2009年 07月 25日
THE CHASER チェイサー ’08 韓国

残酷だし テンション高いし
見終わったら 疲れ果ててしまいました
恐るべし 韓国映画パワー
疲れるのも当然で 実際に起こった猟奇殺人事件を
ベースにしている上 韓国映画ならではのこれでもか!の
残酷さ 過激さ 善玉のはずの警察内部での出来事まで
胸やけしそうな位のパワーで迫ってくるので 疲れるのも当然
詳しく:@nifty映画
残酷さは思ってた通りだったけど
もっとどよーんと とてつもなく暗くて重い映画かと思ってたけど・・・
思ってた以上に 全体的に登場人物のテンションが高いというか
余りにも血の気が多く 良く喋り 良くつっかかり・・・と
そのパワフルさに引きずられ 見たくもない残酷なシーンまで
一緒に目撃さされて ダークな映画なのに見てる方も
妙な高いテンション保って見てしまう・・・という
良くも悪くもパワー全開な映画
とはいえ テーマがテーマなだけに 残酷シーンはこれでもか!と凄惨だ
そして 早々と明かされる犯人のそのはぐらかし具合がこれまた絶妙
演じるハ・ジョンウは のらりくらりとしてとても怖い
何故そういうことをするのかが明かされないのは
昨年のガスボンベ男と一緒 だから余計怖さ倍増
こういう犯行に理由はない・犯人は何も語らない・・・というのが
今の映画の犯人像のトレンドなのかもしれません
ハビエル・バルデムしかり このハ・ジョンウしかり どっちも見事!
このハ・ジョンウも若いけど 凄い演技派だと思う
この人 あの”ブレス”にも出てたらしいけど
あのチャン・チェンのことを想ってたあの子だろうか?

そして 失踪した店の女の子を探し 疾走するやさぐれた元刑事
立場上警察を頼るわけにもいかず だけども腐れ縁で
警察にも出入りしたり この男がとにかくテンション高いので
見てる側も 彼のパワーにつられて ソウルの街の暗闇と雨の中を
とにかく走って走って 追っかけて 追っかけられて 殴って 殴られて
血を流して ソウルの暗闇や坂道を全速力で一緒に疾走してしまう
元刑事を演じるキム・ユンソクも人間くさすぎてとても上手い
イケメンでなくとも こういうよい味わいの中年&
おっさん俳優も一杯いるのが 韓国映画のよいところ
そして もう一つの主役が 出てくる人の血の気の多さ
現場もそうだけど 出てくる人間 一般人だろうか
警察内だろうがもう凄い! 警察内部でもつかみ合いしてるし
市長に向かって投げるものだって 卵や小麦粉どころじゃなくて
うへ~!って感じで もう唖然としました
ガチンコ勝負の韓国映画よいな~と思ってた今日この頃だけど
この映画の余りのこの濃さとテンションの高さと
いろんな意味での 血の気の多さにグッタリしました
当分はもういいわ・・・という感じさえ
”映画は映画だ”は 何回見たっていい!という位
物凄く好みだったんだけど・・・ あの位の濃さでよいです
昨日から始まった ソ・ジソブのドラマ
”カインとアベル”でも 病院が舞台だからって
手術シーン(しかも局部)をリアルにバンバン
しつこくしつこく写さなくっても~!と もうもうビックリしました
本筋よりそっちが気になって大変だったので余計(笑)
しかし 監禁されてたヒロイン
あれはホントに怖い仕事だわ あの門で鍵をジャラジャラの時点で
何で家に入り込んで行ったのか? ああいう仕事をしてるからこそ
危険な客って 直感的にピンと来るはずじゃないの?とか
雑貨屋のおばさんも何で~?! と 見てる方もハラハラしながら
とことん映画の世界へ引きずり込まれて 後味悪い・・・
映画としては 物凄くパワフルで 引きずり込まれるし
こっちでも体張ったキャスト陣も 上手いし凄い
とにかく 前評判通り 物凄い映画でした
好き嫌いは別として・・・ 私はお腹一杯でした
それにしても このパワーと重さ
ブルドーザー並みのこのテンションとアグレッシブさ・・・!
そしてダークナイト並みの社会の暗闇
確かにハリウッドが狙いそうな映画だと思うけど
ここまでの残酷さを描くには無理そう また製作費だけは一杯かけて
甘っちょろくて生ぬるい映画に また着地するんだろうなぁ
湿気を帯びたアジアの業や残酷さを描くのはハリウッドには無理
実際の事件は こんな風に救いがない
そして不条理なことだらけ・・・なんだろうけどね
妙にリアルで見るのにパワーが必要でした
あの何度も振りかざされる グサっという音もね・・・
なんだか ゆったりほっこりとした台湾映画や
力の抜けたおバカ系香港映画が見たくなりました
はー 疲れた!
今日の映画 78点
by acine
| 2009-07-25 22:50
| Corea 韓国映画