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by acine

THE KING   キング 罪の王  ’05 アメリカ

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ガエル・ガルシア・ベルナルが出るアメリカ映画

常々思うが ガエルの持ち味が生きてくるのは 
やはり断然スペイン語圏映画 そしてスペイン語で演技する映画
文化背景も違うし 話す言語によって映画のリズムや空気も変わると思う

どうも英語圏が舞台 英語を喋る役だと 
なぜかガエルの持つスケール感がちんまりとしてしまう
どうも淡白な生活・人たちの中に どう見たってやはり濃いめのガエル
これでは 彼の持つ良さが全て活かしきれない・・・と思う私

今回の映画は かなり自然にフィットしてたと思う半面
でも やっぱりスペイン語喋るガエルが見たいなぁと思う

*ややネタバレあり

海軍を退役し 父親の牧師を尋ねるエルビス(ガエル)
結婚前の遊びで出来た子供故  
簡単に家族に紹介するわけにはいかない父親
家と家族に近づくな・・・とそっけなく追い返す
そこでガエルは 異母兄妹になる彼の娘に近づく・・・というストーリー
ということで 大体の筋は想像できる出だし

アメリカの片田舎(多分)の牧師一家
敬虔な心を持ちつつも どこかうさんくさくて商売牧師(?)のような父親
父親の影響で信仰心の厚い息子・・・ そして教会に集まる人たち
信じることはいいことだけど その信仰心がうすら怖いような気も

そんな一家に近づくガエルは明らかに異質な存在
純粋でどこか狂気をはらんだ静かな佇まいで
静かに大胆に 一家にだんだんと忍び寄る
妹を誘惑し それを見つけた兄(ガエルからいえば弟)を・・・
偶然なのか? 計画的なのか?

そして 意外にもさっさと妹に ある告白をしてしまうガエル
兄が行方不明なのに ガエルに簡単についてしまう妹
そして 息子が行方不明なのに あんなにつっぱねたくせに
息子のかわりに(?) ガエルを何故か急に受け入れる父親
やってることがバレたら大変なのに ガエルも堂々と家に住む
そして 牧師である父親もミサで 急にそんなことを・・・?!
そんな屈辱的なことを公衆の面前で言われたガエルも
普通に受け入れる・・・? そして皆に祝福される?!
このあたりが かなり不思議な展開

お互いが抱えてるヒミツなんて すぐバレそうなのに
なんで そういう行動をするかな~?と 
見てる最中も この映画の現時点での出来事が
理解しずらくなってくる え?これは大事(おおごと)じゃないの?!
なのに この人たちのやってることは何?!
展開に はぐらかされ続けるので 余計把握できない
先は見えてるけど いつコトが起きるのか・・・?!
と見てるこっちも この映画どうなってるのか?と
だんだんと疑心暗鬼になってくる

孤独なガエルと 一見絵に描いたように幸せそうに見える父親一家
ガエルの住むモーテルのさびれた一室と
まるでインテリア雑誌に出てきそうな美しい父親一家の家
ガエルのオンボロ車と 高校の卒業祝いに息子が買ってもらった新車のRV
小柄で精悍なガエル ぬくぬくと育った温室育ちのひょろっとした息子
遊びで出来た子と 妻との間に出来た子
ものすごく境遇に差がある・・・というわかりやすい二組

日陰者であるガエルが 卑屈になってるかというと
彼の持ち味でもある清らかさからか そんな風にも見えない
だけど あの瞳はどこか狂気もはらんでいるから ミステリアスな雰囲気に・・・
だけど彼の感情や思いは ほとんど映画上では映されない
陰りがあるようで屈託がない 屈折してるようで何も考えてない・・・?
ストーリーが読めない雰囲気を作っていたと思う
それか 単に脚本が破綻してるのか・・・

ガエルじゃない俳優が演じたら 
独特の透明感や静かな中にも持つ感情
この映画から なくなってしまっていたかもしれない
それを考えると やっぱりガエルでないとダメだったのかもしれない

だけど ガエルがアメリカの田舎町 
この題材にフィットしていたかというと別
やっぱり違和感がどこかある・・・
彼の持ち味が生きる世界は 他にもいろいろありそうだけど

でも背景はどうであれ ガエルにはアンモラルな世界がよく似合う
近親相姦 神への冒涜 同性愛 殺人etc・・・
自ら飛び込むというより 何故かそういうものに巻き込まれていく
きっと そういう一筋縄でいかない役&映画が好きなんだね
そんなドロドロの中 甘くセクシーで 人間らしいドロくささもあり
狂気も隠し持ち 清涼感も何故か漂うという 稀有な存在だと思う
オーソドックスな王道ラブストーリーで 大甘ガエルも見てみたいけど
そういう映画には なかなか出ないだろうなぁ

というわけで なんとも感想書くのが 難しい映画です 
自分でも何が言いたいのか わからなくなってきました スミマセン!
そして 単なるガエル感想になってしまいました
ヘンな言い方だけど 人間の嫌な部分を妙に淡々と描いてる映画
決してドラマティックではないし あまり共感もできない

個人的には
ガエルは紙の王冠をかぶったけど 罪の王は父親だと思う

今日の映画 74点

ガエル映画:ドット・ジ・アイ モーターサイクル・ダイアリーズ バッド・エデュケーション



仕事絡みで行った大阪で鑑賞
キリアン・マーフィーの”麦の穂をゆらす風”と
どっちにしようか迷ったけど ↑は比較的近々見れそう
かつすごくヘビィそうな映画なので 仕事のあとだし今回はこっちに・・・ 
でも これも問題作でしたが(笑) 麦の穂とは性質が違う

レディースデイのせいか それはもう女性だらけ・・・
きっと皆 ガエルくん目当てでしょう 当然・・・私も!(笑)
ほんと ガエルはちっこいけど 精悍で セクシーで 可愛い
そしていつもながら 本当に上手いんだけど 
やっぱりガエルは スペイン語圏の濃い世界の方が似合うなぁ 
と思ってしまった・・・ ひつこいですが・・・!

日本の映画やドラマで 金城武の持ち味やスケール感を
生かせないのとちょっと似てるかな・・・ 
もてあまし気味になってしまうというか・・・
by acine | 2006-11-30 00:52 | Estados Unidos 米映画