2010年 02月 11日
跟蹤 天使の眼、野獣の街 ’07 香港 (WOWOW)

12月に録画し損ね 1月に無事録画
やっと今頃見ることが出来ました
監督のヤウ・ナイホイは ジョニー・トーの映画
ザ・ミッション/非常の掟 PTU エレクション の脚本を
担当してた人で 今回初監督作 そして トー先生も製作で参加
監視を専門とする女性捜査員と捜査班
そして犯罪組織を追う 焦点をぐっと絞ったストーリー
思ってた以上に 派手さはなく とても地道な感じ
クサくなく サラっとしているけれど 程良い緊張感とヒューマニズム
地に足のついた 好感のもてる佳作だった
詳しく:映画の森
こういうタイプの映画を作らせると 香港は本当に上手い
冒頭から あっちこっちに張ってる人たち
どっちが警察側か 犯人側か さっぱりわからず
段々と 誰がどういう立場がが 明かされていくのが絶妙
そして あちこちにバラまいた捜査員たちの配置も
ほほぉ~という感じで すごくリアリティがあるように思えた

そして こんなジャンルの香港もんは何とも言えない魅力がある
別に体格のいい いい男が出てなくとも
こういう香港映画の男たちは 何ともいぶし銀的魅力
デブってようが 普通っぽい人であろうが なんとも魅力的
そして 今回 改めて思ったのは 香港の街の魅力
ゴミゴミしてて 決して綺麗なところばかりではないけど
あの坂道 あの裏通り あのビルの谷間 店先
なんともいえない磁力というか引力というか・・・
キャストたちの姿と共に しっかりと映像に存在してるよな~と
改めて思った あの香港の街並みや空気感もしっかりと
キャストの一部というか メインキャストなんだと思う

今回の主役は サイモン・ヤム演じる上司からの指導を
受けつつ 犯人たちの監視を続ける女性新人捜査員のケイト・ツイ
いかにも香港的なキリっとした目と顔つきで
愛想もよさそうじゃないし 上司から捜査員には見えないと
いう感じがとてもハマっていたと思う
冷静に監視を続ける中 刺された警官や上司の血を見て
動揺する姿は 捜査員とはいえ人間
普通の女の子っぽさが漂っていて そんな描き方もよかった
そして 指示をする上官?を演じていた
おなじみのマギー・シュウ 彼女も濃い顔で
男らしい台詞まわしで これまたハマっていた
こういう系映画で 女を使うのが どうも下手な香港映画
だけど 今回は女性の使い方はバッチリ!という感じ
女を美化したり 幻想したり 媚売らせるより
こういう風に クールに女優を使った方が絶対いい
香港の女優はこういうテイストにピッタリだから
中途半端に使うなら 別に女は出なくていいとさえ思う

そして 今回は意外や意外 とてもソフトな役のヤム兄さん
新人の彼女をまるで兄や父親のように見守り
兄さんどーしたん?と思う えらい腹ボテだったものの(笑)
とても人間味のあるいい役だった 別に怖くなくても
脂ぎってなくても(笑) こういう普通のヤム兄さんも凄くいいな
そして いつキレてくれるかな~?!と楽しみにしてた レオン・カーファイ
こちらも意外にも 淡々としていたものの 手堅くまとめていた
しかし この人もホント年をとらないな~ エンディング付近
ケイトに近づき同席し・・・のシーンもソフトながら その後は鋭く
静けさの中にスリリングさも感じさせるのはさすが
そして デブと延々呼ばれていた(笑)ラム・シュー
いつもながら この人の姿を見ると なんだかほっとするのは何故?
今回 俳優陣は 割合ソフトな感じで
程良い緊張感と 程良いヒューマニズムを醸し出していた感じ
派手さははなく 淡々としてるので
あのエンディング近くの雨のシーンは清々しかったし
妙に可笑しいシーンも生きてたと思う
いつも何かラム・シューが食べてたり(笑)
緊張してる最中 着替えしてるお姉ちゃん皆で見てたり・・・
テンション上がりすぎず
程良い緊張感が終始続くのがよかった
今日の映画:77点


’06年に香港へ行った時 撮ってた
中環(セントラル)の ビル間の連絡橋的通路
この映画にも 丁度この辺が出てきてたので UP
ロシア製のトイカメラ LOMOで撮ってるので
レトロであり 近未来的であり 面白い感じになりました
by acine
| 2010-02-11 13:03
| Hong Kong 香港映画