2011年 05月 11日
BLACK SWAN ブラック・スワン ’10 アメリカ

見た当時 度肝を抜かれた
レクイエム・フォー・ドリーム から8年
その後の最近二作(タグ参照)
前作:老レスラー再生物語はまぁまぁ
前々作は妙な悟り物語で・・・???だったけど
監督ダーレン・アロノフスキーが 予告を見る限り
今回はやってくれそうで期待度大!
病む人 病んでいく人 その過程を描かせたら
彼の右に出る人はいないんでないか?と思う
その狭く深いエリア内の世界を 万人にわかりやすく
かつ 恐ろしく 説得力大に 神経衰弱すれすれに
画面へ引きずり込み インパクト大に描く手腕は凄い!
今回はレクイエム同様 まさにその路線!
その予想は当っていて バレエの主役を狙う
主人公ニナを演じるナタリー・ポートマン
詳しく:シネマトゥデイ
小顔で美しくまさにバレリーナの雰囲気にピッタリで
実際に踊ってるのは9割位本職という噂も
気にならないくらい 違和感がなく自然
以下 多少ネタバレあり

しかし どうもそんな競争が厳しい世界で生きていくには
どうも真面目で繊細で 殻が破れない彼女
登場したてから そんな不安オーラが充満していて
こんな競争厳しい世界でやっていけるの?
これは病むよ~!と思っていたら 段々とそっち方面へ
これは夢の中? 現実? 妄想?
そんな世界へどんどんと向かってしまう
見てる側も どこまで現実? どこまで妄想?
彼女同様 引きずられていくので 怖い・・・!
顔は怖いけど さほどワルではない ヴァンサン・カッセルより
ライバル?ブラックスワン?本人? な セクシーなバレリーナ仲間や
突っ立てるだけや 笑ってるだけでも とても怖い母
そして 完璧にヒール役なウィノナ・ライダー
女どもの心の奥底がメラメラとかつほの暗くて 妙に怖いのだ・・・
そんな女たちより 怖いのが 今回
鏡だったり 水面だったり 爪だったり 爪切りだったり・・・
何より 地下鉄の通路 アパートの通路 練習場の通路などの
ほの暗い部分 あのうす暗さが 主人公の心の闇を表してるようで
不安定な感じで妙に怖かった そして そんな鏡に映る○・・・!
心理的に怖い部分も多いけど 今回は多分ホラー的演出も
けっこうありで というのは・・・ 私はホラーは大の苦手なので
3.4か所 あー! もうダメだ! で 目をつぶっていたので
きっと 肝心な部分を見れてないと思う(笑)
だけど 清純派ナタリーを使ってのブラックスワンとの葛藤
今回も 病んでいく人・その過程 を描かせたら 天下一品!だった
アロノフスキー監督のこの映画見て凄い!と思ったら
”レクイエム・フォー・ドリーム” 見てください
今回は登場シーンから 病んでも致し方ない雰囲気の
バレリーナだけど ”レクイエム” は もっと普通の人たちなので
余計怖いし その救いようのなさが極めてたというか
個人的には ”レクイエム”は超えなかったけど 見ごたえ十分でした
しかし これは体調悪い時や 疲れてる時見ると
見てる人まで その病んでいく演出力が冴えわたってるので
向き合うのにもパワーがいる かなり怖い映画だと思います
ナタリー・ポートマンの役だって 一歩間違えたら
そのまま病んだっておかしくない役だと思うけど
健全な精神の持ち主で良かった・・・!と安心
しかし 本当に こういうバレリーナや女優って
まさに 自分を切り売りする仕事で
誰ばれ真似できない仕事だな~と思う
↑に限らず 頂点を目指す人ならではの
神々しいまでの気高さ そして その反面の孤独さ
紙一重の立場が存在してるんだろうなぁと思う
もしくは さほど悩まず スパっとその辺りに
綺麗に線引きできる人がいたら もの凄いことだと思う
今日の映画:80点
by acine
| 2011-05-11 22:56
| Estados Unidos 米映画