2008年 09月 13日
INTO THE WILD イントゥ・ザ・ワイルド ’07 アメリカ

荒野へ・・・というタイトルのこの映画
大学を卒業し 家族にも行き先を告げず
アラスカの荒野へ旅立った青年クリス
彼を旅へとかき立てるものは何だったのか?
そして彼の目的は何だったのか?
そして彼が旅で出会った人、物、風景は何だったのか?
アラスカの荒野のマイクロバスで発見された彼の遺体
そんな実話に基づく ショーン・ペン渾身の監督作
詳しく:cinema.cafe.net
まず全体的に印象に残るのは・・・
アメリカのとてつもない大自然 大きな国土を舞台にした
スケールの大きなロードムーヴィーであり
その大自然の中に存在する ちっぽけな人間の存在
この場合 ちっぽけなのは 人間は非力という意味で
彼の器が小さいわけではない・・・
そして 結果的には 若気の至りではなかったのかな~?・・・ということ
彼をアラスカへと誘ったのは 繊細な彼が感じすぎた
両親との違和感だけでなく まだ人生経験も少なく
新しい世界を見て経験する事が素晴らしい!と過信していたこと
もちろん それも正しいと思うけれど・・・
そんな彼から見ると 文明社会に生きる人間たちは
大変つまらなく思えて 野宿を選んだ自分はなんて自由なんだと
自分にいくらか酔ってる部分もあるのが否めない
そんなこと自体がまだ青いな~と思わせてしまう
人間年数を重ねていくと 段々とどうにもならないことも
あるもんだ・・・と悟っていく 悟らざるを得ない部分がある
そんなことがあるとは思わないのが若さなんだろーなぁ
正直 今イチ主人公クリスの心情がつかめず
何故アラスカなのか?ということも 両親との関係も
そこまで傷つく?!という感じだったので
(多かれ少なかれ 問題のない家族なんていないんでは)
始まって中頃までは 今一つ入り込めない自分がいたのだけど・・・
折り返した辺りから 徐々に引き込まれていった
それは 出会う人たちとのシーンの数々にも・・・

特にあのおじいちゃんのロン 彼とのシーンはもの凄くよかったなぁ・・・
人生を長く生きた彼と まだまだ青いクリスのその関係
そして ヒッピーの夫婦&若い娘とのシーンも
一種世捨て人の彼に出会う人たちは ちょっと出来過ぎな位
人間って悪くないよな~と思わせる人たちが多くて
この辺りは この物語 救いはある・・・・
身の回りの人間関係に疲れて旅立ち
人と無縁のアラスカへ とうとう旅立つものの・・・
終の棲家で 初めて人間関係の重要さ 喜びを人と分かち合うことの
大切さがわかった時には 時すでに遅し・・・なのだった
この旅で生きて戻っていたら 彼にはまた違う人生が待っていたと思う
よい人間関係をちゃんと作れる人だったのに とても勿体ない
若くて繊細で傷つきやすく突っ走ったものの
理想と行動力があったばかりに 思わぬ大自然に足をすくわれた彼
こんな名もなき若い子もいたんだな~と 余韻を残す映画だった
主演のエミール・ハーシュも若さがキラキラして堅実な演技だったし
旅先で出会うキャストたちもよかった いい意味でとても真面目な映画
フォークの香りのする音楽もこの映画にはとても似合っていた
(MCハマーには笑ったけど!)
アメリカの雄大な大自然 まさにロードムーヴィーの似合う国だ
そして そんな広い国を旅する人を フレンドリーに手助けする人もいること
そして こんなサバイバルな旅や生活が自然に出来るなんて
凄いよな~と 島国日本の人間は思ってしまいました
今日の映画:80点
by acine
| 2008-09-13 22:49
| Estados Unidos 米映画