2005年 11月 16日
親切は怖い 親切なクムジャさん ’05 韓国

昨年見終わって 呆然自失した
オールド・ボーイ のパク・チャヌク監督 復讐3部作の最終章
復讐者に憐れみを は残念ながら 見れてないけれど
インパクト大に違いない それは充分予想できる これは見るしかない!
この監督の作風 好き嫌いは別として
観客に どーんと衝撃を与えるのが ものすごく上手い
ただその方法は かなり残酷 残忍だったりする
伏線は張られていても コトは直接的 目には目を 歯には歯を
そして ドロくさい部分を描く 誰もが持ってる人間の恥部
隠したい 目を背けたい部分を そのものズバリ描く
このあたりも 好き嫌いがハッキリ別れるところ
嫌悪感を感じる 肌合いが合わない人も少なくないと思う
後味も決してよくない
それを別としても 描き方 ストーリー
キャストを洗脳したかのように まんまと演じさせる力
その武器で 観客の思惑なんて そっちのけで
スクリーンへ引きずり込む その力技はやはり凄い
そして 決して予算はかかっていないと思うけれど
賛美歌・クラシック・英語の歌 音楽の使い方も上手い
セット 大道具 小道具 王家衛の影響がありそうな部屋 色使いも個性的
クムジャさんの部屋の 赤と黒のゼブラ模様もすごく効果的
こぎたない場所 普通の場所 何でもない場所を
個性的に見せる演出 この監督のそんな部分も私は好き
オールド・ボーイでは 父と娘がテーマだったけれど
こちらでは母と娘 テーマ自体も前回ほどは歪んでいない
服役から解放された イ・ヨンエ演じる クムジャの復讐
その美貌 静かな中にも 爆発力を持った彼女の演技は説得力がある
彼女を見ると ムシャクシャした時は
自分もつい赤いシャドーを 使いたくなるかもしれない?!
指の○も癒えぬ間に 復讐へ突き進むのであった
そして 前回とはまたタイプ違った チェ・ミンシクの演技もさすがに上手い
カメオ出演するお馴染みの面々 わかった時はうれしい
韓国の俳優さんも本当に 面構え 骨があってよし
オールドボーイ同様 段々ストーリーが読めてきて
え?そんなはずはない?! これは映画の出来事だから
と考えつつも スクリーンから目が離せなくなる
そして・・・ え~?!?!
こんな普通じゃない待合室(廊下)や共同作業はないよ~!
うそ?! こんな展開と思いつつ この監督の本領発揮
果てしなく 親切なクムジャさんなのだ
この人の親切を受けると 逆にものすごく大変な気もする
親切とおせっかいは紙一重かもしれない
クムジャさんに親切にされると 絶対大変!
個人的には前回同様 好き嫌いは別として 映画としてはやはり凄い
衝撃・考えさされるという点では オールドボーイの方が上
だけど今回も これはまた別の復讐の描き方
後味は決してよくないけど こんな感覚で見る映画もなかなかない
こういう映画こそ 映画館で見るべき
それにしても 自分のことはさておき えらい観客の年齢層が高くてビックリ
多分ドラマ好きのご婦人方が 大勢だと思うけれど
この映画のノリ あの方たちには 刺激的すぎたのではないかな?
大丈夫だったんだろうか? この映画の長所わかったかな?
ちょっと辛口 ついいらぬこと 考えてしまった館内でした
今日の映画 81点
それにしても この監督は残忍なシーン とても怖い!
正直・・・血が出る・ホラー系 大の苦手だけど
映画の中で必要なシーンとして 描かれるのでその間は目をつむる
あっと驚く 皆で共同作業も 本当にここまでするか?の過激さ
いくら恨みあっても あんなことしたら 絶対うなされそうに決まってる
その後の人生に支障出そうだけど! 映画だからいいのかな?!
その後のケーキ 天使 のくだりが 何ともシュール
普通食べ物なんか 食べたくないと思うけど?!
韓国映画ならではの描き方 熱さ 恨み
そして 奇妙な連帯感を持つ彼ら このあたりが独特の味わい
やっぱり 好き嫌いはハッキリ別れそう
あとは好き嫌い関係なく 勢い 力技にひれ伏すか?
そうされたいから つい見てしまうんだよなぁ 私はこっち派
by acine
| 2005-11-16 23:44
| Corea 韓国映画