2006年 07月 12日
大事件 ブレイキング・ニュース ’04 香港 (DVD)

強盗団を獲り逃がし 信頼を失った警察の威信をかけて
犯人を追う一部始終を 機動隊員につけたワイヤレスカメラで
TV中継するという 警察が仕掛けた前代未聞のショーを追う というドラマ
そんなのあり?!という ありそうでなさそうな設定
いやなさそうで今の時代ありえる? という設定のもと
どんな風に料理するのか? 監督:ジョニー・トー
市街地の団地(多分九龍)を舞台に 犯人を追う警察官たち
リッチー・レン演じる大陸の強盗団+仲間
押し入った家に居合わせた ラム・シュー親子
そして これまた居合わせた大陸の殺し屋2人
投入された機動隊(PTU)
ケリー・チャン演じる警察の指揮官+面々
それを取り囲む多数のメディア
狭いエリア(団地の廊下、部屋)を利用して
シンプルなストーリーの中にも タイミングの美
ジョニー・トーらしい 様式美が光る
逃げる犯人たちの距離感
それを追う警察官たちのバラつき感
狭い廊下を独特のテンポで進む警察官
団地を取り囲むメディアの集団
何とも絵的に 絶妙なフォーメーションというか バラつき感
これしかないという配置 人数 距離感 何とも職人技!
こういう部分 いつもながら ものすごくこだわってる監督だと思う
そして 犯罪ものにしては 不思議とゆったりしたテンポで
間合い 時間の進み方 これも独特の味わいを感じる
膠着してる状態にも関わらず
犯人が楽しそうに 野菜を切り 中華鍋を持って ご飯を作り
犯人と人質が一緒にご飯を食べてる図は
食にこだわる香港(中華圏)にしか 作れない図かもしれない
独特の間合い 空気感 ユーモラスで 何とも面白かった
あとメディアに 警察も弁当配るところも面白すぎるし
そのメニューまで放送するなんて(笑)
一部始終を中継するなんて やりすぎ感のあるところも 香港映画らしい
メディアのカメラマンも いつでもシャッター切りすぎでやりすぎなところも(笑)

いつもは穏やかな雰囲気のリッチー・レンも 今回は一重の目も鋭く
時にはユーモラスに 見事に犯人を演じきってたと思う
台湾出身の彼にはピッタリな北京語を喋る役だったけど
本当に 香港映画での犯罪者・・・黒社会の人間じゃなかったら
大陸出身者という設定は 確立されたジャンルになりつつある感じ
しかも今回の犯人達は バックを斜めがけにしたりして
なかなかスタイリッシュだったりするのも 監督のこだわりかな?
音楽もジャズっぽくて 意外とコジャれてたような気がする
ケリーは正直 警察の指示をするクラスの人間には見えないんだけど・・・
でも あの硬質な持ち味がハマってたともいえる
でもやっぱりあの三白眼は苦手だな 怖い
ジョニー・トー映画でお馴染みの そこにいたんだ!ラム・シュー
やっぱり脂ぎってますサイモン・ヤム 今回は華やかだったマギー・シューも◎
何にしても いいかげんではない
きっちりと作り上げた 香港映画には間違いない
今日の映画 77点
過去のジョニー・トー監督作:
ターンレフト ターンライト ザ・ミッション/非情の掟 PTU
by acine
| 2006-07-12 13:03
| Hong Kong 香港映画