2010年 02月 10日
THE LOVELY BONES ラブリーボーン ’09 アメリカ

先週見た Dr.パルナサスの鏡 とテイスト違えど
これもイマジネーションの塊のような映画でした
ただし ファンタジーと思いきや
猟奇的サイコサスペンスでもある異色作
ファンタジー系(苦手分野)なので どうかな~?と思いつつ
大好きな映画 つぐない 〃 DVD で 凄く印象的だった
演技派美少女 シアーシャ・ローナンが主演だし
マーク・ウォルバーグ (も実は私は好き) が
父親役らしいので やっぱり見ておこうか~で見ました
詳しく:eiga.com
※以下 いくらかネタバレあり
冒頭から 私は1973年に14歳で殺された・・・という
衝撃的な少女スージー・サーモンの言葉が繰り返される
家族仲良く 問題はない一家に育った少女が
何故殺されたのか? という辺りの描写から
サスペンスフルであり ミステリアス
かつ 少女が今いる世界 天国でも現実でもない浮かばれない世界
そして 事件 事件後の家族 犯人の姿が
お互いの姿は見えずとも あっちの世界とこっちの世界は紙一重で
接近しつつ 離れつつ 観客だけが 全ての世界を垣間見る
ことが出来るので あぁ~!と思ったり やきもきさせられたり・・・
スージーが殺される理由なんて 本当に不条理で
不憫でたまらないので その多重構造に 一体どうなるのか?
あ~! そんな男についていってはダメよ!ダメ!と
もう ハラハラドキドキしながら 見てしまう
しかも スージーの行く末はわかってるので 余計辛い
この映画 ファンタジーの衣をまといつつ
実は不条理な猟奇殺人(どこかチェイサーの世界とも共通する)
サイコサスペンス色も強いので えぇ~?!?と
そういう系に弱い人間(私)は ビビリながら見てました
が そんなネガティブな部分を救うのは

スージーを演じる 透明感あふれる
シアーシャ・ローナンの無垢な顔つきと心
そして 何故自分はそんな目に合ってしまったのか?
これでは天国へは行けない・・・と思い悩む心がいたいけで
何でこんな子が・・・と皆彼女に肩入れしたくなってしまう
シアーシャは ずいぶん大きくなってたけれど
透明感と無垢さと達者な演技は変わらず・・・
真っ青なブルーの瞳が印象的 顔が細長いので
たまーに馬面に見える時がなきにしもあらず・・・なんだけど
このまま 美しく成長していってもらいたいものだと思う
演技が上手いのは間違いないので・・・
彼女の声も台詞廻しも凄く可愛いと思う
そして スージーの家族の姿もいい

久しぶりのマーク・ウォルバーグの父親が凄く良かった
そっとしておいて欲しいという レイチェル・ワイズ演じる
母親とは対照的に パパっ子だった可愛い娘の無念を
晴らすべ く犯人を追いまくる父親が凄くハマっていた
行きすぎて あんな目に合うなんて・・・!
あの猿顔(褒め言葉!)にほどよくフェロモン漂い
父性も溢れるマークの父親 かなり良かった!
マーキー・マークの頃から知ってるので
こんなティーンエイジャーの父親を演じるように
なったんだなぁ・・・と 時の流れを感じる
しかし ティーンエイジャーの娘から見て
あんなカッコいいお父さんいたら最高!だろうな~
そして やはり欧州的雰囲気漂う レイチェルも手堅く
(マリオン・コティヤールとも似てると思った)
彼女の母親役で現れる 派手目なスーザン・サランドン
この映画 意外と豪華な顔触れなんである・・・
個人的には 後半大活躍した妹役の彼女も凄く良かったと思う
しかし・・・ あの証拠は結局 何にもならなかったのが悲しい
天国でも現実でもない世界から 皆を眺めるスージーが
不憫で そしてあの現場・・・を想像すると
なんとも陰鬱になってしまいがちなこの映画なんだけども・・・
弟が父親に ”そこにスージーがいたよ” と言うシーン
妹にBFができ キスする所を見て 妹に先を越された
嬉しいけど・・・と 涙を流すスージー
そして 殺された娘たちが 笑顔で現れて
皆で天国へ行こうというシーン
そのあたりのシーン 思わず・・・涙でした
それにしても あの犯人のスタンリー・トゥッチ
もう嫌らしいほど のらりくらりと気持ち悪く 淡々と仕事をこなし
本当に こ憎たらしくて マーク!あんな奴やっちまえ~!と思ったり
何かに感づいた妹が 行動を起こすシーンにも
ハラハラドキドキしながら 見入ってしまってました
しかし 現実は悲しい・・・
ハリウッド映画にしては 珍しく エンディングが曖昧で
これで終わり?という感じで 救いもなかった感じだけど
パパっ子だったスージーの部屋に 母親が入ってくるシーン
父と娘の関係が凄くよかったので なんとなく母親不在っぽく
感じていたこの映画で 彼女もスージーのことを思うばかり
なかなか部屋に入れなかったんだな・・・と思ってほっとしました
デートするはずだった男の子とささやかな想いを遂げるシーン
(この黒目がちのこの子も良かった)
釈然としないものの 後味は悪くない

見終わって 思い出すのは
シアーシャの透明感と少女らしい愛らしさと戸惑い
この辺りでも 彼女を起用してからこその映画 という感じ
そして 彼女がいる世界・・・
冒頭にイマジネーションの塊と書いたけど
天国でも現実でもない世界なんて 誰も知らないわけで
しかも 普通に死んだのではなく 殺された人間・・・
しかも14歳で・・・ そんな人たちは どうしているのか・・・?
そんな想像の世界を 垣間見れたのも不思議な感覚
そして 紙一重とはいえ 決してクロスすることのない
あっちの世界とこっちの世界のもどかしさがよく描かれていたと思う
エンディングで えぇ~?音楽はブライアン・イーノだったんだ~!
と驚きました この辺も凄く豪華
こういう観念的世界とB・イーノ 合わないはずがない
かなり異色の映画だと思うけど 私は嫌いじゃないな~
予想以上に怖かったけど・・・!
あっちとこっちの世界は紙一重
そして 突然殺されてしまった人間の魂の行方とは・・・?
こういう映画もアリだと思う
あと時代背景の70年代の雰囲気・ファッション
そのあたりもいい感じだった
今日の映画:78点
しかし この映画の公開前くらいから
シアーシャ・ローナンで検索して 来られる数が物凄いんですよ~
by acine
| 2010-02-10 00:41
| Estados Unidos 米映画