2006年 07月 04日
アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶 ’03 スイス・フランス

Henri Cartier-Bresson のドキュメンタリー
バックグランドは知らなかったのだけど
きっと誰もが知らず知らずのうちに
彼の写真を1枚2枚と 目にしたことあるに違いない
予告編が興味深かったので見ることにした
一言で言うと
まるで美術館で 彼の作品展をじっくり見ているような映画
映画というより 良質なドキュメンタリーそのもの
彼の説明付で 紙芝居のように 次々と出てくる写真たち

フランス スペイン ユーゴスラビア ドイツ ロシア
中国 日本 インド インドネシア etc・・・
世界中で撮られた彼の写真は
静かな中にも 凛とした構図の美しさ 自然さが光るものばかり
単に外国へ出かけて写真を撮るというのではなく
何気ない写真でも すべての瞬間に
彼が居合わせた必然性を感じる写真たち
歴史上の様々な出来事に彼は遭遇している
ベルリンの壁ができた時 パリ解放 ガンジーの死
それは単に彼がそこへ居合わせたというより
神が知らぬ間に彼を誘導し巡り合わせた・・・ような気がする
静かに流れるピアノの演奏に載せて
彼の写真 彼の言葉 彼を取り巻く人たちのコメントが
淡々と続くので 興味がない人にはつらいかもしれないけれど
写真に興味がある人 写真家の仕事・視点に興味がある人
世界のいろんな風景を見たい人 写真を見るのが好きな人
美しいものが好きな人にはおすすめ
彼の写真は静かで雄弁
彼の佇まいも言葉も同じく・・・
瞬間瞬間を大切に 切り取った写真は
見る人に 静かに 彼の思いを感じさせる
大変 品格のある作品たちだった
今日の映画 72点
◇この収録の後 彼は’04年に逝去しています 合掌
by acine
| 2006-07-04 18:21
| Francia フランス映画