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by acine

LAST DAYS ラストデイズ  ’05 アメリカ

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全くもう巡業はラストの段階ではないかー?と思う頃 やっと鑑賞 *ネタバレあり

ガス・ヴァン・サント監督 マイケル・ピット主演
90年代の伝説的ロックバンド ”ニルヴァーナ”の
今は亡きカート・コバーンの最後の日々を追った映画・・・と思っていた

特にファンというわけでは なかったけど
ニルヴァーナの曲やアルバムがヒットしていた時代 
K・コバーンが自殺したこと リアルタイムで知ってる世代
&もとRock好きとしては 見ておかねば・・・ね

マイケル・ピット演じるブレイク
森の中を彷徨い 川に飛び込み スコップを持って
バンドのメンバー&そのGFと同居している屋敷を 
彼らを避けるように出たり入ったり・・・ 延々歩いてみたり
ラリって挙動不審で ブツブツ独り言を言ったり 
女物のスリップを着て 銃持ってウロウロしたり
BOYZ Ⅱ MEN のMVを見ていたり(!)
食事を作る手もおぼつなかい 死んだように寝っころがっていたり
完璧に挙動不審だと思っていたら
かと思えば ちゃんと歌いギターを弾いていたり・・・
まともな精神も ほんの僅かは保っていた 

淡々と そういうシーンが続いていく中
彼が薬物の厚生施設から 脱走していている最中らしいというのがわかる
そして 自ら命を絶つまでの風景が 変わらず淡々と映し出されていく

だけど それが余りにも孤独なのだ
結婚してたはずなのに 彼女の姿は他人宛の電話のみ 
バンドのメンバーだって 仲間のような 全く赤の他人のような
仲いいのか 全くそうでないのか よくわからない
何とも不思議で希薄な人間関係
興行がらみの連中も 自分の利益だけ優先する

そんな中 誰からも見放されたように 
自ら見放しておいてくれと言わんばかりに 孤独を貫くブレイク・・・
ミュージシャンの苦悩 とても人気者とは思えないような生活

マイケル・ピットは そんな孤独の中にも 時折純粋な部分
僅かの狂ってない部分も 垣間見せてくれたような気がする
ただ 本物のカート・コバーンはもっと骨太だったような気がしたけど
マイケル・ピットが演じると・・・ 
スウェーデンヒッピー風 カート・コバーンという感じがした
*何となく・・・ね ファンの方 すみませんね

あまり前情報押さえないまま行ったので
私はてっきり カート・コバーンを演じてるものと思っていた
でも マイケル・ピット演じる主人公は
カート本人ではない 名前もブレイク・・・
ラストで 監督のこれはフィクションという
クレジットが出た段階で やっとクリアに(遅すぎ!)

これは監督が カートの終焉の日々は こんな感じだったんだろう
そう思いたい そうだったんじゃないか・・・と愛情を持って描いた 
カートへのオマージュ ハッピーではないファンタジー
監督の創作”ラストデイズ”というのが正しい

そうして 本物のカートは 自殺という幕引きで
安堵の地を見つけたのだろうか? と ふとそんなことが頭をよぎる

というわけで 衝撃的でもなく ドロドロしてるわけでもなく
思いのほか 淡々と静かな作品だったので
好き嫌いははっきりわかれるかもしれない 私は中間かな

ガス・ヴァン・サントが好きな人 マイケル・ピットが好きな人
カート・コバーンやニルヴァーナが好きな人 90年代のロックが好きな人
アメリカのインディものが好きな人 あたりにのみおすすめ
万人向きではない

今日の映画 70点
by acine | 2006-07-09 21:26 | Estados Unidos 米映画