2008年 11月 05日
Love in the Time of Cholera コレラの時代の愛 ’07 アメリカ

今年のハビちゃん映画3本目
妙にクセになる ハビエル・バルデム
怪優でありながら ずしっとしたオーソドックスさも
併せ持つ 器のデカいエスパニョール
ノーベル賞作家 ガルシア=マルケスの原作を映画化したこの作品
詳しく:東京美術通信
南米コロンビアが舞台のこの映画
キャストたちも スペイン人、イタリア人、ブラジル人、ヒスパニック系アメリカ人
など せっかくラテン系の人で固めているのに 言語は英語
看板や人の名前もそうだし 周りの人たちはスペイン語喋ってるのに
そこだけはまるで異空間のように英語が喋られる・・・
なんともコロニアルな街並みや パティオのある家が舞台なのに
やっぱり興ざめ スクリーンを眺めては これがスペイン語だったらなぁ・・・
という感は中盤まで否めず こういうラテンな世界に英語は似合わない
この映画 主人公 フロレンティーノは
青年時代は ハビエルと違う俳優が演じていて
片やヒロインのフェルミーナは 同じ女優が生涯を演じるので
二人が登場する ?! 一体この間 何年くらいたったのか?
時間軸がかなりわかりにくい というか
もう少しちゃんと設定しません?!という感じ

片方はえらい老けてるけど こっちはそうでもない・・・?!
老け演技も 向いてる人あり(ハビエル)
向いてない人あり (ヒロイン) だったり
そのあたりのバランス感覚が かなり気になる映画でもあった
そんな中 ヒロインの父親に引き離され
50年間も思い続けるのはいいけど どうもマザコン
そして その失恋の治療と称し 片っ端から女と関係を持ち続け
それを日記につけるかなり痛く悲しい男のフロレンティーノ
なんで ヒロインはこんな男がよかったのかしらん?と思わせる
今イチインパクトの薄い 恋する青年時代の役者から
???一体何年たったの? 一体彼に何があったのか?と思わす
インパクト大 若年寄なハビに変わってからは
シーンによっては これって何の映画だっけ?と思いたくなる位
その独特な濃さと静けさと情けなさで 場面をかっさらうハビ
その類猿人のようなルックスでありながら
その気持ち悪さと紙一重の崇高な静けさを纏う様はやっぱり見事
何で こんなゴリラ男に引っかかる女が山のようにいるのかしら?!と
不思議に思いつつ 単に見た目だけではない奥深さに女たちは
惹かれるんだろうか~? なーんて思ったり ハビの威力は絶大でした

しかし まだ四十路前でこの貫禄の老けメイク&演技
それも なんかこう情けない爺さんなんだけど
その老いらくの爺さん演技がこれまた上手いんだわ~
何をやらせても上手いハビ氏なのであった
しかし そろそろスペイン語の映画に出てほしい
ヒロインは全ての年代を演じるということで
その肌の張りはちょっと無理じゃない?という部分があったり
逆にいかにも老けメイク・・・という部分も目について
ちょっと損な役どころだったけど 綺麗かどうかというと微妙かも?
演じるジョヴァンナ・メッツォジョルノは 凛として個性的なルックスの人だった
そして チョイ悪風ルックスのヒロインの旦那のドクター
ベンジャミン・プラット なかなかカッコよかった
そして野卑なヒロインの父親に ジョン・レグイザモ
息子思いの母 フェルナンダ・モンテネグロは さすがの上手さ
ヒロインのいとこに いかにもラテンなカタリーナ・サンディノ・モレノ
なかなか芸達者なキャスト陣の中でのストーリー
小説で読んだ方が もっとグっとくるのかもしれないけれど
この独特な空気感も悪くはなかった
だけど あれこれ お膳立てしすぎ 見せすぎな部分も
ちょっと目についたし *終盤も見せすぎ デリカシーなさすぎ
これがスペイン語の映画だったら もっと風情も陰影も
あったのにな~と いう感じはしました
英語はこの映画の空気感にどうも合ってませんでした
しかも キャスト陣 かなりクセのある英語喋ってたし・・・
今日の映画:75点
そうそう 一瞬ビョーク?と思わせる独特な歌声は
なんとシャキーラでした こんな歌も歌えるんだなぁ・・・
音楽もなかなか良かったです
by acine
| 2008-11-05 00:33
| Estados Unidos 米映画