2009年 12月 10日
BOY A '07 イギリス (WOWOW)

ずっと見たいな~と思ってましたが 公開されずじまいで・・・
最近 WOWOWでオンエアされ やっと見ることができました
かつて 少年Aと呼ばれていた青年が服役を終え
ジャックという新しい名前で社会へ戻ってきた
彼はどのように更正し 新しい生活を送るのか?
そして 社会へ溶け込むことができるのか?
自分の過去と今をどう捉えて生きていくのか? という物語
詳しく:cinematopics
とてもシンプルでシリアスで 人生は甘くないという現実を
思い知らされる内容だけど 根底に流れているのは人間味
このあたりが とてもイギリス映画らしく
地に足のついた感じが とても好感が持てる
だけど そんな人間の持つ 犯罪を犯した者への冷たい目
そして 誰もが巻き込まれかねない犯罪への悪循環も
しっかりと描いている

徐々に明かされる彼の過去と
順風満帆にスタートしたように見える彼の新しい生活が
交互に描かれ 徐々に彼の今と過去が
明らかにされてくるというストーリー
主人公ジャックの その時々での心の揺れと苦悩
新しい自分になろうとすればするほど フラッシュバックのように
思い出してくる自分の過去 そして 愛する人が出来れば
本当は彼女に全てを打ち明けたいと苦悩する心
そんな難役を繊細に悩ましく かつ温かく生き生きと演じた
アンドリュー・ガーフィールド とても良かった!
服役して出てきた経験なんて 全くないだろうに
彼の演じた人間は まさにかつて少年Aと呼ばれた人間にしか見えなかった
なので 第三者として見てる側としては
いくら過去に犯罪を犯していたとしても どちらかというと
彼の側に立って 物語を見てしまうのだ
過去があるとはいえ 法的にも許されて社会へ戻ってきたものの
自分の過去を知られてはいけない 素性を明かしてはいけない
自分の姿を写真に撮られたくない 常に見えない何かに怯えて
常に不安を抱えて暮さないといけないのはとても辛い
そして 社会と隔離されてたので
皆がやってることや知ってることを知らない彼
彼が???という顔をしたり おずおずとそれは何?と質問する度に
見てる側は 彼の素性がバレるんじゃないか?とドキドキする

そして そんな元少年Aを まるで父親のように温かく見守る
ケースワーカーのテリー役の俳優もとてもよかった!
少年Aとは お互い信頼関係で結ばれているのに
実の息子とはなかなかいい関係が作れない・・・というのが
とても皮肉で 最終的にあんなことになろうとは・・・という感じで
そして どこか不器用だけど 繊細にストレートに感情をぶつけて
くる彼を愛おしく思う 姐御肌のGFの母親のような愛情もいい
(実際 ちょっと年上すぎない?と思ったけど・・・)
同じように過去に犯罪を犯した青年が出所して
更正生活を送るという映画を作っても
ハリウッドでは単なるお涙頂戴 これでもかな
大感動物語に化けてしまうんだけろうけど・・・
その辺は 地にしっかりと足の着いたイギリス映画
お涙頂戴でもなく 大感動でもなく シンプルに事実を
ありのままに描くだけ 穏やかで鋭利 そして人間臭い
決して後味はよくないけど 見て損はない
今日の映画:78点
ポスターにも載ってる ラストシーンに出てきた
イギリスの海岸によくあるピア
その昔 初めて行った外国・・・
イギリスで イギリス南部のドーバー海峡に面した
ブライトンとイーストボーンのピアに
私も行ったよなぁ・・・と 懐かしく思い出した
(どうもこの映画のピアは ブライトンのらしい
道理で なんだか似てるなぁ・・・と思ったはず)
留学してたロック友達のMちゃんを訪ねて行った旅だったけど
今 Mちゃんはどうしてるんだろうか・・・?
かなり前に 英会話学校に務めてて アメリカ人男
(教師)と付き合ってると聞き その何年後かに
今はラスベガスに住んでるらしい・・・と風の便りで
聞いたけど 元気にしてるのかな~?
by acine
| 2009-12-10 20:37
| Inglaterra イギリス映画