2007年 08月 28日
CLEAN '04 フランス・イギリス・カナダ (スカパー)

’04 カンヌ映画祭で マギー・チャンが最優秀女優賞を取った映画
そんな映画があったな~と思いつつ 日本未公開のままだったっけ?!
何を隠そう 私はマギー・チャンが大好き!
私の中では 東のマギー 西のケイト 女優版横綱だ
ラブソングで 彼女のことが大好きになり
HEROで トニー同様 彼女の凄さを再認識
姐御マギーに比べたら ツィイーなんて単なる小娘だ
マギーには どこまでもついていくわ!と思った
監督は この映画の撮影中に彼女と離婚した オリヴィエ・アサイヤス
彼女と知り合った仏映画”イルマ・ヴェップ”も公開当時見た・・・
その映画の記憶・・・
黒いピチピチのビニールスーツ姿のマギーと
街同様 フランス女優の乾燥気味の肌の質感と比べて
アジアの湿気をまとった マギーの保湿力のある美しい肌感が印象的だった
モノクロの映画だったと思うけど 肌の質感の違いをよく覚えている・・・
(面白くなさそうな)ニック・ノルティが共演?
(ぶっ飛んだ)ベアトリス・ダルも出る?
ミュージシャンの夫がいて 薬物中毒だって~?!
どうなのよ?と首をかしげるキャスティング&設定・・・ ストーリー:コチラ
製作国に名を連ねる通り カナダ、イギリス、フランス、(最後アメリカ)が舞台
なので マギーも英語、フランス語、広東語を駆使しての演技
香港の女優だけど イギリス育ち 元旦那はフランス人ということで
見た目は 思いっきり中華的なルックスをしてる彼女だけど
そのコスモポリタンな背景 年を経てもスッキリとスマートな体型
女優としても ワールドクラスの演技力を持つ故
西洋が舞台でも違和感なく よい意味での無国籍感を醸し出す
前にも書いたけど 東洋の女優の肌質感はとても瑞々しく
綺麗なので 正直 あんまり薬物中毒に見えなかったり・・・
ミュージシャンの妻役ということもあって 物凄く爆発した髪型だったり
するんだけど それは彼女の演技の何の邪魔にもなってない

正直 マギーの演技は地味目かもしれない
彼女としてはこの位は余裕 平均的なアベレージだと思うけど
設定からすると 何も別にこの役を東洋人の彼女がやらなくてもいい
普通だと西洋人がやった方が違和感ないはず・・・だけど
その役をあえてマギーが演じることで こういう異国で
孤独な女が生きているという 独特の色合いや
リアルさを出すという点では マギーを起用して正解
別れたとはいえ 元旦那の視点は的確にマギーを映し出す
それはさておき・・・
正直 どうなのよ?と思ってた ニック・ノルティ
まさか旦那じゃないよな?と思いきや 義理父で一安心したものの
登場シーンから このオッサン大丈夫?!ってな印象だったのに
彼の役が朴訥と淡々としながらも 彼の役・演技は凄く良かった
旦那を失い 子供とも一緒に住めない
友達にも恵まれてるのか そうでないのかわからない
(ダルは意外にも 普通のいい友達だった・笑)
なかなかドラッグからも抜け出せない・・・
殺伐としかねないマギーの生活や 子供とも会えるように
嫁をよく思わない妻に内緒で 嫁のマギーに
さりげなく手を さっと差し延べる 行き過ぎず
程よいそのさじ加減が絶妙な義理父を好演
なかなか上手くいかない カナダ~フランスでのマギーの生活
そして カナダ~イギリスでの義理父一家の生活
父を殺したのは 母だと思ってる 小さいながらも利発でシビアな子供
だけども 自分の母親には間違いない
反発しながらも 一緒にマギーとアメリカへ行こうとする・・・
そのあたりが ヨーロッパ的視点で 淡々と自然に描かれていた
派手なお涙頂戴や 感動ものでは全くないけど
こういう静かな人間再生・人間浄化の映画もいいなと思った
なんともうら寂しいカナダの風景
人は多く賑やかで華やかで 生き生きとしてホッとするパリの風景
でも 孤独な人間はどこにいようと孤独
そんなに自分を簡単に変えれるもんでもない・・・
そんな人間と 街の持つ空気感が印象的だった
今日の映画:76点
by acine
| 2007-08-28 15:23
| Francia フランス映画