2009年 01月 17日
QUANTUM OF SOLACE 007 慰めの報酬 ’08 イギリス・アメリカ

待ちきれずに見てきました!
以下 ネタバレもあり これからの方はご注意を!
正直言いまして 不完全燃焼でした
お腹一杯 何度見ても ストーリーがわかっていても
スリリングで 面白くってたまらなかった前作と比べると
ダニエル演じるボンドがクールだから そして復讐劇だからか
妙にクールで スピードが速くて かといって
テンポもいいわけでなく 妙に淡白であっさり
これは 映画全体の感想です
ものすごいスピードのアクションシーンがあちこちにあり
冒頭のカーチェイス シエナでの追いかけっこ
ハイチでのボートでのカーチェイス
そしてボリビアでの空中戦 ホテルでの攻防
とにかく演じるほうも追いかけるカメラも凄いスピードなんですが
そのせいなのか 単に私が追いつけないだけなのか
敵とボンドの位置関係がものすごくわかりにくい!!!
私はアクション映画に詳しくないし
アクションについて語るには 大変中途半端な人間ですが
とにかく 今回のアクションシーン
対決する人間や船や車の位置関係がよくわからず困惑しました
逃げ道の雰囲気 建物の構造はどうなってるのか?
ホテルの中のどこに誰がいるのか?大自然の中も
普通はなんとなくはその全体像がわかるもんですが
それが今回のは大変わかりにくい
そんな中で 肝心の対決する人たちの
位置関係が とにかくわかりにくい・・・!!!
それってこういう映画では 致命傷じゃないんでしょうか?
今 何が起こってるのかよくわからない
しかも ものすごくスピーディに演じられてて (これは凄いと思う)
それに勝る凄いスピードでカメラが追いかけられると
もう訳わからん・・・!という感じ
なので せっかくのスピード感が生きるどころか
何が起こってるのかよくわからん・・・という結果になり
どのアクションシーンも どうも印象に残らなかったんです
なんか凄いことやってたな~位しか
そして あまりにも激しすぎるシーンが多くて
普通だったら いくらボンドやボンドガールとはいえ
生身の人間だったら何回も死ぬよ・・・と
思うシーンが何箇所もありました

せっかく あれだけダニエルを始め
役者やスタントが体を張って 死人が出てもおかしくなさそうな
ハードなシーンをせっかく演じてるのに 勿体ないことだなと思いました
今回の映画の印象は クールなアクション映画という感じなんだけど
そういう凄いスピーディなアクションシーンが一杯の割には
シーンごとにブツ切り状態で どうも淡白でメリハリが
あんまり効いてなかったと思います
前作の方が アクションシーンは限られていたけど
各々のシーンにもっと爆発力や重量感があり
もっともっとスリリングだったような気がするなぁ
これはドラマ全体にも言える事で
淡白 あっさり 情緒や人間性に欠ける・・・という感じ
復讐に燃える クールにガツガツ行くというのもいいけど
もう少し 前作みたいに 人間対人間なんだから
多少のユーモアやボンドの心が滲み出るような
シーンもあればなぁという感じでした
すーっと流れて タメがない映画なんだよな~ 今回は

と いう感じで 監督の演出のせいで
人間ボンド ダニエル・ボンドをじっくり味わうヒマもない
テンポ&演出だったので ちょっと物足りなさも感じましたが
ダニエルは前作にも増して 体を張った演技
徹底的なクールさを押し出す演技
大変カッコよかったのは間違いないです
前作より 体型もスッキリして 体も軽そう
スーツを着ようが ラフなカッコしようが 顔が傷だらけになってようが
血を流してようが ほこりだらけであろうが もうどんな格好してても
恐ろしくスタイリッシュでダンディで まるでメンズ雑誌から抜け出たようでした
今回 ラフ系も多いのがよかった(笑)!
こんなパリっとしたメンズと連れ立って歩けたら最高よね!
ラフな格好がキマってこそ 本当の洒落もんだと個人的に思うから!
そして あの宝石のような瞳は語らなくても雄弁
そしてあの声もやはり最高でした 渋いよ!
だけど もう少し 俳優ダニエルを味わえる演出だったらなぁ・・・
演技できる人なんだから アクションばっかりじゃなくて
演技ももっとさせてくれればよかったのに~と思いました
ボンド自体も冷酷にいくのはいいけど
肝心のホワイトほっといて 雑魚かもしれない男を
あそこまで執拗に追っかけるのも???だし
殺してもない人間の罪を被らされても弁明さえしないし
マティスにもあぁだし なんだか説明不足
はしょり過ぎのような気がしました これも演出に問題あり
カミーユ役のオルガ・キュリレンコ
コケティッシュな魅力で スタイルよくて 存在感ありましたが
役柄がちょっと中途半端だったかな? ボンドとは同士的関係だけど
どうもそれも浅かったし アクションももっとするのかと思ったら
意外とあっさりしてたし・・・ あと演技者というよりまだモデル系だなと
あと敵役のマチュー・アマルリックも妙にこじんまりとしてました
もっと嫌らしくやってくるのかと思いきや その体格同様 小物っぽく
斧を持ってても 絶対 素手のボンドには勝てないだろう・・・!
という感じがアリアリだったし・・・
かと言って さほど頭脳派でもなさそうで どうも小粒
※マチュー・アマルリック出演作 潜水服は蝶の夢を見る
Mも困った息子と母ちゃん的なユーモアも少しはあった前作と
比べると ちょっとヒステリックな感じで これまたタメがない
J・デンチのネックレスだけは印象に残ってますが・・・
敵をはじめ周りのキャラがぐっと立ってた前作と比べると
妙にすーっと何もかもが流れていって え?これでおしまい?と
思ったら ホントにおしまいでして ちょっと残念な出来でした
ついでに言うと 前作はホテルのフロント嬢まで
すごい別嬪さんだったけど 今回の女性陣は地味目でした
もう1回くらい ダニエル鑑賞には行ってもいいけど
映画としての魅力は あんまり感じない今作でした
何本か見てる 監督マーク・フォースターの作風があんまり
好きではなかったので どうかな~?と思ってたのが
そのまんま当たってしまった・・・という感じですね
※マーク・フォースター監督作
ネバーランド普通 ステイ訳わからず
チョコレート/amazonの演出はもう全く好みではありませんでした
冷酷にクールに・・・の今作
ニヤけたおっさんボンドが出てくるより
クールなダニエルボンドが絶対よいに決まってますが
次作は もっとメリハリつけて ゴージャスに
そして スリリングに作ってもらいたいです
せっかくダニエル・クレイグのような凄い役者を主役に据えているのに
今回のようにただすーっと流れる映画ではもったいないから!
今日の映画:72点
by acine
| 2009-01-17 23:35
| Inglaterra イギリス映画