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by acine

呉清源  呉清源 極みの将譜 ’06 中国

呉清源  呉清源 極みの将譜 ’06 中国_e0079992_1524153.jpg

トークショーのあとに上映

この映画 ずっと見たいなぁと思いつつも
見るチャンスがなくて 今回 念願の初鑑賞

想像していた通り 静けさの漂う 間合いの映画
古きよい時代の日本が こんな風に
中国の監督によって描かれるのが また味わい深い
多くのシーンが滋賀県の近江八幡で撮影されたらしい・・・

正直 碁の世界は疎いので 今も小田原にご健在という
中国・福建省出身の名人 呉清源さんのことは
この映画の話題が出るまで 恥ずかしながら
全く存じ上げませんでした

私の中ではチャン・チェン主演の碁の映画というイメージのみで
始まって あぁそうか~ 日本が舞台だから
日本の俳優が一杯出るんだった・・・と軽い驚き

これは チャン・チェンの存在感で持ってる映画だと思う
その静かな佇まいで魅せる間合いの映画
時代に翻弄された呉さんの人生を垣間見る・・・
チャン・チェンの演技や佇まいは素晴らしかった!

ワダエミさんデザインの衣装を身に纏うチャン・チェン
その長身で何でも美しく着こなし とても品がいい

トークショーでも感じた 骨格の美しい顔や表情が
トーンの暗いシーンや夜のシーンでも
美しく浮かび上がるのが しっかりと確認でき
こういうシーンでも ちゃんと映えるというのは 
本当に彼は 演技のみならず その目鼻立ち、体型も含め 
よい資質を持ち 俳優になるべくしてなった人だな~と思った

そして 美しい日本人の所作や暮らしや風景を
改めて 今の日本人が確認する映画でもあったと思う

ブツ切りなシーンの連続の割には 
比較的わかりやすく 内容も決して退屈する映画ではなかった
途中 囲碁の世界から 新興宗教?!という世界に
傾いたり ちょっと驚いたシーンもあったけど・・・

呉さん役の台湾人のチャン・チェンが 
戦時中を含め 異国日本に違和感を感じつつも
言葉も完璧ではないのに 存在する姿
着物や中国服(でよいのか?)を纏い
すんなりと日本の風景に馴染んでるのは素晴らしかった

その反対に 日本の昔の風景に どうもフィットしてない
日本の俳優・女優もかなりいるのが頂けなかった
どう見ても 今風の雰囲気 そしてどうも間合いが悪かったり・・・

アウェイであるはずのチャン・チェンの馴染み方が 
とても自然だっただけに ホームであるはずの日本人が 
日本の風景にフィットしないのか 違和感が残った

チャン・チェンのワールドクラスの風格のある演技や
スケール感にフィットできる人材を 日本で見つけるのは 
難しいのかな?とも思う いっそ全員 中華系キャストが
演じていたら どうだったかな~?とも思う  

個人的には 熱に魘された山奥の一軒屋の女性
柄本明、松坂慶子あたりは及第点だったけど・・・
奥さん役が スー・チー位 演技のできる人だと
もっと言わなくてもわかるという夫婦の雰囲気が
見てる側にももっと伝わったのに・・・と思う
あの教祖もねぇ・・・ そして あとでビックリしたのが
呉さんの母役が シルビア・チャンだったこと!

チャン・チェンが演じていなければ 
なかなか見ないタイプの映画だったと思うけど
チャン・チェンが素晴らしかったので 決して退屈ではなく満足

それにしても この若さでこの落ち着きと風格
彼は素晴らしい・・・と改めて思った
そんな素晴らしい生チャン・チェンを拝めて 感動ふたたび

今日の映画:80点
by acine | 2008-03-03 15:53 | China 中国映画