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特典のポストカード付      前売り買った!


by acine

LITTLE CHILDREN  リトル・チルドレン ’06 アメリカ

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アメリカの郊外の住宅地で 起こる出来事の数々・・・
一見 普通であって 普通じゃない 

そりゃ映画だから 出来すぎな部分もあるけど
この映画の中に出てくるような思いや経験を抱いたことが
ある人もない人も 何故かわかるわかる・・・この感覚・・・!
でも どこか他人事と思いたい・・・線を引きたい自分もいるという感じ

なんかこう身につまされるような 居心地の悪いような
でも 目をそらしちゃいけない・・・ 決して居心地はよくないんだけど
わかるわ~その気持ち!と 時には不意打ちに 時にはジワジワとやってくるクサビ
グサグサ突っつかれながら 思わず画面に釘付けになってしまう映画だった

この映画の人たちを見つつ 自分はどうなのさ?と自らも振り返る
見てる側も 何故か堂々巡りをしてしまうような映画でもあった
ストーリー:シネマトゥデイ

出だしの公園での主婦たちの姿 ケイト・ウィンスレットも ちょっと変わってるけど 
あぁ・・・いるいる!こんな女達~! 何で自分もこんな女たちの中にいるんだろう?と
思ってしまうことがある どうも苦手なタイプの女たち・・・
仲良くもないのに 何で一緒にいるんだ? でも そうするしかない場合も確かに
よくあるんだわ 妥協だけで過ごす無駄な時間・・・この辺りからつかみはOK! 

旦那の気持ちもわからんでもないが 旦那がパンツかぶってあんな風じゃ 
そりゃケイトも 公園主婦のアイドル”プロム・キング”こと 
パトリック・ウィルソンにそりゃ魅かれるよぁ~ 
どう見たって あのつまらなそうなパンツ旦那より そりゃ~パトリックだ
逆にあんな立場じゃ 仕事が出来る女で 稼いでくれるだろうけど 
キツそうなジェニファー・コネリーより そりゃすり寄ってきてくれるケイトだろう
だけども 彼女は少年っぽいという例えがあったけど 全然少年っぽくはないよな

LITTLE CHILDREN  リトル・チルドレン ’06 アメリカ_e0079992_2365559.jpg


どこにもいそうで やっぱりいない 二人のキャスティングが効いている 
そして 二人とも達者で上手い
色白 インテリ文学少女が そのまま大きくなったような 
ちょっと不安げで ストレートで 母親失格気味のケイト
ちょっと平凡?と思いつつも その爽やかさと実直さ 
そのガタイの良さも光るプロムキング 司法試験挑戦中主夫のパトリック 

だけど あんなことを 公園やらプールでしておいて 
保守的そうなこの街の公園主婦たちに よく噂されないな~?!
子供達がジェニファーとパンツ夫に言わないなぁ・・・と
不思議だったけど まぁそれを言っちゃおしまいよ!なので言わないけど・・・

この映画・・・妙にアップが多いので 主人公二人を始め
ほとんどのキャストの顔の皺・毛穴・産毛まで
しっかりと映しこむので 妙に生々しい
上気した裸の二人を写すシーンもそのまんまなので これもリアル 
まるで人間の皮膚フェチ?皮膚観察マニア?とも思えるような
独特の描写 この映画・・・皮膚でその想いを共有する映画

まるで 皮膚が呼吸をする瞬間が 見てる側にもわかる具合なので
見てる方は その登場人物たちの心模様・弱さも 肌で感じ取るような気がして
よりスクリーンに釘付けになって グサグサきてしまう・・・という感じ
これは映画館でデカデカと写されるこの皮膚感を見ないと勿体ない

***以下 ある程度ネタバレあり***

街中の人間から まるで怪物か悪魔のような扱いを受ける
出所したばかりの小児愛の元性犯罪者のロニーと年老いた母の物語も
なんとも哀しい そんなに悪い奴じゃないじゃない?と思いながら
母がお膳立てをしてくれたデートで やっぱり鬼畜に逆戻り・・・!

このロニー役のジャッキー・アール・ヘイリー とても上手い
オドオドしつつどこか純粋で だけど 狂気も隠し持ってる雰囲気が自然
アカデミー助演男優賞ノミネートも納得 母親役の女優の毅然な演技も上手い 
ただし こんな母親がこんな息子を作ってしまったのは事実

その後の母と彼のシーンは哀しいけど 
救急車で運ばれる母に駆け寄った近所の人
その原因を作った 本当に酷い奴だけど(これって○人だと思う)
パトリックに向かって 元警官の告白シーンにもちょっとグっと来た

そしてラスト・・・ 公園でのあの3人の遭遇には驚いた!
何故 パトリックは あんなしょーもない所で立ち止まってしまったのか?!
結局彼は 家を出る時から息子を連れてなかったし 
そこから もう答えは出ていたということ 勇気がなかったのか 本気じゃなかったのか
ハナから行く気はなかったのかもしれない 信じてたケイトは哀れだ
そして また何事もなかったかのように 元の生活に戻るんだろうけど
胸にイチモツ持ったまま こうして人間は生きていくんだよなぁ

何気ない日常の中のストーリー 
自分がどう踏み出すかで ドラマチックにも 悲劇にも ラブストーリーにもなる
年齢だけは重ねると いろいろといい事も悪い事も覚える
そんな邪念や欲望 誰もが持つ自らの俗物ぶりにどう対処していくか? 

この映画を見てると 何も知らない子供の方が人間としてはマシ?
自分も含め 歳だけ重ねてたって 大人って○カだよな~
ホントに情けないよな~と思うことも多い 
成長もさほど伸びもないのに 歳だけくってるから余計始末が悪い
なかなか辛らつなストーリー でも暗くなりすぎず
不思議とカラっとしてる・・・ 見ごたえ充分でした

今日の映画:80点

*アカデミー主演女優賞:
ヘレン・ミレンもジュディ・デンチもこのケイト・ウィンスレットも甲乙つけがたいけど 
個人的にはペネロペ・クルスが一番よかったな~ (メリル・ストリープのみ未見)
by acine | 2007-09-23 22:37 | Estados Unidos 米映画