2010年 02月 02日
THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS Dr.パルナサスの鏡 ’09 イギリス・カナダ

ヒース・レジャーの急死で
ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが
ピンチヒッターを果たしたこの映画
かなりキテるんだろうなぁ・・・と思いつつ
最低限の情報 ほとんど前情報なしで見てみました
(最近 このパターンが多いかな) 詳しく:シネマトゥデイ
テリー・ギリアムの映画は”12モンキーズ”以来かな?
(この映画はけっこう好きでした)
しかし この映画 冒頭から パルナサスの鏡の中
もうファンタジー炸裂というか 個性のありすぎる
テリー・ギリアム独特の世界が これでもかと展開されていく
一体 ストーリーがどこへ向かうのかさっぱり予想できない
これはエンディングまで続く感覚・・・
ストーリーを追いつつ テンポの早い シーン展開や
効果音にビックリしながら 訳わからず見ているという感じ
どこか共通項があるけど ティム・バートンの世界とは
また似て非なる感じ

しかも かなりショッキングな姿で登場するヒース・レジャーに
彼の行く末を知ってると ビックリしてしまうけど 正体不明なのに
どこか人間臭さの漂うヒースの演技 とてもいい感じだ
ダークナイト のヒースの演技は強烈だったけど
私は正直 彼の演技自体は アイム・ノット・ゼアとか この映画の方が好き
強烈な役を強烈に演じるより こういう普通っぽい役に
ちゃんとその人なりの個性を出せる演技の方が私は好み
正直 ストーリーを文章にするには とても難しい映画で
あくまでも感覚しかないという感じ
そんなヒースを取り巻くのは ○○の命を手に入れたDr・パルナサス
まるで仙人のよう そしてそしてその娘のヴァレンティナ

演じるモデルのリリー・コール 彼女がなんとも強烈!
ちょっとデヴォン・青木のイギリス版というか ブサ可愛いというか
不細工だったり 可愛かったり 妙に力強かったり 物凄く綺麗だったり
デカいし 凄い胸して ものすごく長い脚して まるで9頭身?という
凄いプロポーションなのに 顔はその辺のジャガイモみたいだったり
その振れ幅が物凄くて尋常ではない・・・という感じ
しかも 雰囲気あって ハスキーな声で演技も上手い
映画を観終わって 一番印象的だったのは 彼女だったかも~
凄い隠し玉がいるもんだな~と思った ドレス姿なんて
モデルだから凄くキマってるし・・・ でもあの顔がついてる
いろんな意味でのギャップがとにかく強烈でした

そして Dr.パルナサス父娘と一緒に興行してまわるものの
ヒースという強烈なライバルが現れ リリーを取られたくない
可愛い若造に BOY Aでも印象的だった アンドリュー・ガーフィールド
彼もけっこう出ずっぱりに近い形で 親しみやすいハンサムな
演技派という感じで彼も好印象 ベン・ウィショーや
サム・ライリーと並び 個人的期待の英国若手の一人
しかし このアンドリューが一番ルックスはよい感じ

そして ヒースの穴を埋めたこの3人
これまた見事! みんな主役張れるクラスの役者なんで
そりゃいいに決まってる よく考えると物凄い豪華な映画よね~
パルナサスと対抗する男に トム・ウェイツも出ずっぱりだし
実は この3人の登場前数分間 朝早かったので
ついウトウトしてしまったんだけど 丁度この3人が出始める
シーンから ちゃんと目が覚めて しっかり見ました
この辺りから ストーリーも急展開するし・・・
ジョニー・デップ:品良く余裕の演技 やっぱり彼はこういう
キテレツ系映画はホントよく似合う けどノーブルさも漂って
すごく素敵でした 今回ヒースを始め この4人の衣装は
白基調で 髪もひっつめてるので なんとなくホスト系(笑)
ジュード・ロウ:すっかり彼が出るのは忘れてた私ですが
顔よりあのM字で あ~!!!ジュードだ!!!と気がつきました(笑)
彼もやはり上手いです まったく危なげなし 危ないのは頭だけで・・・
しかしあんなハンサムで演技も上手いのに 全く包み隠さずってのは
かえって潔くてアンタはえらいっ~!と 堂々のM字に今回感心しました
ぐっと年上のジョニーなんて 生え際全く危なげない感じなのにね・・・
コリン・ファレル: 実は初見 段々と佳境に入った段階での
彼の役はけっこう重要で やっぱり上手かった
だんだんと人間の嫌らしさも出てきたキャラクターに
ピッタリなちょっと野卑な感じがハマってました
何にしろ ヒースからこの3人へのスイッチも絶妙で
凄く自然に仕掛けていて 上手いな~と思いました
よくこんな考え浮かんだなぁ・・・という感じ
映画自体は 説明するのが凄く難しくて
あくまでも感覚映画だと思うんだけど 映像はまるで
ワンダーランドというか遊園地というか
夢で見た夢 目か覚めたらまた夢だった・・・という感じの映像
好き嫌いはハッキリわかれると思うし
私も好きというわけではないけど なんか凄いもん見たな~という感じ
”THIS IS IT” で マイケルが 観客を非日常、未知の領域へ
連れて行こう!と言ってたけど この映画もまさにその系統
気になる方は まず見に行かれたら~?!と思います
これは映画館で見た方が 絶対いいと思う映画
一体テリー・ギリアムの頭の中はどうなってるんだろう?という
感じの独特な映像世界 CGも個性があって凄くいい感じ
(異星人が出てきたり 何かが地球に侵略とか 大津波とか
そんな映画のCGは もうどうでもいいという感じ
なので 巷で話題のアバターなんかまるで興味が湧かない
CG使っても 役者の血が通ってるような映画でないとダメ!)
そんな非日常な世界なのに エンディングは
とても普遍的なものを感じる 凄い映像に意外と
しっかりストーリーがついていってるバランス感が不思議でした
パルサナスは本当はあぁいう普通の人ではなかったのか?と・・・
この映画 テイストとしては
バズ・ラーマンの ムーラン・ルージュ
ザック・スナイダーの ウォッチメン
ティム・バートンの チャーリーとチョコレート工場
トッド・ヘインズの ベルベット・ゴールドマイン
ジュリー・テイモアの アクロス・ザ・ユニバース
そのあたりの映画の断片と どこか共通項がある感じ
強烈な映像とその構成力 でも足して割った感じではなくて
これはこれでまた独自の世界観 こういう個性が
炸裂したような映像美 やっぱり好きです 私は
好き嫌いは別として こんな風にまとめあげるとは
一体頭の中どうなってるんだろう?!系
この人もやっぱり鬼才 凡人ではなさそうです
今日の映画:79点
by acine
| 2010-02-02 23:56
| Inglaterra イギリス映画