2009年 01月 25日
ALATRISTE アラトリステ ’08 スペイン

17世紀のスペインを舞台にした 冒険小説の映画化
と言っても この映画の主人公の剣士アラトリステは
小説には出てこない 架空の人物らしい・・・
詳しく:CinamaCafe.net
で その主人公アラトリステを演じるのが ヴィゴ・モーテンセン
実は今まで縁がなくて 今回が初見です
名前からして 何でスペイン映画の主役を?!と思っていたら
子供時代にアルゼンチンやベネズエラで育ったから
スペイン語もOKだったんですね~ これは単純にうらやましい!
結論から言うと 感動!というタイプの映画ではなく
割と淡々としていながらも シリアスでも 退屈しない作りで
400年前のスペインがプンプンと漂う映画
冒険活劇というより 無敵艦隊スペインから
斜陽の国へと落ちぶれつつあった この時代に生きた男たちの生き様
不条理な目にも合いながら 誇りを持っての戦いを描いた映画

血中男度が高い連中ばかりで 情けなくも 勇ましく
その生き様や 戦う様には惚れ惚れしました
そして王家の下に生きることとは・・・
そして その時代に生きた女たちを 真面目に描いた
スペインらしい光と影 シリアスながらも
スペイン映画らしい 濃厚な空気が漂う映画でした
ヴィゴはスペイン語もお見事で (でも たたみかけるような
スペインのスペイン語という感じでもないかな~?)
演技者としても及第点だったと思うけど・・・
残念ながら 当時のスペイン風の衣装を着ていても
ヴィゴは見るからに 北方系の空気感 肌の質感
肌の薄さを感じるひんやりとしたルックスで
ラテンの男たちの濃厚な空気感 肌の質感とは
やっぱり違っているのは 残念だな~と・・・
この年代のスペインもしくはスペイン系の人で演じることが
出来る人がいれば その方が自然だったような気がします

そして 個人的には スペインの男前
エドゥアルド・ノリエガが 出るのが楽しみでしたが
貴族風ロン毛や衣装 彼のスペイン的濃くて甘いルックスが
ヴィゴの北方的ルックスの物足りなさを補ってくれました(笑)
しかし 残念ながら 主人公はヴィゴ@アラトリステ
もう10歳 エドゥが歳取ってたら 十分演じられたのにね!
そして スペイン映画やラテン映画系で 最近やたらと目にする
若きエスパニョール アラトリステの養子役のウナクス・ウガルデ
薄味だな~と思ってましたが 今回はなかなかよかったと思う
どうもイギリスの若手 ジム・スタージェスと イメージがカブる気が・・・
出ただけで 気持ち悪いけど可愛げのあるカマラくん
あのハビエル・カマラも出てるし ”パンズ・ラビリンス”の薄幸な母親役の
アリアドナ・ヒルも 薄めのルックスながら 今回はとても印象的だったし
情熱を秘めいつもペロンと脱いでる印象のあるエレナ・アナヤ
そして ここでも清楚なピラール・ロペス・デ・アジャラ・・・
各人 適材適所で的確な演技をしている
スペインの役者は よい意味でとっても手堅く上手いと思う
ストーリーは いくらかのなかなか上手くいかない色恋沙汰を含んでも
淡々と シリアスに進むので 普通に見たら退屈しそうなものだけど
今回 印象的だったのが・・・
中世そのまんまのスペインの町並みを贅沢に使っていること
そして シーン シーンの 陰影のある映像が
まるで スペイン絵画のようで 本当に美しかった
台詞にもあったけど ベラスケスが宮廷画家だった
時代らしいけど まさにベラスケスの絵のような感じ
そして 重装備からかけ離れた姿で
自分たちの国のために男たちが戦う姿
”エスパーニャ!”と叫び 散っていくエンディング
小汚かろうが 年寄りだろうが 大変格好よかったです
そして 静かだけども感情が迸るスペイン女たち
やっぱり スペイン映画の この濃密な空気感
陰影がたまらないな~と思うので ヴィゴのルックスが
この映画に本当にフィットしてたのかどうかは疑問
だけども 真面目に作った地味ながらよい映画だと思います
監督アグスティン・ディアス・ヤネスの映画は
ウエルカム!ヘブンを見たことあるけど 今回はまったく違う作風
↑もユニークでなかなか面白い映画です
スペイン映画かヴィゴのファンであれば満足できると思う
私はやはりクールな北方系ルックスは苦手かな・・・
今日の映画:79点
by acine
| 2009-01-25 23:21
| España スペイン映画