2009年 10月 21日
My Sister's keeper 私の中のあなた ’08 アメリカ

監督のニック・カサヴェテスはジーナ・ローランズの息子
今年は娘のゾエ・カサヴェテスの作品
ブロークン・イングリッシュも見たっけ・・・
天才子役 アビゲイル・ブレスリンを使って
いかにもハリウッド的なお涙頂戴劇かな~?
それとも 意外といいかも・・・?! と半信半疑で見てみました
詳しく:Cinema Cafe.net
映像もセンスいいオープニング部分から これはいけそう・・・という予感
そして 家族各々の視点から始まるのもいい
*以下 少しネタバレあり (でないとこの映画の感想は書けないので)
しかーし!
見ていくうちに 早々とやってくるこのシーン
姉への腎臓提供を拒否したい妹のアナ(アビゲイル)は
でっぷり肥ってまるで着ぐるみみたいなアレック・ボールドウィン
(一体彼はどーしたんでしょ~?)演じる敏腕弁護士に
両親を訴えたいと依頼をすることになる
そして 当のすっかり弱っている姉ケイトのいる部屋で
弁護士に依頼したことについて ”どうしてなの?!”と
生まれた時から 有無を言わさず 姉にいろいろと
自分の体から提供をさせられてる もう一人の娘アナに
詰め寄る母親(キャメロン・ディアス)
そして ”私は嫌!” と拒否するアナ
こんな子供が両親を訴えること自体にも驚きだし
それをあてにして子供を作ってしまうこともビックリ
(気持ちはわからなくもないけど・・・)
だけど 当の本人がいる前で そんなことを話するなんて
なんてデリカシーのない家族なんだ?!と かなりげんなり
いくら家族だからと言って 言っていいことと悪いこと
陰で言わないといけないこともあるんじゃない?!と
日本人的感覚では これはついていけないわ~と思った
そして 長女を何が何でも救いたい母の気持ちもよくわかる
そして そういう提供を目的で作られた子供のアナの気持ちも
よくわかる・・・ だけど 死に直面してる姉を
目の前にして そんな親子で争ってる場合か・・・?!
正直 私がアナの立場なら 迷わず姉に腎臓を一つ
あげるのに・・・!と イライラしながら見てました
だけど 生まれながらに そんな立場に置かれた彼女も
確かに物凄くとても不憫だよな~・・・
でも どうも納得いかないままで見てました
確かに家族が病気になると 埋没してた家族の問題も
勃発してくるのはよくあることだし 揉めるし
それが原因でますます疎遠になることもある・・・
だけど いくら 訴えられた親 訴えた娘でも
そんなことより もっと大事なこと 姉について
何が出来るか 何をしてあげるべきか 考えるべきでは?
そのことに関して行動を起こすべきでは?・・・と
思いつめたような顔をしてる 姉妹に挟まれた長男
そして 中道に立ちつつ 事態を見守る父親
静かな男たちに 意思が強すぎる母と二女
見ていて 物凄く違和感があって
これはダメかな・・・と思い始めた矢先
ケイトとBFのテイラーとのストーリー

このシーンから ぐーっとスクリーンに集中
この二人のシーンは隅から隅まで本当に良かった!
今回の映画で 一番素晴らしかったのは
この長女ケイト役のソフィア・ヴァジリーヴァ!
彼女の演技は とてもリアルで切実でキラキラとしていて
生きている喜びも哀しみも見事に表現していた
本当に病人にしか見えない演技も見事だったし
この映画の主役はキャメロンでもアビゲイル
でもなくて 彼女が主役だと思う
どこかで見たことある子だな~ うーん 誰だったっけ?
と 考えながら見てたけど どうしても思い出せない!
あとで ”アリソン・デュボア” (WOWOWでやってる
アメリカのドラマ)の パトリシア・アークエットの
長女役の子だったとわかり スッキリしました!
そして 同じ病に苦しみながら 仲良くなる二人のシーンが
なんとも繊細で どのシーンも秀逸で 涙ボロボロでした
このテイラー役のトーマス・デッカーも凄く良かったな~
どーんと構えてて 繊細で儚くて
その後 大どんでん返しがあるわけ・・・ですが
何故 長男があんな浮かない顔をしていたのか
何故 アナがあんな両親を訴えるという行動に出たのかが
明かされるわけですが そうだったのか~!という感じでした
そーなのです
周りは心配して 出来ることがしてあげたくても
病気で苦しむ本人が一番 自分の体の具合はよくわかる・・・

妙に気になってた 姉と妹に挟まれた長男
彼は彼で精一杯 姉と妹を想っていたんだなぁ・・・と
この長男役の子も繊細でとてもよかった
アビゲイルは リトル・ミス・サンシャインはよかったけど
最近は安全パイ状態? 幸せのレシピ 幸せの1ページ
でも 今回は良かったかな~ 終わってみるとかなり控えめな役
けっこう独特の顔つきしてるけど 額から目や鼻のラインの彫が深くて
上手く少し細めにすっきりと成長すれば すごいべっぴんさんになるかも?
そして 母親役のキャメロン 役どころとして彼女が一生懸命に
なればなるほど 一人浮いてしまう可哀想な母親
ほとんどすっぴんで演じてたキャメロン
すっぴん故けっこう怖い顔してまして 演じるのは勇気いりそう・・・
その分リアリティがあって悪くなかった 母親役もハマってたし
だけど 娘を想うばかり 母親の愛情が強すぎて あまりにも
現況を判断できず 盲目になりすぎる痛い役どころでありました
そんな妻キャメロンと正反対に 静かに温かく状況を見守る父親
ジェイソン・パトリックは 娘ケイトに”大好きよ パパ”と言われるのも
納得の素敵な父親を演じてました
家族とは きょうだいとは 病気とは を考えさされるこの映画
気持ちよく 泣かされました
奇しくも この映画を見た日は 母の命日だったので
余計 泣かされてしまったかも・・・しれません
中盤までは 違和感があって馴染めなかったけど
その後は ぐっと引き込まれました 後味もいい
しかし 最後のモンタナのシーンは
LLBeanのカタログ写真みたいだったな~(笑)
あと あのアルバムは凄いプロの技でした
今日の映画:80点
by acine
| 2009-10-21 17:47
| Estados Unidos 米映画