景を見ているように
ドラマティック 鏡やスクリーンが置かれたスタジオに
ため息が出るほど 美しいライティングと色彩 
ここしかない!というカメラアングルの中で
踊る・歌う・演奏するパフォーマーたち  
美しくセクシーな体のライン 普段着~凄い衣装まで衣装も美しい 
見ているだけで なんとも至福で甘美な時間が流れる
そして むせ返るような男も女もフェロモンムンムンぶりが
ラテンもん好きにはたまらない世界

そしてGINGAでも思ったけど ラテンのダンスや動きや音楽は
心・技・体の一体感が凄い そのバランスが何て絶妙なのか・・・!
恐ろしく甘美で官能的 そして独特の陰影も見逃せない

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どのパートも印象的だったけど
個人的には キリリとした佇まいが美しい サラ・バラス↑が一番よかった
布さばきも華麗 こういう布はこうして使うのか・・・と驚き
オンとオフが切り替わった 踊り終えたリラックスした彼女の姿も素敵

それにしてもダンサーの体は美しい
ラテンの人ならではの カーヴィーな体つきも魅力的
そしてシンプルなタンクトップとロングスカートだけであんなに美しいのは何故?
練習着のようなシンプルな格好がこれまたいい

これはラテン好き スペイン好き フラメンコ好き ダンス好きな方以外にも
美しいものが好き 美しいものが見たい センスのいいものが見たい人
そんな人必ず見て!と言いたい 映像・ライティングも素晴らしい!の一言 
総合芸術です 映画でこれだけのレベルを見せてしまうのは凄いですよ
最近美しいものを見てないなーという方 下手な美術館へ行くより
よっぽどいいもの見た気分になれますよ!
王家衛やペドロ・アルモドバルの映像や色使いや音使いが好きな方
(私!)などもきっとハマりそう ただこちらの方が崇高なイメージ

今日の映画 81点

この映画 もうDVDも出てます
東京や大阪で見損ねてたので 今頃観覧
でもこれは大画面で音響もいい映画館で見てよかったー!という作品でした
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by acine | 2006-09-12 16:59 | España  スペイン映画 | Comments(0)
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全くもう巡業はラストの段階ではないかー?と思う頃 やっと鑑賞 *ネタバレあり

ガス・ヴァン・サント監督 マイケル・ピット主演
90年代の伝説的ロックバンド ”ニルヴァーナ”の
今は亡きカート・コバーンの最後の日々を追った映画・・・と思っていた

特にファンというわけでは なかったけど
ニルヴァーナの曲やアルバムがヒットしていた時代 
K・コバーンが自殺したこと リアルタイムで知ってる世代
&もとRock好きとしては 見ておかねば・・・ね

マイケル・ピット演じるブレイク
森の中を彷徨い 川に飛び込み スコップを持って
バンドのメンバー&そのGFと同居している屋敷を 
彼らを避けるように出たり入ったり・・・ 延々歩いてみたり
ラリって挙動不審で ブツブツ独り言を言ったり 
女物のスリップを着て 銃持ってウロウロしたり
BOYZ Ⅱ MEN のMVを見ていたり(!)
食事を作る手もおぼつなかい 死んだように寝っころがっていたり
完璧に挙動不審だと思っていたら
かと思えば ちゃんと歌いギターを弾いていたり・・・
まともな精神も ほんの僅かは保っていた 

淡々と そういうシーンが続いていく中
彼が薬物の厚生施設から 脱走していている最中らしいというのがわかる
そして 自ら命を絶つまでの風景が 変わらず淡々と映し出されていく

だけど それが余りにも孤独なのだ
結婚してたはずなのに 彼女の姿は他人宛の電話のみ 
バンドのメンバーだって 仲間のような 全く赤の他人のような
仲いいのか 全くそうでないのか よくわからない
何とも不思議で希薄な人間関係
興行がらみの連中も 自分の利益だけ優先する

そんな中 誰からも見放されたように 
自ら見放しておいてくれと言わんばかりに 孤独を貫くブレイク・・・
ミュージシャンの苦悩 とても人気者とは思えないような生活

マイケル・ピットは そんな孤独の中にも 時折純粋な部分
僅かの狂ってない部分も 垣間見せてくれたような気がする
ただ 本物のカート・コバーンはもっと骨太だったような気がしたけど
マイケル・ピットが演じると・・・ 
スウェーデンヒッピー風 カート・コバーンという感じがした
*何となく・・・ね ファンの方 すみませんね

あまり前情報押さえないまま行ったので
私はてっきり カート・コバーンを演じてるものと思っていた
でも マイケル・ピット演じる主人公は
カート本人ではない 名前もブレイク・・・
ラストで 監督のこれはフィクションという
クレジットが出た段階で やっとクリアに(遅すぎ!)

これは監督が カートの終焉の日々は こんな感じだったんだろう
そう思いたい そうだったんじゃないか・・・と愛情を持って描いた 
カートへのオマージュ ハッピーではないファンタジー
監督の創作”ラストデイズ”というのが正しい

そうして 本物のカートは 自殺という幕引きで
安堵の地を見つけたのだろうか? と ふとそんなことが頭をよぎる

というわけで 衝撃的でもなく ドロドロしてるわけでもなく
思いのほか 淡々と静かな作品だったので
好き嫌いははっきりわかれるかもしれない 私は中間かな

ガス・ヴァン・サントが好きな人 マイケル・ピットが好きな人
カート・コバーンやニルヴァーナが好きな人 90年代のロックが好きな人
アメリカのインディものが好きな人 あたりにのみおすすめ
万人向きではない

今日の映画 70点
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by acine | 2006-07-09 21:26 | Estados Unidos 米映画 | Comments(2)
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事実は小説より奇なり いや奇というより
GEORGE MICHAEL  A REAL STORY 
ものすごくストレートなドキュメンタリーで 一時も目が離せなかった
今年見た中では ミリオンズ と並ぶくらい いやそれ以上によかったかも!
元々音楽ドキュメンタリー&英国映画に弱い 大好物
英国もの そしてジョージ・マイケル 侮れません!
いやー これは見てよかった!と心から思った

トイレで逮捕@LA事件から 色物で見られがちのジョージ・マイケル
彼の言葉と とりまく人々のインタビュー 世界に流れた映像からのドキュメント
これを見ていると 確かに彼は色物かもしれないけど すごく実直でストレートな人 
そして天からものすごい授かり物を受け取ってる 才能豊かな人であるということ

アメリカでの成功と それと引き換えのレコード会社との泥沼
アメリカとのねじれてしまった関係 ヨーロッパでの彼の立場
人並み外れた成功からくる セレブとしての苦悩・悩み
カミングアウトするまでの悶々とした気持ち
トイレで逮捕という 最悪のカミングアウト
愛するBFとの死別 同じく愛する母との死別 
なかなか立ち直れない自分 自分はこんな人間なんだという
飾り気のない直球のコメントがいい

懐かしい顔ぶれが一杯で すっかり落ち着いているアンドリュー 
年齢を経て また向き合って 話をする二人の風景
そういえば ジョージはギリシャ+イギリス
アンドリューはどこか中近東の国+イギリスのハーフだったよなと思い出す
歳を経て そのエスニック性が より浮かんできている二人のルックス

身近だったシャーリー&ペプシからデビッド・オースティン(!)
(これがまた本当にいい人なのね~) から
エルトン・ジョン ボーイ・ジョージ マライア・キャリー
マーティン・ケンプ ノエル・ギャラガー etcの有名人たち
そして ビジネス絡みの人 彼の家族 ボーイフレンドまでが登場する
皆の発言が また実直で 時にはイギリスらしいウィットと辛らつさに
富んだもので 本人の発言同様 またすごく見がいがある 

その昔・・・10代の私は WHAM!を始め
イギリスのグループ&音楽が大好きで 限られたこずかいを
毎月 彼らのアルバムにつぎ込んでたものだった
WHAM!の初来日コンサートも 大阪府立体育館で見ている
彼らもピチピチだったけど 私ももっとピチピチだった頃
その頃は可愛いアンドリューの方が好きだった(笑)

ジョージがソロになってからは 2枚目くらいまでは聞いてたけど
その後は ほとんど聞いてなかったりする
あのジョージ・マイケルのドキュメンタリーということで
やっぱり見なくっちゃ!というわけで出かけた

冒頭から出てくる懐かしい曲・クリップの全てに
あぁそうだった!そうだった!と記憶のかけらが蘇ってきて
へぇーその裏はそうだったんだとか 興味深い話がザクザク
音楽業界の裏側も探れて 本当に面白い

途中までしか追ってなかったので あまりよく知らなかった
ソロ3枚目くらいからの彼の曲・クリップを見ていると
映画の中で流れる曲 全てがものすごいクォリティを保っていて
その曲を作る力と 滑らかで美しいヴォーカル
そして 時代の流れと共に常にハイセンスなクリップ
F・マーキュリーの追悼コンサートでの歌声が圧巻
すべてが恐ろしくクォリティの高いものばかりなのに 
とにかく感心し ほとほと感嘆するばかり

それを見て聞いてると 彼がゲイだからどうした?
トイレで逮捕されたからって それがどうしたの? 
それは全く大したことじゃない
彼は自分の想い・欲求に忠実で 素晴らしい才能を持っている
その何が悪いのか? 彼は全くノーマルじゃないかと・・・
ノーマルなふりして 彼よりノーマルじゃない人なんて一杯いる
人間としての ジョージ・マイケルはいたってノーマルだと思う
ノーマルどころか あのまばゆいばかりの才能をご覧!
ヴォーカリスト ミュージシャンとしての この才能! 
常識なんて 誰が決めたと思いたくなる

あらゆる意味で 生きながらすでに伝説ともいえる
彼の人生は ものすごい浮き沈みの繰り返し 
本人のルックス同様 人生も余りにも濃すぎる 
幸せなのか 不幸なのか 判断がつきにくい
華やかすぎる舞台の裏には 想像を絶する暗闇と葛藤
並の精神力では 乗り切れないかもしれない
こんな人生送ると 来世はあっさりと普通に生活したくなるだろうな
逆に 強烈な前世が忘れられないか?!

ラストシーン ツアーの日々は自尊心との戦いだから
もうツアーはしたくないという 彼の初心に戻っての
ロンドンのヴァージン・メガストアでのサイン会
自然にファンと楽しそうに接する
ジョージ・マイケルの姿はとっても印象的だった
荒波を乗り越えて ある意味今は達観してる
彼の様子は繊細でありながら 落ち着いている
聞いたことなかった部分のソロアルバムも買ってみようかと俄然思い始めた私
あとフレディ追悼コンサートのライブ WHAM!もまたすごく聞きたくなった

今日の映画 84点

この映画 WHAM! ジョージ・マイケル
彼が通り過ぎてきた時代の音楽が好きか否か などで
好き嫌いや評価は分かれると思う

どうもこの2月にも ロンドンで薬物所持の疑いで逮捕された様子
何時間後に保釈されたらしいけど うーん 本当に山あり谷ありですな
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by acine | 2006-04-03 21:38 | Inglaterra イギリス映画 | Comments(19)
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昔 ヒットした ダーティ・ダンシング2という位置づけのダンス映画
舞台はキューバで 主役の相手役が ガエルと並ぶメキシコの星
ディエゴ・ルナということで ラテン色がぐっと強くなった

今回はきっとストーリーの読める映画なので(当たり!)
気楽にラテン気分・ラテン音楽・ハバナの街を楽しむのが目的
音楽は英語の曲が多いのが残念だけど やっぱりラテン音楽は熱くて濃くていい
聞いてるだけで 体温が1、2度くらい上がりそう!
サントラ試聴:HMV Dirty Dancing - Havana Nights
お気に入りは 7 ”リプレゼント・キューバ”

50年代のキューバのハバナが舞台
一種特権階級のアメリカ人の姿が描かれていて
父親の仕事でやってきた主役のケイティもゴージャスなホテル住まい
気が進まないハバナ暮らしで ディエゴ扮するハビエルと知り合い
ダンスと恋に目覚めていく・・・ という予定調和内でストーリーは進む
今時珍しいくらい 古典的青春ダンスもの!

ディエゴは ほろ苦いロードムーヴィー 天国の口、終りの楽園。 サントラも最高!
より大人になっていて 今回とっても魅力的だった!
浅黒い肌に 甘い少年っぽさを残した ほどよく濃いラテン男
しかもダンスも上手い 愛情表現も甘い 粋
つるりんとした白人同級生より そりゃ~ヒロインだって惚れますわ
ガエルと並んで ディエゴも 個人的メキシコの星に入れました

そして・・・一緒に見た3人とも同じ意見だったのが
ケイティ役のロモーラ・ガライが大柄で大味だったこと!
ディエゴがひょろっとして浅黒い肌に対し いかにも北方系白人のルックス&体つき
味わいのあるハバナの街にも 思いっきり浮いてる アナタホントに浮いてますよ!
それが狙いだったのかしらん?

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ダンスシーンは本職ではないので ご愛嬌な部分もあったけど
かなり猛練習した結果は出てるのでは?
結局 サルサなのか 社交ダンスなのか レゲトンなのか
ダンスに詳しくない私には 判別不可能でした

ラテン系ディエゴのダンスは さすがにリズム感よくてなかなかOK
ただ・・・ケイティちゃん大味なのよねぇ 大柄なのよねぇ
セクシーなドレス姿も何だか大味なのよねぇ ○牛っぽい

ダンス踊る役なら もっと体絞ろうよと思ったのは私だけじゃないはず 発育よすぎ
小柄でパンチあるラテン美女の方が ディエゴには似合いそう 
きっとその方が日本人好みでもある感じ 

1のパトリック・スウェイジがダンス教師役で出てるのはご愛嬌!
彼のダンスはとってもメリハリきいて上手い 姿勢も綺麗 

というわけで 単に楽しむ映画として見れば OK!
公式HP たまには何も考えずに見る映画もいいもんです

ただ・・・太陽あふれて 華麗なスペイン風の街並み 独特のさびれ感
打ちつける荒い波 なんとも味のあるハバナの街が舞台なので
もっと渋い ラテン的な陰影のある 枯れて熟成された味の映画が見たいな 
英語じゃなくて スペイン語が聞きたいな
ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ  が無性に見たくなり
サントラIbrahim Ferrer のアルバムを帰ったら聞きたい!
いつかハバナへ行ってみたいな~とも思った夜でした

今日の映画 75点
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by acine | 2005-09-28 23:43 | Sudamerica  南米映画 | Comments(10)
2005/06/03
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こういう音楽ドキュメンタリーもの 音楽が中心の映画
音楽のいい映画(=いい映画に決まってる!)には目がない私

ブルース生誕100年を記念して NYのラジオシティミュージックホールで行われた
一夜限りのコンサートのライブを中心に、バックステージ風景
ブルースとは・・・と語るミュージシャンのインタビュー ブルースの歴史
当時のフイルムを交えた マーティン・スコセッシ総指揮・製作の映画
タッチとしては ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ永遠のモータウン
(この2作はもう大好き!) に似ている シブい映画なのだった 
LIGHTNING IN A BOTTLE  公式HP

ブルースの生き証人たちの 年輪を重ねた重み
伊達に年をとってない生き方が その歌・ギターに与える影響は大
老ミュージシャンの姿 パフォーマンス 歌 ギターのカッコいいこと!
黒人たちの辛い歴史の産物でもあるブルース
彼らのルーツであるアフリカの大地 KKK団のフイルムも交え 
ブルースが辿ってきた道を紹介しつつ 
魂を吐き出すようなその歌声 音色には惚れ惚れ

そのライブには 現在活躍するアーティストも多数参加
ナタリー・コール メイシー・グレイ B.Bキング
エアロスミス(S・タイラー&J・ペリー) ボニー・レイイット などなど・・・

私はブルースに関して 詳しくないけど 欧米の音楽を聞いてると
ロックとブルースは切り離せないし ロックにしろ ブラック系にしろ
ブルースが 今の欧米の音楽に与えてる影響はとにかく大
そのエッセンスが入ってない音楽はほとんどないんじゃないかな?
ちょっと優等生的な作り方かもしれないけど
こんなブルースのルーツを 丁寧に追った映画を見れて良かった

スタンダードのイメージが強かったナタリー・コールも充分ブルース魂を持ってるし
エアロのS・タイラーとJ・ペリーカッコよすぎ・・・!
エアロのライブは何度か見たことあるけど ホントに何歳になっても凄いね~!
各ミュージシャンのライブシーンは心に染みるしカッコいい

それにしても”永遠のモータウン”もそうだったけど
観客は 年代さまざまだけど ほとんど男ばかり 女は少しだけ
何で 女はこんな映画見ないのかな~?
女もこんな映画見ないと勿体ないよ~! 損だよ~と断言!
シブい映画だけど 映画&音楽好きだったら こんな音楽映画も絶対あり

今日の映画 78点

先週見たのに すっかりUPが遅れてしまいました
忘れないうちに~! とあわてて書きました

生まれ変わったら 南の島でのんびり生きる
南欧で思いっきり人生を楽しむ・・・のもいいけど
こういう身一つで 自己表現できる人にとっても憧れる 
ミュージシャン 歌手 ダンサー スポーツ選手
映画監督 俳優 女優 美術 絵描き 物書き etc
身一つで 自分を思いっきり表現できるのは 素晴らしい
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by acine | 2005-09-21 21:11 | Estados Unidos 米映画 | Comments(0)
2005/03/13
50、60年代のアメリカショービズ界のスターとして
君臨したエンターテイナー ボビー・ダーリンを描くドラマ
”五線譜のラブレター”とも似たテイストの音楽モノで 映画館で見るのがベストな映画

d0025646_16414152.jpgもうズバリ 言ってしまいましょう!
ケビン・スペイシー オンステージ!
何せ 製作、監督、主演なので
力の入れようが違います
”俺がやりたいこと 全部やってやるぞ~!”
というような心の叫びが聞こえそうな 
"カンフーハッスル・ハリウッド音楽版"
とでも言いましょうか

今さら彼の演技力については言うことないけど
歌もここまで上手いとは・・・!ビックリしますよ
歌手として10都市回りたいと言ってるのも納得
劇中の半分以上が歌うシーンなんだけど
艶のあるいい声で 声もよく伸びるし
音程・リズムもよし
まるで歌手並に上手いのに驚き
歌って踊って もうやりたい放題!
ここまでやっていいの?と思うヅ○ネタ
↑ 見ればわかります(笑)
何せ 製作・監督・主演なので 自分の見せ方は100も承知してる作り
それを差し引いても 監督としていい腕してます

正直言うと ボビー役は年齢的にギリギリだった 
いやちょっと無理がある・・・とも思えるケビン・スペイシー 
素晴らしい歌いっぷりに だんだん気にならなくなるのが事実だけど
ユアン・マクレガーがやっても 年代的にもピッタリ
素晴らしくよい出来になってたと思うけど どうでしょうか?
私は大のユアン好きなので単なる願望 ユアンもバッチリ歌って踊れるからね~!
そういえば”普通じゃない”の中でもキャメロンとユアンが
この”Beyond The Sea”歌ってて、この映画に興味を持ったのも確か
イギリスの Robbie Williams のスタンダードアルバムでも
この曲&もう1曲ボビー・ダーリンの曲収録されてます

予告編を見た限りでは年齢差もあるしどうかな?と思ってた
妻役のケイト・ボスワース 彼女の演技は思いのほか良かった!
決して美人ではないと思うけど キュートでコケティッシュで可愛い
そして意外に華もある 演技も上手い 若いけどいい女優さんです
彼女が着こなしていた50、60年代の衣装 とっても可愛く似合ってた

母親、姉、義兄、狂言回し役のボビーの子役など・・・
皆芸達者なので 安心して見ていられます
ストーリーもすべて順風満帆でもなく え?と驚くこともあり
それを巡る各人の思惑もちゃんと描けている
年代を意識してか 映画自体のフィルムの色調もレトロで雰囲気あるし
出てくる家のインテリアやキャストの衣装もこれまたレトロモダンでいい感じ

ケビンはルックスで勝負の俳優ではないので(ファンの方お許しを・・・!)
その分純粋に歌と映画が楽しめます

今日の映画81点
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by acine | 2005-09-21 21:03 | Estados Unidos 米映画 | Comments(8)
2005/02/22
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”夜も昼も” ほか 有名なスタンダード曲を数多く作詞作曲した
コール・ポーター&その妻リンダを描いたミュージカル仕立ての映画
いや~ これは良かった!

主役を演じる ケヴィン・クライン&アシュレイ・ジャッドには
特に思い入れはないけれど 二人とも歌を歌いつつなかなかの好演
○にも走る旦那を眺めつつ いくら旦那の才能に惚れて結婚したとはいえ
リンダが余りにもものわかりが良すぎる妻だったり・・・
二人のドラマとしての描き方は詰めが甘く ちょっと美化しすぎ?と思いつつ 
ミュージカルだから ドラマはこのくらいの深さでよいのかもしれない

次々と流れる 余りにも美しい曲と映像と有名ミュージシャンの
パフォーマンスには目を奪われっぱなしで夢見心地!
ナタリー・コール、エルヴィス・コステロ、シェリル・クロウ、ダイアナ・クラール
アラニス・モリセット、ロビー・ウィリアムス(実はファン)、ミック・ハックネルなど
様々なジャンルのアーティストがコール・ポーターの曲を歌うのだけど
これがパーティや結婚式のステージでとか、ステージの練習風景だとか
フルで映像は映されず あくまでも映画の1シーンとして
流れるという贅沢すぎる使い方!
ジャンルが違っても 皆スタンダードを何と上手く歌いこなすこと!
各人のパフォーマンスも素晴らしい!

そして主人公2人はステージを見に行ったり、パーティによく行くのだけど
今回の衣装はジョルジオ・アルマーニが担当 衣装が本当に綺麗!
衣装、アクセサリー、30年代ヘアスタイル&メイク とても粋で美しい!
パリ、ヴェネツィア、ニューヨーク、ハリウッドと移り住む彼らの邸宅の
インテリアも庭のお花も本当に美しくて 美観的な面でも見応えたっぷり
そういう面でも 大変贅沢な映画

ラストもすごく粋な演出だし とにかく音楽と映像の美しさに酔いしれることが
出来るので これは映画館で見るべき映画だなと思った
帰りの車でもそのままサントラがすごく聞きたくなってしまった
サントラ買ってしまうかも・・・!いやすごく欲しいんだけど!

今日の映画 84点
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by acine | 2005-09-21 21:00 | Estados Unidos 米映画 | Comments(0)