2008年 05月 31日
CONTROL コントロール ’07 イギリス・アメリカ・オーストラリア・日本 (2,3回目)

この映画に すっかり私は魅せられてしまいました 1回目
個人的オールタイムフェイバリットムーヴィー入り間違いナシ
この映画で描かれているジョイ・ディヴィジョンにも
後身バンドのニュー・オーダーにも
何も思い入れがなかったにも関わらず・・・
音楽系映画としても シンプルに映画としても 素晴らしすぎて
もう直球で 心にズコーンというか ずしーんというか・・・
完璧 私はノックアウトされました (サントラも買った・笑)

この映画を見る限り・・・
ミュージシャンとしては 余りにも繊細な神経を持ち
人間としてもピュアすぎて 壊れた家庭と愛人の間を 行ったり来たりの情けなさ
悲しいほど不器用で ただただ音楽が好きだっただけの若者イアン・カーティス
バンドの登り調子とは裏腹に てんかんの発作が起こり始め
あまりにもエネルギーを注ぎ込むステージが苦痛に感じ始め
奥さんに別れると言っては 言葉とは裏腹の行動
なかなか別れられない愛人との関係・・・
そして 人生も終焉へ向かう様は 本当にこっちもどよーんとして
まるで自分も自殺したかのような気分になるし
それがわかっていても それでもいい・・・と見たくなってしまうこの映画
何度も何度もどよーんとする価値のある映画だと思う
2回目を見終わり だからニュー・オーダーの曲名は
”Blue Monday”なんだ・・・と遅ればせながら 気がついた次第
追い詰めれられている人間 苦悩する人間にしか書けない曲と歌詞
その感情と曲に これまた見てる人間も 深く考えさされるわけで・・・
重くてつらいけれど 見ていたい 聞いていたいと思う
不思議な魅力を持つ映画だと思う

このイアンを演じた サム・ライリーが見れば見るほど素晴らしい
インディーズバンドのヴォーカルだったとは思えない
深い演技が出来る若手だと思う 単にロングコートを着て歩いてるだけ
煙草を吸ってるだけでサマになる・・・ 佇まいだけで充分物語る
彼の演技にも私は完璧惚れこみました よい作品を選べば
きっと将来有望 グングン伸びていきそうな感じがする
そしてこんな風に撮りあげた監督のアントン・コービンも本当に素晴らしいなと思う
まさにロック・フォトグラファーでないと 作り上げられない世界だと思う
ライヴシーンも恐ろしくカッコいい とにかく全てのシーンが決まっている
モノクロなのに単なるモノクロの単調さとは全く無縁のこの映画
モノクロの世界に広がる この感情のほとばしりとくすぶり方は凄い
参考:CONTROL Trailer / youtube *音出るので注意

何回か見てると スノッブさを装うレーベルのオーナー トニー・ウィルソン役の彼も
軽薄だけど人間くさいマネージャー役の彼も すごくいいし
イアン同様 一種生真面目な普通の若者のバンドの面々も凄くいい
そして 何度見てもコケティッシュで可愛い
愛人アニーク役のアレクサンドラ・マリア・ララ
そして 嫌なものを見てるような気がしてしまいながらも
酷い仕打ちに耐え続けた妻役のサマンサ・モートンのさりげなくて
凄い演技が この映画をぐーっと影で支えている
この難しい題材を こんな風に料理するとは 感嘆の一言!
皆が適材適所で素晴らしい仕事を果たした 奇跡のような映画だと思う
こんな映画に 日本も加担しているとは嬉しい
こんな価値ある合作には どんどん参加してくれ~!という感じ
今日の映画:85点
24アワー・パーティ・ピープル も再び見たいし
ジョイ・ディヴィジョン/goo映画 も絶対見なくては!
by acine
| 2008-05-31 23:20
| Inglaterra イギリス映画