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特典のポストカード付      前売り買った!


by acine

Los Abrazos Rotos 抱擁のかけら ’09 スペイン

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スペイン版はこんなカッコいいポスターだったのか~!
まさにアルモドバルカラー一色という感じ

スペイン語の映画が見たくてたまらない 
スペイン語をむしょうに浴びたくなる

そんな気分だったので 丁度よかったです

しかも ”UN FILM DE ALMODOVAR" 言うことなし

ペドロ・アルモドバルが  前作ボルベールと同じく
再びペネロペ・クルスとタッグを組んでのこの作品

男を描かせると上手いのは当然 
そして女を描かせても上手いっ!と唸りたくなる アルモドバル映画
そんな女たちを描いた前作より 男女のバランスがほどよいこの映画

Los Abrazos Rotos 抱擁のかけら ’09 スペイン_e0079992_2236523.jpg


ここ数年の作風と比べると ぐっと抑え目で
シンプルな小作品 という感じのこの映画
詳しく:東京美術通信

映画内で撮られる映画 
映画と現実の行き交う感じが れまたリアルで 
スペインらしく濃くて 全て本能で動いてる感じ
この理性控え目というのが スペインらしくていい

しかし いつも思うけど ペネロペ・クルスは 
やっぱり スペイン語映画に尽きる!と思う
 (個人的にペネロペは好きでも嫌いでもなく普通)

ステレオタイプなラテン女をいつも求められる英語映画に比べると 
スペイン語を喋って そこにいるだけで ぐっと本来の彼女が持つ 
役者としての幅や奥行きがしっかりとそこに滲み出てくる感じ
女優ペネロペ・クルスを見るなら 絶対スペイン語映画だと思う

女優志望の大企業の社長の愛人という立場の役柄
自ら売り込みに行って もう一人の主人公である作家
マテオの映画に出ることになるんだけど・・・

Los Abrazos Rotos 抱擁のかけら ’09 スペイン_e0079992_22373810.jpg


映画撮影中から 作家といい関係になったのに 
嫌々その社長と週末を過ごさないといけないイビサ島・・・
実際に吐いてしまう位 そのエロオヤジが嫌になった彼女 
オヤジがベッドで死んだふりをするシーンで 
(やれやれ) 丁度よかったわ (ふん) という感じの
しらーっとした雰囲気と顔が絶品だった ↑ ↑ ↑

前半は ヘップバーン風にしても キツい顔だなーと思って
見てたけど (この前のNINEのマリオンの方が私は好み)
このイビサのシーン辺りから ペネロペ圧巻でした
タイトなスーツも いいとこの奥様風スーツも 凄く似合ってたし
普段のスケスケな夜の格好やら スペインらしい濃い感じの
雰囲気の衣装が凄く似合ってたし 中盤からの演技も上手かったなー
しかも 脱ぎ惜しみを全然しないところも 欧州女優らしい

作家マテオも 社長も上手かったけど 
どうも 受け付けないタイプだったのでノーコメント
そして男顔のジュディットと息子のディエゴ 彼らも上手かった
気持ち悪い社長の息子や 読唇術の女性(前作でペネロペ姉役の人)
とか 皆脇役もキャラがちゃんと立ってるのがいい

しかし 今回張ってあった伏線は 私にしては珍しく
すぐに読めてました やっぱりそうだったのかーって  

なので 意外とシンプルなストーリー運びで 
映画にまつわるお話 そして少しサスペンスフル
濃い濃いアルモドバル映画としては 比較的淡白という印象でした

Los Abrazos Rotos 抱擁のかけら ’09 スペイン_e0079992_22462622.jpg


今回も楽しませてもらったのが アルモドバル独特の色彩のこだわり!
音楽も今回はシンプルだった分 色を存分に楽しませてもらいました
いかにもスペイン的な色遣い・組み合わせで 私は大好きなんだよなー

マドリッドの家の内部のブルーの壁 木の部分
やわらかく窓際から入る日差し 壁にかけられた十字架

そこにいる人たちの衣装 まるで絵の中にキャストたち
がいるようで 今回目についたのが赤とターコイズブルー
常に同じ絵に入るキャスト同士の衣装と背景まで
きっちり計算されてる細やかさ なのに全然わざとらしくない

そして まな板の上の原色のトマトとニンニクとズッキーニ
ソファの貼地の柄 壁に飾ってる絵 テーブルの上のピンクの花
色も分量も丁度いい感じ そして白い壁に赤いカーテン etc etc

全てにこだわり 細かく意識が配れてて いつもながら感心しまくり!

アルモドバルのこの美意識とこだわり たまらなく好き! 
程良い洗練され具合と スペイン的な強めの土着な味わいが
共存するのも ものすごく好みなんだよなぁ 

アルモドバル・・・センスいい人だなーといつも思います
音楽の使い方も曲選びも 同じくセンスいい

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個人的に凄い~!と思ったのが あの社長の邸宅!
この階段の場面なんて なんて綺麗なんだろうー!とうっとりしました
この内装に赤いスーツを着たぺネロペが歩いてくる・・・ 美しすぎる!
”シャネル&ストラヴィンスキー”の家も凄かったけど この家も私凄く好み

この人の家 木やアイアンや大理石を使ったクラシックな家なのに 
壁には赤やピンクのヴィヴィッドな拳銃の絵画が 
デカデカと飾ってあって これが物凄い似合ってて 
こういう組み合わせがありなのかー!と 感心しました

色彩 組み合わせ インテリア 
こういう細部まで こだわりまくるところが とにかく私はツボ

今回はストーリーがスッキリしてる分 アルモドバルの色遣い
そういう部分を気楽に とても楽しませてもらった感じ

今日の映画:79点

次作は メキシコの星 ガエルくんでも またぜひとも使って欲しいわー! と思う
もしくは スペインのグアポ エドゥアルド・ノリエガ 
もしくは アルゼンチンのグアポ レオナルド・スバラグリア あたりを希望!
by acine | 2010-04-07 23:06 | España  スペイン映画