2008年 04月 02日
MY BLUEBERRY NIGHTS マイ・ブルーベリー・ナイツ ’07 香港・中国・フランス

王家衛が欧米キャストを使っての初の映画
噂はいろいろ聞いてたけど・・・予想通りと言いましょうか
予告で見たように ”恋する惑星”の焼き直し感や
今までの作品の残り香が漂う映画でありました
きっと王家衛・・・この映画では新しいことをせず
すっぱり割り切って 欧米向けの観客向けに
”王家衛の世界とはこんなものだ”という シンプルで
わかりやすいお披露目的なものを
見せたかっただけだろうという気がする
なので 今まで王家衛の映画を見てきた人には
特に新しい発見はないわけで・・・
ただ 場所がアジアからアメリカへ変わっただけ
キャストが東洋人から西洋人に変わっただけで・・・
濃そうで 贅沢なキャストを使いながら
意外にも ポップで(死語)スッキリとした印象を持つ
”恋する惑星”や”天使の涙”あたりのモチーフを使ってという感じ
このあたり 西洋人キャストに変わっても
王家衛お得意の変人&自閉気味のキャラオンパレードで
英語を喋ってるのが 違和感を感じられるほど
あの独特の間合いを保ってたのは不思議
その音楽とも重なって 鼻炎の薬を飲んでた私は
ラスべガスのシーンとか・・・ 所々うとうとしてしまったくらい
いろんな意味で 心地よい映画ではあったけど
だけど ただそれだけ・・・ 残るものはないかな?

画面を見ながら ついつい思い浮かぶ 場面
カウンター越しの会話 これってまったくトニーとフェイじゃない?!
あの電車の早回し こんな電話をタケシはしてたよな~
そういえば タケシやミシェル・リーも掃除よくしてたよな
フェイもズタ袋ひきずってたよな~ 乱闘もあったね
カフェの外で佇んでたよなぁ~ お父さんも死んでたね
と 思い浮かぶのは 彼の香港を舞台にした映画の断片ばかり・・・
男前なジュード・ロウ
今回髪がフサフサで安心したけど(笑)
ラストのシーンは すっごくスウィートだったけど
余りにも雰囲気もん映画なので 演技者としては
物足りない いや楽勝な映画だったのでは?と思ったりする
知名度低くても 雰囲気もんを生かせる
新しい人使った方が新鮮でよかったような気もしないでもない
そしてエキゾチックで 純朴そうな雰囲気漂う
ノラ・ジョーンズ 演技は初めてでも パフォーマーなので
ピッタリと映像や雰囲気に納まってるのはよかった
彼女の役は 主役であり傍観者 ナビゲーター的でも
あったのは意外 おとなしめだったかな~
場所がメンフィスに変わり
デヴィッド・ストラザーンとレイチェル・ワイズのエピソードに移る
これは乾いた空気感の漂う いかにもアメリカ的なエピソードで
王家衛らしくないなぁ・・・と思いつつ見た
二人とも上手かったし 印象的だったけど テンション高くて
ギャーギャーわめく女は王家衛映画にはいらないな・・・
わめかなくとも 喋らなくとも その風情や後姿で
女心を表現できる 中華圏の女優が妙に懐かしく感じた瞬間
とか何とか言っても レイチェル・ワイズのフラッパーヘアや
クラシックでモダンな雰囲気漂うドレス姿はとても美しかった
あぁいう姿見てると 骨格違うよな~ 体の断面が
絶対東洋人とは違うはずだわと思うスタイリング
そして彼女の名前が スー・リンなのも思わせぶり
そしてこれまた思わせぶりなレスリーという
役名で登場した ナタリー・ポートマン
えらく大人になってたので ビックリしてしまった位
貫禄あるいい女っぷりでしたが この辺り居眠りこいて
しまったので その程度の感想でゴメンという感じ
見てて 映像も音楽も心地よい映画ではあったけど
王家衛映画を見慣れてる人間には やっぱり物足りなさを感じた
最大公約数@欧米版より 本家見た方が絶対いいよな気がする
キャストも やっぱり東洋的静けさ&湿度がいいよな~
言わなくともわかるあの間合いは 東洋人キャストの方が表現力ある
あと 不思議ちゃんキャラの味わいも 色気も
こういう題材なら 東洋人キャストの方に軍配という感じがした
今日の映画 73点
by acine
| 2008-04-02 00:02
| Asia アジア映画