2009年 04月 05日
WATCHMEN ウォッチメン ’09 アメリカ

アメコミが原作のこの映画
ストーリーもキャラクターも全く知りません
一昨年 ハマりにハマった 300の監督
ザック・スナイダーの映画というだけで見る価値ありだな・・・!と
あのとんでもない映像美&描き方からすると
全く知らない世界でもOK!という気になるわけです
時代背景とか社会状況を抑えておかないとわからないとか
ストーリーが難解という話を聞いてたので 事前にパパっと背景を
見たものの ロールシャッハというキャラがいることしか覚えられず
それでわかるかな~?!と 不安を抱えつつ行ったものの・・・
意外や意外 しっかり見てれば ちゃーんとストーリーは
なんとなく追えたのでよかった 一安心・・・!
詳しく:シネマトゥデイ

現実社会にヒーローを放り込んだらどうなるか?という
ありそうでなさそうで リアルで非現実なこのストーリー
キャラは濃い そしてその世界はダーク
下手な監督が手掛けたら 単なる子供だましか
空中分解するか 絶対破たんしそうな映画なのに
センスのいい映像とともに 恐ろしくアメリカーンな
こ・こんなのありえん! ありえねー的世界が繰り広げられるのを
傍観してるうちに 気がつくと夢中で見ておりました(笑)!
これは完璧大人だましな劇画世界であり
ダークファンタジーであり ダークなミステリー
気がつくと すっかりザック・スナイダーの映像世界に
すっかり取り込まれていました いや凄いです この手腕
ヒーローものに 時代背景や政治 そして世界観や宇宙観まで
ぶち込んで まったく破たんしてないのが 凄いよなぁ・・・と感心
たまたま飛んでくる?物騒な日に見てしまったので
この映画で語られてる世界観は今の世界
特にここ最近の日本とピッタリでちょっと神妙に見てしまう
この監督は天才かもね いや天才!
こんな子供だまし コケにされてしまうかもしれない映画を
巧みにまとめ上げ かつエンタテイメントとしても成功させてるのは凄い!
タイプとしては 去年見たダークナイト とどこか共通する世界
同じようにダークでも こっちはノワール感覚も入っているところ
それから より劇画的なザック・スナイダーの映像センスと
よい意味での映画らしさとアナログ感 瞬間的に観客を異空間に連れて行ったり
微妙に皮膚感を感じたり 人形劇的ヒーローっぽい?
ちょっと可笑しいアナログ感あったり その共存具合
さじ加減や リズムの転換が絶妙なんですね
なので いい大人もすっかり 気がつけば 世界に入り込んでるという有様
つっこみどころは満載なんだけど すっかりマジックにハマってしまうという・・・
キャラクターも凄く立っていて クセありのヤツばかり・・・

やっぱり凄いなぁと思ったのが ロールシャッハ役のジャッキー・アール・ヘイリー
リトル・チルドレンでも 戦慄の演技だったけど 今回も凄い この人も天才系
その一見 小柄で弱っちそうな 冴えない風貌を逆手に取って
何をしでかすかわからない 怖さや凄味さえ感じる演技
マスクをかぶっていても 彼の苦悩がちゃんと伝わってくる感じ
見てる人にとって一番共感を生むウォッチメンは彼ではなかったかな?
この人普段はとってもお洒落でセンスのよさを感じる人というギャップも面白い

そして 登場シーン&脱ぐシーンの多い
パトリック・ウィルソンと共にお色気担当のマリン・アッカーマン
ヒーローにしては人間臭すぎるのがちょっと鼻についたかな?
顔立ちはすっきりしてるのにどうも肉厚 体もなんだかムチムチしているパトリック
あの肉厚で普通っぽい彼がヒーローってどうなのよ?と思わなくもないけど
演技は安定してる マスク姿はバットマンを彷彿とさせるけど
クリスチャンの方が圧倒的にクールで素敵 口元も・・・!
そういえば彼も ジャッキーと共に ”リトル・チルドレン”へ出てました
そして セリフでもあったけど お母さんの方が美人ねという感じのマリン
この人もパトリック同様ムチムチ系 どうもスパイスガールズみたいで
現実に引き戻れるような気も ちょっとシャープさに欠けるかな?
そして もはや人間離れしてしまった超人Drマンハッタン役は
ビリー・クラダップ ビリーけっこう好きなんだけど
今回はすべてを悟った 全能の神のようなお姿
(しかもすっぽんぽんだし!)だったので 声でしか演技が
見れなかったのは残念 しかし彼が戦争まで行ってるとは!
人間に失望し 〇星に佇む姿も妙にハマっておりました

D・ボウイ的だし どうもイギリスっぽいなーと思ってたこの人
マシュー・グード やっぱりイギリスの人でした
マッチポイントにも出てたらしいけど (エミリー・モーティマーの兄役)
雰囲気違うから全然気がつかなかったけど
今回のクールでミュータントっぽい感じもよくハマってました
300で圧倒された映像美は 今回はより現実的で等身大で
かつスタイリッシュで やはりとってもカッコよかったです
リアルな凄いCGと実写とアナログ感のバランスが凄く良かった
音楽も意外な曲がけっこう使われてて 気がつくかつかない位の音で
小さく使われてたり なかなか面白かった ネー〇とかもね(笑)
この監督は音楽もこだわりあるのが良い! やっぱり映画はトータルで
どう見せるか? 総合芸術の世界なので 細部までとことん
こだわりを持ってる人の映画を見るのは面白い
見終わって何が残るわけでもないけど
雰囲気のあるセンスのいい映像と 重量感たっぷりのアクション
映画なんてファンタジー 楽しかったな~!と満足でした
しかし 300同様 目を覆いたくなるようなバイオレントな
シーンも多いし 好き嫌いはハッキリ別れそうな映画・・・
でも なかなか凄いよ!とだけ 言っておきましょう
あの当時のアメリカに あれだけカンフー系アクションが
広まっていて 皆達人だったのかは謎なんだけど・・・(笑)
今日の映画:80点
by acine
| 2009-04-05 23:36
| Estados Unidos 米映画