2008年 04月 13日
満城蓋帯黄金甲 王妃の紋章 ’06 香港・中国

待ちくたびれた頃に やっと公開!
賛否両論 好き嫌いハッキリ分かれそうなこの作品・・・
個人的には とーっても面白かったです!!!
何とも中華的というか もうコテコテの中華そのまんま
屋外、室内、衣装等のあの色彩!
その誇張ぶり! 人海戦術の凄さったら!
濃い濃い中華風味を これでもか!と もうぶっかけまくった
とてつもないスケールの中の大風呂敷 そんな王室の中で
起こるチマチマした いや壮絶な愛憎劇といいましょうか・・・
これだけ資金・人員投入して あのストーリーには???の人も
いるかも・・・だけど スケール感とそのストーリーのギャップが
落差がありすぎて極端すぎる所が 私は逆に面白いな~と思いました
とにかくテンション高く ほとんどジェットコースタームーヴィー
そして やっぱり 私の心を掴んで離さないというか
目が釘付け!になってしまう その理由は
監督チャン・イーモウの 鬼のようなこだわり!
そして これでもか!の 様式美の世界!

色彩の鬼
どう見ても これはワダ・エミさんじゃないだろーという衣装
室内から絨毯まで 物凄い色の洪水 生地の質感
いろんなバリエーションのゴールド、黄に 赤やピンクが
組み合わさる 悪趣味丸出しの見本のような色なのに
場面場面で とんでもなく美しい組み合わせや模様が出てくるので
一瞬たりとも目が離せない 凝りすぎですわ~これは!
今回自分は模様フェチということに気がつきました・・・(笑)
構図の鬼
場面場面 やっぱり鬼のようなこだわりが見られる所
彼はシンメトリーが好きね あの壮大な王宮
あくまでも映画の中の世界だけど スケール感に唖然とする
そして馬や人間が通る あの通路を抜ける絵 その先に広がる風景
ガシーンと閉まるとてつもなくデカい扉
はぁ~こっちも感心すると同時に呆れる位こだわってる
大道具・小道具の鬼
冒頭の侍女たちの身支度風景から 漢方を煎じてる(?)風景
廊下の柱や簾(七色の簾まであった!) あれこれの家具や小物
何とも細かく細工がされた障子の格子 お薬グッズ
果ては 王妃の爪飾り?やあの爪 あの爪で菊の刺繍
豪勢な金と銀の甲冑 プロレスが出来そうなサイズの特大テーブル
まぁ・・・これだけ細工の細かいものや 数が一杯必要な
物を準備する しかも完璧に・・・ 気が遠くなりそうな位!
撮影現場で この大道具・小道具をじっくり観察したい・・・!
見物料払うので ぜひ見せてもらいたい位
とにかく その見せ方!
こんな映画の撮り方する人 世界でもまずいないよな~と思わせる
鬼のようなこだわりぶり! それにまず唖然としてしまう私でした
これは映画館の大スクリーンで見ないと意味なし!

延々繰り返される 廊下をお付の者をしたがえ
王家の人間が ズンズンと歩くシーン
そして1時間毎の時間を知らせる行列
そして王妃への薬タイム そして女たちの胸
同じシーンが繰り返されるのに 全く飽きない
凄い様式美の世界なんだもん・・・!
時代考証 本当にその時代はそうだったのか?は
この際無視でいいというかどうでもいい
あくまでもエンターテイメント! アトラクション!
そして 薄顔の人も混じってるけど これまた濃いキャスト陣
王家の人々 以下:多少ネタバレあり

王妃:コン・リー
○薬にワナワナしていたけれど 全編に渡り
妻・母・女 女の業がメラメラと煮えたぎっておりました
いやー姐さん凄いです チャン・ツィイー同様 口が曲がってるけど
あんな小娘目じゃない位のさすがの貫禄!ド迫力
一歩間違えたらとても着こなせない濃すぎる衣装もよく似合ってました
王:チョウ・ユンファ
カラ・コンを目に入れ これまた黄金の衣装に身を包み
やさぐれ気味だけど端整 ○官上がりの つかみどころのない
残虐さも兼ね備え 時折仙人のような雰囲気も漂わせ
後半爆発した・・・という感じかな これまた貫禄

長男:リウ・イエ
一番翻弄されまくる可哀想な役どころの彼 上手かった!
個人的には コン・リーと同じくらい座布団あげてもいいかな
小賢しい所があり どこか純粋で人間くさい長男
二男、三男に比べるとキャリアの差か リウ・イエは
さすが本業俳優!という感じで 演技が上手いな~と思いつつ鑑賞
濃い目の顔の彼 今回ジョニー・デップと顔似てるな~と
思いながら見ていた しかしあんな姿で参列とは気の毒でした
二男:ジェイ・チョウ
普段のジェイそのまんまの母親思いの王子という美味しい役どころ
演技はやっぱり素に近いかな(笑) その自然な味わいが彼の
持ち味ではあるんだけど 他のキャスト陣の業煮えたぎる演技に
混じると 役と衣装と小道具に助けれたかな・・・的感はあるかも
だけどその清涼剤的味わいの雰囲気 地味~なルックスが
また映えるという利点もあり 次の課題は 素ではなく
容赦なく泥沼に巻き込まれた時 どんな演技が出来るか・・・?!
三男:チン・ジュンジェ
スッキリした美男顔 チャン・チェン系?
しかし まるで家政婦は見た状態の三男
謀反を起こしたばかりに・・・これまた凄い展開に・・・
彼とユンファのシーン・・・昨今の事件を匂わせるような
家族でありながら何故・・・? かなり怖いシーンである
その他主治医一家もとりまぜて メインの人物を絞ってあるので
とてもわかりやすい かつ目が離せない展開だった
あの医者の妻が 小柄ながら 凄く迫力あったし
あの娘役が撮影当時17歳だったとは~! 凄い胸でしたわ
それにしても ドロドロと 誰も信用できない恐ろしい世界でございました
こんな世界で絶対生きたくないけど 時間を知らせる
行列位には入ってもいいかな? と思った私(笑)

アクション監督はチン・シウトンだったっけど
カメラはクリストファー・ドイルではないよね?
クレジットそこまで確認できてなかったけど・・・
あの緑深い山奥の絶景での なぜか忍者?まで登場しての壮絶な戦い
個人的にはかなり好みでした スピーディで面白かった!
王宮内での戦いより こっちの方がポイント高し
とにかく 凄いモン見せてもらったな~! ということで
ストーリー云々より そのパワー&こだわり万歳!ということでおしまい
もう一回見に行ってもいいな~と思ってます
そして最後に やっとジェイ・チョウのエンディング・テーマ
”菊花台”が3度目の正直でやーっとスクリーンに流れました! 恭喜!
CDよりアコースティックっぽく聞こえたのは気のせい?
今日の映画:82点
巷で何かと話題の北京オリンピック
背景は別として このチャン・イーモウが演出を担当する開会式は
これまた凄そうなので 個人的には必見!という感じで楽しみです
一体どんな鬼のようなこだわりを見せるのか・・・?!
チャン・イーモウ: HERO~英雄~ LOVERS
コン・リー: 2046 愛の神、エロス
チョウ・ユンファ: 男たちの挽歌 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
リウ・イエ: 小さな中国のお針子 ジャスミンの花開く PROMISE 無極
姐御 ~ANEGO~
ジェイ・チョウ: 頭文字D THE MOVIE
by acine
| 2008-04-13 10:00
| Asia アジア映画