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特典のポストカード付      前売り買った!


by acine

CHE PART ONE  チェ 28歳の革命 ’08 アメリカ・フランス・スペイン

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予告を見た時から これは絶対見よう!と思ってましたが
もうすぐパート2公開間近に やっと見れました!

一言 凄くよかった!

静けさと力強さと聡明さと信念が同居したチェ同様
映画の印象もまったく同じ印象でした

そして エルネスト・”チェ”・ゲバラを演じた紅塩
ベニシオ・デル・トロの演技も素晴らしかった!

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ベニシオ 日本では 何でかイタリア語読みされてますが
彼はヒスパニックだし スペイン語では ci = シ なので
benicio = ベニシオ と正しく呼んであげて欲しい・・・といつも思う

そして スティーブン・ソダーバーグの演出もとても的確
NYでのシーンを効果的に使って 
基本的には スペイン語圏の役者を使っての
本格的スペイン語映画であったのもポイントが高い

世界的アイコンである チェ・ゲバラ
正直 彼の生涯や 取り巻く環境にまったく明るくなく
ガエル・ガルシア・ベルナルがチェ・ゲバラを演じた
モーターサイクル・ダイアリーズを見た後も 
ゲバラの本を読もう読もうと思いつつ 全然読めずに 
今回もほとんど白紙で臨んだ次第です
詳しく:東京美術館通信

映画が始まった途端 感じたのは 独特の色合いの映像
なんて色のトーンの雰囲気のある映画なんだろう・・・ということ

メキシコのアパートでのザラついた白色
だけど存在感のある人間たち
ニューヨークでのモノクロのシーン
そしてキューバの森の中の太陽が降り注ぐ美しい自然

文で説明するのは難しいけど 
ものすごく雰囲気のある映像で それを見ただけでも 
この映画はよさそうだ!というのが 即伝わってきた

フィデル・カストロと出会い キューバで革命を起こすべく
小さなことからコツコツと・・・ という感じで映画は進んでいく・・・

行く先々での志願者や農民を巻き込んでのゲリラ軍の道程は 
地味ともいえるもので スペクタクルというより 
あくまでもその時々での状態や チェや兵の
心の動きを中心としたもので 淡々としている

だけども そのエピソードや チェの言葉や行動一つ一つが
とても印象的で 決して飽きることはない 飽きないどころか
彼らの動き チェの言葉から 目が離せないという感じ

そして 後年チェがNYに行き インタビューをされたり
国連でもスピーチをしているシーンから 
そういう革命のシーンが回想される展開も上手い

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私が好きだったのは 
森の中 道なき道を進むゲリラ軍のシーン

負傷者が出ても決して見捨てない 
医師のチェは率先して 手厚く介護をし
皆で負傷者を担ぎながら 歩いて行くシーンが印象的だった
そして 武器を持たない農民は採用しない 
やる気のない者は抜けろ・・・とか 
とても真っ当でリアリティのあるシーンだった

そして 休憩の合間に チェが本を読んでるシーン
農民出身者に 字や算数を勉強しろと諭すシーン
行く先々で 地元民を診察するチェ 

この映画を見る限り 
チェ・ゲバラは革命家であり 優秀な思想家だったのだな~と
とてもインテリであり そして信念がまったく揺るがない
いい意味で 宗教家のようでもあった

彼の言う ”祖国か死か”は 別として 
愛を持って その信念を貫き通すエネルギー
本気度 その魂 移ろいやすい今時の人間も
彼を見習うべきことではないか・・・と

演技をしてるようにはまったく思わせない
そんなチェを演じたベニシオの演技は 本当に素晴らしかった!
映画の印象同様 静けさを身に纏い とても心が強く
信念を貫き通す男を 見事に演じていた 
そして 渋くて なんとカッコいいことよ!

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予告でも印象的だった 国連でのスピーチシーンも
見所たっぷり 反論するアメリカや他の中南米や
南米の国の代表を相手に 力強く喋るシーンは凄くよかった

そのスピーチの内容も 今の時代に置き換えても
よく理解できる事柄や ごもっとも!と思うことも多くて
世界というものは なかなか進歩するのは
難しいものなんだな・・・とも

そして ロドリゴ・サントロがスペイン語を喋ってたり
”アラトリステ”で見たばかりのウナクス・ウガルデや
これまたよく見る カタリーナ・サンディノ・モレノなど
ラテン圏キャストもよい 

というわけで 背景を深く知らなくとも
映画自体の魅力も凄く溢れた1本でした

十分堪能できたけれど 見終わって思ったのは
やっぱり本を読んでおきたいなぁ
本を読んでから パート2を見ようと思った次第です

そして 睡眠不足&ハシゴのレイトだったので
終わり1/3位 心地よい中南米のスペイン語の響きに
ウトウトしながら見てしまったのは勿体なかった

まくし立てるようなスペインのスペイン語より
南米、中南米のスペイン語はゆったりしてて
優しい感じで 聞いてて凄く心地よいのです(笑)

そういえば こんな言い回しもあったな~ 
そうそう!こんな悪い言葉もあったな(笑)など
スペイン語の勉強にも とてもなりました

話それましたが 何ヶ月も待たせる某レッドクリフより
こういう矢継ぎ早の公開の方が 観客の満足度を上げて
興行的には効果的なんではと思ったりして・・・

今日の映画:80点

パート2  ”39歳 別れの手紙” も期待大です



私たち日本人と違って また違う印象も持ったようで・・・

劇中での べニシオ演じるチェは 
muy argentino (ものすごくアルゼンチン人らしい) だったらしい
人にあれこれ指示するところとか凄くそうだ・・・って

※一般的に南米では アルゼンチン人はお高くてプライド高くて
  自分たちをヨーロッパ人だと思ってるとか・・・で
  他の南米や中南米の国の人を見下してるらしく 
  あまり評判がよくないらしい・・・んですね

なので 人にあれこれ指示をするのが ものすごくアルゼンチン人らしいって

ベニシオのスペイン語はとても自然だそーです

南米ではチェのことを 支持する人・しない人
彼を好きな人・嫌いな人に はっきり分かれるんだそうです

うーん 本を読もう! 

そして 再びスペイン語! 
ネイティブの先生を誰か早いとこ見つけよう!
という気になってきました
by acine | 2009-01-29 12:34 | Sudamerica  南米映画