2009年 06月 24日
The Reader 愛をよむひと ’08 アメリカ・ドイツ

ケイト・ウィンスレットが 今年のアカデミー主演女優賞を取った作品
日本タイトルは 年齢差のある男と女の一夏の恋
どうもロマンチック系のような印象を与えてしまってるけど
実際はその読むことの意味は もっと深いものだった
詳しく:東京美術通信
冒頭 雨の中 出会う二人
路面電車の車掌をしているハンナと まだ15歳の学生のマイケル
二人の歳の差は21歳
再び訪ねてきたマイケルを突き放しつつも
自らマイケルに近づくハンナ あのお風呂に入って!のシーン
積極的な年上女ハンナがけっこう怖い
そして関係を持ったら すっかり彼女のアパートに入り浸りになる
若いマイケル 体を重ねることと本が日課になる二人
その本の辺りで行く先は なんとなく見えてくるのだけども・・・

ケイト・ウィンスレットは こういう役は十八番なので
当然ながら上手い マドンナをスッキリさせたような端正な顔に
リアルな演技 そしていつもの生々しい質感の彼女の裸
彼女のように演技派であれば 無理にこんな役をしなくても
もっといろいろ役は選べるはずなのに 最近の彼女は
脱ぎっぷりがいい というかよすぎるのでは・・・と思う位
その体の微妙な崩れ具合も これまた妙にリアルで
一種演技を超えてる部分があるかもしれない・・・
その思いっきりの良さには 日本のいつまでも若く
可愛く見られたいような 中途半端な名前だけ女優のような
女優にはとても真似できない女優根性かもしれない・・・
個人的には ケイトは本当に上手いし 演技に関しては
文句はないけれど (ちょっとメリル系の香りもするけど
本を読んでもらいながら オイオイ泣くシーンとか・・・)
その分 どうも隙がなさすぎて 面白くないのも事実
だけど この彼女の女優根性は手放しで凄いと思う

そして そんなケイトの相手が ドイツ人俳優のデヴィッド・クロス
大人でもない 子供でもない 微妙な年齢の
瑞々しい心と身体を持つ ナイーブな少年を
キラキラとくったくなく 思慮深く演じていて とてもよかった
過去のせいで どこか精神的に不安定な年上の女ハンナから
何度も突き放されても 僕の初めての女なんだと
ハンナを慕う いたいけな雰囲気もバッチリだった

そして 突然 マイケルの前からハンナは姿を消し 再び現れた時は・・・
ドイツが舞台ということで 重い転換を見せるこの映画
そんな少年が 成長した後を演じるのは レイフ・ファインズ
スクリーンに現れただけで あの曰くありげな顔つきは
何か過去がありそうな雰囲気がプンプン漂っている
これまた 彼の十八番ともいえる ナイーブで暗さのある役どころ
少年時代の彼から とても自然につながる
これまたピッタリのキャスティングでした
終盤のレイフの男泣きに思わずもらい泣きしてしかけました

*レイフ・ファインズ 私は大好きな俳優なんだけど
ジョニー・デップ同様 ブログ以前の映画はほとんど
見てしまってるので タグとか少ないだけなのです~
翳のある弱っちいナイーブ男 演じさせると
彼の右に出る者はいないと思う
法学部の学生になり 思わぬ形での彼女との再会
そして結局彼女を助けれなかった男の行動は罪滅ぼしだったのか?
あの辺りはちょっとあざといし 老け役のケイトも少し無理がある
そこで読むなら あの時 マイケルにもっと勇気があれば・・・
そして あの秘密は 自ら重い人生を選んでまで
彼女は隠しておきたかったことなのか・・・
描き方やストーリー展開に少し難あり?と思わないこともないけど
戦争中 その時代をそこで過ごした人でないと
なかなかわかりにくいだろう各人の思い
日本人には難しい題材かもしれない
レナ・オリンが登場するNYでのシーンは
現実的で悪くなかったと思う
余りにも重い 年の差@一夏の恋
生々しくも 奥深い 文芸系映画でありました
今日の映画:76点
by acine
| 2009-06-24 19:43
| Alemania ドイツ映画