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by acine

LE TEMPS QUI RESTE  ぼくを葬る ’05 フランス (スカパー)

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若くして余命数ヶ月という題材は映画にしやすいのか
ついこの前も 余命3ヶ月という映画を見たばかりだけど・・・

こちらはフランス男版 余命3ヶ月という映画
ストーリー:goo映画

このポスター見覚えあるし タイトルも聞き覚えある・・・
何気なく見始めたこのおフランス映画 
チラっと情報を見ると 監督はフランソワ・オゾンじゃないの~!
これは見ておかないと・・・

死ぬまでにしたい10のことのサラもかなり絵空事だったけど
こっちは美貌のカメラマン そしてゲイと やっぱり絵空事風
そして 彼もそのことをジャンヌ・モロー演じる祖母にしか打ち明けない
同じように余命いくばくかの絵空事物語のはずなのに こっちは何かが違う

LE TEMPS QUI RESTE   ぼくを葬る ’05 フランス (スカパー)_e0079992_1735395.jpg


主人公ロマン役のメルヴィル・プポーがとにかく美しい!
どんな場面であっても 透明感があり 憂いがあって
ゲイ ノンゲイ(って言葉ある?)を超越した 美しい容貌と
佇まいが印象的 この題材にピッタリな程よい線の細さも良い

花の向こうに横たわったり パンツ一丁でバスルームに横たわったり
海辺で水着で横たわったり まったくフェチと言おうか 
かなりオゾンの趣味が入ってそうな感じ  
美しいメルヴィル使って こういう絵が撮りたかったのね
そんな風景も数多く展開されるんだけど そういう耽美な世界
そして 普通の街に溶け込む姿でさえ とにかく美しい 
なので そんなフェチ世界も気にならなくなってくるのが不思議

余命いくばくかのはずの彼が そこにいるだけで 
大輪の花が咲いてるように 周りの風景までが光を浴び
より儚くて より美しく見える位なのだ

死にゆく人が あそこまでいつまでも美しいわけではないのに
何故かそれが許せてしまう力が メルヴィルにはある

彼が何故死ななければいけないのか・・・?
きっと見てる側に そんな気持ちを抱かせる程 
彼の美貌は とにもかくにも凄い威力なんである
その美貌ゆえ漂う孤独感と虚しさ そして悟り

そして期待を裏切らない 
フランソワ・オゾンの一筋縄でいかない世界
当然ながら ヒネった展開が 次々と待っているのが面白い
いきなりヴァレリア・ブルーニ=テデスキとの話など
OKしたことはいい だけど旦那までが参加?!ありえん・・・!と思いつつ 
そのノーマルじゃない ヒネり加減がたまらなく心地いい

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耽美な世界の中の美しさ
ヨーロッパ的で淡々とした中にも 瑞々しさ 虚しさが
きっちりと表現されてて 余命3ヶ月対決は私はこっちに軍配!
メルヴィルの美貌と佇まいで ラストまで見せきった感あり
ポスターの意味はこういうことなのね・・・と

フランソワ・オゾン 男を見る目は女より優しいような気がする
しかし かなりのピッチで映画を作る人なんだなぁ・・・
あのひねくれ具合に慣れると これが何とも面白くて
次はどんな形で 裏切ってくれるのかが段々楽しみになってくる

今日の映画:80点 
by acine | 2008-04-04 17:43 | Francia フランス映画