2009年 01月 02日
胡蝶飛~LINGER 僕は君のために蝶になる ’08 香港

今年の1本目です
ジョニー・トー監督作
”ラブソング”のアイヴィー・ホーの脚本
詳しく:cinemacafe.net
ノワールではない トー映画
ターンレフト ターンライトみたいに かなり甘めかと思っていたら
いい意味で予想が外れて 決して大甘では転ばない
いつものトー節があちこちに見られて面白かった
成仏できない男が主人公だからか
トー先生が いつものように 夜のシーンをメインで
持ってきたかったのか 幽霊がらみのラブストーリーの
せいなのか 夜のシーンが とても印象的でした
ある意味これもノワール 異色の映画かもしれない
ヴィック・チョウ(台湾)、リー・ビンビン(中国)が主役なので
てっきり台湾あたりが舞台なんだろうと思っていて
当然ながら言葉も北京語 しかし ヒロインがミニバスに
乗った時点で あ~!これは香港だと気がつく・・・
マギー・シュウ、ラム・シュー、ロイ・チョンなど
いつもの顔ぶれがいながら 彼らも広東語を喋らない
そこは香港ながら 容赦なく北京語なのがどうも不自然だ
北京語勢力に香港や香港映画が乗っ取られたようで・・・
だけども 今回のこの役柄を考えると
甘さと未練を残す若い男 そして後悔に苛まれながら生きる女
ある程度新鮮で 今回の役に合う役者が 香港にいるかというと
それも疑問なので 今回の舞台は香港でありながら
主役二人の母国語の北京語を使うというのはしょうがないのかなとも思う

ちょっと気性が激しすぎるところが どこか大陸的で
もう少ししっとりとした女らしさが欲しかったリー・ビンビンは
なかなか上手かったし エキゾチックな顔立ちも印象的だった
ヴィック・チョウは 映画のスケールに見合うか
どうかは別として 誠実に役をこなしていたと思う
実は彼の台湾ドラマは 以前何本か見ていて
可愛い可愛い美少年だった昔と比べるとガッチリとして
ずいぶん大人になったなぁ・・・と思わせる
今回印象的だったのは 主人公二人より脇役の人たち
薄いような濃いような顔立ち いいかげんなのか誠実なのか
よくわからない若い男ウォン・ユーナン 存在感がありよかった
そして ”レッドクリフ”では 今いち大人しかった劉備役のヨウ・ヨン
やさぐれて疲れた感じの父親役がすごく良く
こっちの方が”レッドクリフ”の彼より断然良かった
彼の最後の病室での一言には目が潤んでしまいましたよ
デジャブーのような 車とバイクのシーン
あっちの世界とこっちの世界が共存する美しすぎる夜の公園
夜会う主人公二人のそばへふーっと現れる砂の城を作る子供
○○った頃へ戻る二人・・・ そして沖へ向かうヨット
地味ながらトー先生の美学を感じる印象的なシーンがあちこちにあった
幽霊絡みのラブストーリーとしては異色で
苦味ばしった味付けがあちこちにあって
なかなか上手く誠実に作ってあったと思う
もっとチマチマしてもおかしくない
この話を見せきった脚本も上手かった
きっとDVDでは見ないと思うので
じっくり映画館で見てよかったと思う小作品だった
よい意味で予想を裏切ってくれた気がします
エンディングもヒロインの歌だったしね
これも香港映画の王道
次は トー先生の話題の”エグザイル/絆”を1日でも早く見たいです
今日の映画77点
by acine
| 2009-01-02 12:30
| Hong Kong 香港映画